出会い
「!?。危ない!」
俺はあわてて走り出す
[助けます]
サミルの声が聞こえたと思うと周りの景色が確認出来なくなる
「何だ!?」
[主よ、止まってください!]
訳もわからないまま足を止めると、先ほどまで奥の通りにいた少女が目の前にいた
「おまっ!?。サミル!。何し....」
俺は言い終わる前に転びそうになる少女を抱き抱える
「ひゃっ!?」
俺は少女を立たせると少女の荷物を掴む
「うおっ!?」
俺は荷物の重みで足を滑らせて転倒する
その上に少女の抱えていた荷物が滑り落ちてくる
「ぐえっ!」
背骨に木箱が激突した痛みで、訳のわからない声をあげてしまう
「っつつつ」
「大丈夫?」
上から女性の声が聞こえる
見上げると、少女が俺を見下ろしていた
「大丈夫だ。気にする......あ」
風が吹き、少女のスカートが揺れ、彼女のスカートの中が見える。俺は慌てて目を反らす
「どうしたの?......きゃあ!。見ないで」
「み、見てない!!。見てないから!」
俺は慌てて立ち上がると、宿に向かって逃げるように走り出す。途中石に躓いて派手に転倒するが、それも気にせず宿に逃げ込んだ
宿に入った俺は、ベットに仰向けに寝転ぶ
「はあ、はあ、はあ」
急に走ったせいか息があがり、それに加えてこれまでの移動の疲れが重なりその日はまともに動けなかった
「.......明日あの子に謝らないと」
[主よ。さすがにあれは趣味が悪いです]
「誤解だから!。本当に見てないから。ギリギリ見えてないから」
サミルにすらも引かれて、俺は混乱する
(旅が始まって早々これかよ)
考え事を始めたとたんにそれまで感じなかった眠気に襲われ、俺は眠りにつてしまった
翌朝、誰かが部屋の戸をたたく音で目が覚める
「アルト様。お客様がいらっしゃっています」
「客?。まさか、父上が」
俺はおそるおそるロビーに降りていく
一階に降りる階段から様子を確認しようとロビーを覗いたとき、心臓が止まりそうになる
「っつあ!?」
ロビーには昨日の少女がいた
(何で!?。疑われてる?)
俺が部屋に戻ろうとしたとき、サミルに呼び止められる
[主よ、おとなしく認めましょう。その方が罪は軽いです]
「いや本当に違うだって!」
[しかし、宿に来たときの主の顔は真っ赤でした]
「それは違うって昨日から言って」
「やっぱり」
「はわあっ!?」
後ろから少女の声が聞こえる
(しまった!。声が)
少女が階段を登り、俺に近付いてくる
「昨日のは、本当に違うから!。本当に見てないから!」
俺が必死に謝る姿を見て、彼女はクスクスと笑う
「違うよ。昨日は助けてくれたお礼をしなくちゃって思って」
「へ?。お礼?」
「昨日はありがとう。私はレナ・アーシア。あなたは?」
「あ、ええ。アルト・エールデン.....だ」
「アルト......いい名前。ありがとう。アルト」
そういうと少女は笑顔を見せる
「ああ。気にしないで.....っと、これから調査があるんだった。じゃあ」
俺が階段を降りて宿を出ようとすると、レナが俺を追いかけてくる
「アルト、待って。調査ってどこにいくの?」
「バラム火山道だけど。何でそんなこと?」
「それなら水がいるでしょう。これを持っていって。昨日のお礼」
レナは俺に水の入った瓶をくれる。
「火山道は危険だから、ちょっと待ってて」
レナはそう言うと宿の奥の通りを左に曲がって行く
「どうしたんだろう」
[主よ、本当に見てなかったんですね]
「いつまでそれ言うんだ」
[それはそうと、あの少女。赤い髪に薄紫の瞳。随分と綺麗でしたね]
「そうだな」
「アルトー」
俺がサミルと話していると、レナがこちらに走ってくる
「アルト。私もついていくよ」
「いや、そんな悪いよ。もう十分にお礼はしてもらったし」
「大丈夫、お父さんとお母さんには時間を貰ってきたから」
それから何度かレナを止めようとしたが、彼女が引き下がらなかったため、彼女の言葉に甘えて火山道を案内してもらうことにした




