炎の旅人
「いらっしゃいませー。あら、あなたはレナを助けてくれた」
雑貨屋に入ると、店内にいた女性が笑顔で迎えてくれる。彼女がおそらくレナの母親だ
「どうも。レナからこれを借りたので」
俺はカウンターに革袋を置く
「あら、悪いわね」
俺が店を出ようとすると、レナの母親が話しかけてくる
「それにしても、あなたは勇気があるのね。バルガレイド様を鎮めるなんてそう簡単なことじゃないのよ?」
「いえ、レナのペンダントのおかげですよ。彼女がいなければ、俺も今頃山の一部です」
「本当にありがとうね。何度もレナを助けてくれて」
「こちらこそ。短い間でしたが、レナには世話になりました。それではまたいつか」
「ええ、気を付けてね」
レナの母親は笑顔で見送ってくれる
「よし、出発だ」
[主よ、次はどちらに?]
「そうだな。ここから近いのはセレティアだし、そこに向かおう」
[そうすると、到着は一週間くらいでしょうか]
「う、そうか。何か足が欲しいところだな」
出発を前に移動手段の問題に悩んでいると、聞き覚えのある声が聞こえた
「アルト。どうしたの?」
「ああ、レナか。その革袋は?、さっきお前の家に返したはずだったけど」
「そのことだけど。私もアルトの旅に連れていって欲しいの」
「俺の旅に?」
「そう。昔お母さんに読んでもらった絵本で動物達が旅をする話があるんだけど、私も旅をしてみたいなーって.....どうかな?」
「どうかな?って。俺は構わないけど、お前は大丈夫なのか?。特に楽しい事なんてないと思うぞ?」
「大丈夫だよ。それに私ならこの辺りの事は買い出しに行ってるから良く分かるし、接客も出来るから旅先で売店も出来る。アルトは狼の獣人なんでしょ?。それなら商人をしてれば人間に怪しまれることもないよ」
「確かに。お前が来てくれれば旅も楽になるか」
「決まりだね!それじゃあ早速出発ー!」
[なあ、おい!]
「どうしたの?神様」
[何で俺も行く流れになってるんだよ!]
「アルトと約束したじゃない。一緒に世界を見て回ろうって」
[あれは約束じゃ......ケッ。わーったよ]
バルガレイドも了承してくれたようだ
「セレティアまでなら近くを馬車が通るし。それに乗って行こうよ」
「そうなのか。なら、その馬車でセレティアまで向かうか」
[では参りましょうか]
「ああ」
村を後にし、再び旅に戻る。次の目的地は水の都と呼ばれ、多くの観光者が訪れる国。セレティアだ




