荒野を抜けて1
バルネアの村から離れた荒野
これで村から6時間は歩いた事になる
すっかり日も暮れ、隣を歩くレナの顔にも疲れが出ている
「アルト。少し休もうよ」
「もう少しで草原に着く。それまでの辛抱だ」
レナには過酷だろうが、いつまでもこの荒野にいるのは危険だ。灰を吸い込みすぎれば呼吸困難に陥りかねない。一刻も早くここを離れなければならない
レナを諭しながら枯れ木と灰に満ちた荒野を進む
「レナ。一つ聞いていいか」
「え。ど、どうしたの?」
レナは俺の抱く疑問に予想が着くのか、ばつが悪そうにしている
「お前の言ってた道はどこにあるんだ?」
「え、えーと。それは、その」
レナは消え入りそうな声で、指を絡ませながら呟く
「あー、だいたい予想はついてたんだが。お前。知らないよな」
「そ!そんなこと」
「隠さないでいい。これから村に突き返そうってわけじゃないんだ。噴火の被害で焦げた場所に近道なんてあるはずない」
「うっ」
「旅についてくるための口実だったんだろ?別に気にしてないさ」
レナの顔が明るくなる
「それはいいとしてだ、あと一息だ。頑張れるよな」
「うぅ」
レナは苦しそうに小さくうめくが、覚悟を決めたのか歩き出す
俺も続いて歩く
目の前に続く灰の大地の先に、僅かに緑が見え始めた




