始まり
王国から程近い峠。一人の青年と盗賊の戦いが繰り広げられていた
「ウラアアア!」
男の大剣が俺の剣にぶつかる
「ぐうっ!」
何故こんなことになってしまったのか
(勝手に城を抜け出すなんて考えるんじゃなかった)
剣がミシミシと悲鳴をあげる
(ま、まずい)
俺はあわてて蹴りをくりだす
「がっ」
盗賊はバランスを崩すが、すぐに起き上がる
「くそがああああ!!」
「うお!?」
青年の頬を大剣が掠める
「っつ!」
「へへ。おとなしくそのペンダントを渡しときゃよかったのによ」
「そんなこと死んでもするかよ。これはお前らみたいなやつには渡すわけにはいかない」
「うるせえやつだな。仕方ない、それなら死ね」
腹に痛みを覚えたかと思うと、俺は宙に浮いていた
「そいつはとらないどいてやる。死んでも大事にとっとくんだな。ハハハハハ!!」
(クソッ。こんなところで)
「まだ、死ねるかよ」
俺は地面と強く激突し、そのまま意識を失う
どれぐらいたっただろうか、全身を柔らかい毛布のようなもので包まれていることに気付く
「........生きてる?」
[目が覚めましたか?]
「誰かいるのか?」
[貴方の周りです]
俺が声の方を見ると、薄い黄色をした毛皮の生えた竜が俺を守るように体を丸めていた
「化け物!?」
[怯えることはありません。決して貴方を食べようなどと思っていませんよ]
「本当か?」
[はい]
竜は俺を安心させようと、優しい口調で話しかけてくる
「俺は......生きてるのか」
[森の生き物が貴方をここに連れてきたのです]
「そうなのか......そうだ!」
俺はペンダントを探す
「あった!」
[何か探していたのですか?]
「ああ、これを」
[それは!]
俺がペンダントを見せると、竜は驚いたような声をあげる
「何かあったのか?。これは、この世界の歴史を知る上で重要なものだ。それを盗賊に奪われそうになって、戦ってる最中に崖から落ちたんだ」
[その宝玉は......貴方が300年前の英雄の]
「英雄?。何のことだ?」
俺は、目の前の竜の言っている事がわからなかったが、その意味をすぐに知ることになる




