表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢の話

夢の話 異世界にて

作者: 眠熊猫

最近見た夢です。絶対なろうさんの影響です。

読みながら寝落ちすることが増えましたから。

登場人物の名前を忘れたので、適当につけました。

カイは、故郷から遠く離れた辺境の、大きいとは言えないが小さくもない村で薬師をしている。

近くにある三つほどの小さな村には薬師さえいない。

だから何かと頼りにされている。

カイの故郷も同じような規模の村だったが、母校の紹介でこの村に赴任して来た。

同じ薬師であるカイの父と、来年薬師になる弟のケイに故郷のことを頼んで。

ケイは、

「僕が故郷を離れるつもりだったのに。何故?」

とカイに尋ねたけれど、カイはただ

「そうしたいんだ。」とだけ答えた。




カイには幼馴染の親友、ハルがいた。

彼は半年前に結婚したばかり。なのに山仕事の事故で重体になった。ハルはその最期に死の誓いをしてくれとカイに懇願した。

死の誓い、それは魔法を伴う特殊な誓いであり、破った途端にその者は心臓が止まり、即死するもの。

それでも、ハルはカイに頼む。

「俺が死んでも、妻のリンと結婚しないでくれ」

リンはカイの従姉妹。昔から二人は仲が良く、ハルをリンに紹介したのはカイだった。

ハルとリンが恋人になった時も、その後幾度か彼等が仲違いをした時も。いつでも カイはリンの相談相手だったから。あぁ。気がつかなかった。ハルはずっと嫉妬していたのだな、とカイは思った。

だから死の誓いを、受け入れた。

紙に魔力を込めたインクでその旨を記し、署名を認める。すると魔法陣が浮き上がり、カイの左手首に極く小さな陣になって貼り着いた。ハルはそれを見て満足する。誓いは発動した。

カイが持参した痛み止めの薬を飲み、安らかな顔になったハルを見て、カイはため息をつき、家に帰る。

ハルが死んだのはその夜のことだった。

カイは、死の誓いのことを誰にも口外しなかった。

魔法陣はシャツの長袖で簡単に隠せるし、小さいのでそれと知らなければ傷痕か火傷の痕のように見える。


ハルの葬儀が終わるとカイは母校である薬師養成学校を訪ね、赴任先を紹介してもらった。

弟のケイに面会して、父の後を継ぐように頼む。

万が一にも誓いを破ることのないように。リンと会わなくて済むように、なるべく遠い場所を。

そうしてこの村に半年ほどかけて辿り着き、家を与えられ、畑を耕し、薬草と果樹を植え、その世話をしながら薬を作り、村の雑貨屋に卸す。

穏やかで平穏な日々。その内に恋人が出来、ほどなくカイは彼女と結婚する。

妻が身籠もり、もうすぐ出産するという頃になって故郷からカイに知らせが届く。半年以上かかって着いたその手紙にはカイの弟のケイがリンと結婚した、と書かれていた。

カイは微笑み、心の中でハルにつぶやく。

「ハル、気がついてなかったろう?リンに恋してたのは弟のケイだったんだ。遅ればせながら君とリンが婚約を発表した時に気がついたんだ。本当はね、僕は君の姉さんのマリに恋していたんだよ。六年前に流行り病で亡くなった。僕はそれがきっかけで本気になって薬師を目指した。リンは身内として、妹のように好きだっただけ。だから僕は、あの誓いを受け入れたんだよ。ハル。」





夢の中では色々な設定とかそこでの常識とか、

主人公の体験、思いなどが自然に私のものになっているために実際に見たのは短い夢でも補足が必要で、その分長くなりました。

目が覚めた時に「私って腹黒だなぁ」とつくづく思いました。

魔法陣ですが、中学生の時に飼っていた手乗り文鳥に突かれて無くなった、私の左手首のホクロからの連想だと思います。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ