セレティアに向けて
火が消えたのを確認し、俺も眠りにつく
すっかり月が登った草原は、薄い月明かりに照らされていた
............
翌日、鳥の鳴き声で目が覚める
目を擦りながら起き上がり、大きく伸びをする
「3日ぶりのまともな空気だー」
バルネアにいた時は、灰のまじった空気のせいで何度もむせていた
「さあ、レナ。出発するぞ」
寝袋に潜り込んでぐっすりと寝ているレナを揺する
レナは初めこそ嫌がっていたものの、やがて寝袋から顔を出す
「アルト?......あとちょっと」
「寝るなー。馬車を探すんだろ」
起きようとしないレナに呆れながら、彼女が起きるのを待つことにする
昨夜座っていた岩に腰掛け、気長に待ち続けていると、荒野の方から馬の足音が近付いてくるのが聞こえる
「レナー、起きろー。馬車が来たぞ」
「馬車ぁ?次の馬車でいいよー」
「また歩かないとならなくなるぞ」
「それでもいいからぁ」
「......はぁ」
再び寝袋に入り込んだレナを持ち上げると、御者を呼び止める
「すみません。その馬車、セレティアに向かいますか?」
「ああ、そうだが.......兄ちゃんセレティアに行きたいのかい?」
「はい」
「へえ。兄ちゃんも物好きだねー。今セレティアは感謝祭の真っ最中なんだぜ?。観光客も集まってるし、今更観光なんて行っても楽しめるとは思えないがな」
御者の男は、申し訳なさそうに頭をかく
「観光だけが目的ではないので。いくらでしょうか」
「どうしてもっていうなら止めはしないが.....300ゴールドだ」
「それなら2人分で600ゴールド。これでいいですか」
「毎度あり」
男は俺と背負われているレナを幌の中に案内すると、台車に座る
「揺れるから気を付けろよ」
「はい」
馬車がゆっくりと動き出す




