荒野を抜けて2
歩を進めるごとに前方には緑の草原が広がり、灰に染まった大地が後ろに消えていく。草原の緑の命ら夜が更けた今でも分かりやすいほどに鮮やかだった
「すごい!草原が」
見渡す全てが白と黒に塗られていた世界にいたレナには、鮮やかな自然の姿は初めて見るものだったのだろう。彼女はその紫の瞳を輝かせていた
「どうだ?外の世界は」
「すごい......すごいよアルト!」
レナはそれまでの疲れを忘れたかのようはしゃいでいる
「休みたかったんじゃないのか?」
「それはそうだけど、今はそれどころじゃないよ!」
「....ふっ。そうか」
俺は苦笑いすると、革袋から荒野で拾った枯れ木の枝を取りだし焚き火が出来るように組み合わせる
レナは元気よく草原を駆け回っている。こんな日を待ちわびていたという事が伝わってくる
「ふわぁ」
「どうだった?」
「楽しかったよ。でも今日は疲れちゃったかな」
「まあ、あんなにはしゃげばな」
レナは大きくあくびをすると、俺が用意しておいた簡単な寝袋に入る
「おやすみー」
「ああ、ゆっくり休みな。明日も早くなるから」
俺は焚き火に枯れ葉をくべながら火の番をする
「なあ、サミル」
[どうしました?主よ]
「セレティアについて何か知ってることはないか?」
[セレティアはファルロドス様の暮らす国で、ファルロドス様と人間が作り上げたのです。セレティアの人々は、大戦に反対し獣人と共に人間に立ち向かってくれたのです]
「そんなことが」
[人々は大戦で傷を負ったファルロドス様を救おうと尽力していました。大戦での被害が最も少なかった国でもあります]
「なるほど。ありがとう」
暗い草原を赤く彩る炎が、アルトを照らしていた




