くっころ女戦士
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暇つぶしに書きました。
パエンナ・タワーは、子供の頃から騎士にあこがれていた。
なぜならば、騎士の仕事である母国であるシャーロット王国を守護すると言う点において、大きな魅力を感じていたからである。
けれども、パエンナにはまるで武芸の才能はなく、兵法の才能に関してもからっきしで、おまけに発育も悪く、身長が平均よりもずっと低かったので、いくら士官学校で座学において優秀な成績を残したとしても、卒業することが出来なかった。
士官学校を退学してからは、毎日のように両親から縁談を持ちかけられた。
それでも、パエンナは騎士になることを諦めることが出来なかった。
それからパエンナは、クレア・ハルミトンと言う、屈強な戦士のもとで冒険者として修行することにした。
クレアは、粗暴が目立つ男であったが、魔法使いであるエドナ・ルーンや、レンジャーであるエリス・カルマートと言った優秀な冒険者の同行者に恵まれて、剣の腕に関しても確かであった。
ある日、クレア率いるパーティーは、クレアが所属している冒険者ギルドの依頼で(クレアは、自由都市アミトミスにあるギルドに所属している)、オーク狩りをすることになった。
と言うのは、最近、アミトミス外の辺境の村で、若い娘がオーク(知能はあるが、鈍く、醜悪な容姿をしている、残虐なモンスター)によって誘拐される事件が多発しているからである。
本来であるならば、この場合にオーク狩りをするのは、金を積めば冒険者協会で規定されている範囲外で、仕事を請け負う冒険者ギルドの冒険者ではなく、国防を司るシャーロットの騎士か、各自由都市の都市守備隊であるのだけれども、国や自由都市は、辺境の村にまで騎士を派遣することの出来る税金はないのである。
そんなわけで、冒険者であるクレア率いるパーティーは、オークの襲撃を受けた辺境の村の近くいある森を散策していた。
しかし、なかなかオークを見つけることが出来ないので、四手に別れて、オークを見つけ次第、のろしで連絡することにした。
しばらくパエンナが森の中を探検していると、茂みの向こうに気配を感じた。
パエンナは、姿勢を落とし、茂みの向こうを見た。
茂みの向こうには、全長二メートルは軽くあるだろうと思われる、オークの姿があった。
パエンナは、オークを確認次第、火をおこす為の火打石を両手に持ったが、すぐに改めた。
なぜならば、パエンナの中によからぬ慢心がよぎったからである。
それは、オーク程度ならば、一人で討伐出来るだろうと言う慢心である。
パエンナは、オークの元に静かに忍び寄って、背後から刃を突き立てようと考えた。
しかし、オークの一歩手前で、小枝を踏んで音を立ててしまったゆえに、オークに自身の存在を知らしてしまった。
オークは、パエンナを見て、言う。
「お前、冒険者かぶー?」
「ああ、そうだ」
「冒険者は、オデたちオークたちに酷いことをするぶー。だから、退治するぶー」
「酷いことをするのは、どっちよ。あなたたちオークが、人間に悪さをするのがいけないのでしょ!」
「うるさいぶー!」
「!」
オークは、いきなり装備している槍を持って、襲い掛かって来た。
パエンナは、そこで話し合いでの解決を放棄した。
いや、そもそもオークは、人間ほど賢い種族ではない。
それゆえに、元から話し合いで解決することが不可能であることは、パエンナは最初から知っていた。
パエンナは、左腕のシールドで、オークの繰り出した突きを受けた。
しかし、オークの怪力を左腕だけで受け流すことが出来ず、後方に突き飛ばされてしまった。
幸い、パエンナの後ろには茂みがあり、それがクッションとなって、たいした怪我をすることはなかった。
パエンナすぐに起き上がり、先制攻撃を仕掛けて油断しきった表情をしているオークに目がけて、鞘から引き抜いた片手剣を振りかざした。
しかし、パエンナの斬撃は、オークに届くことはなく、オークの槍の石突きで捌かれてしまって、手元から引き離されてしまった。
オークは、パエンナに言う。
「人間は、武器さえ奪ってしまえば、こっちのものだぶー」
「くそ、油断していたのは私だったか」
「じゃあ、人間には、オデの言うことを聞いてもらうぶー」
「なんだと!」
するとオークは、パエンナの腕を掴み、強く引っ張った。
パエンナは、強靭な筋肉を持つオークに逆らうことが出来なかった。
パエンナは、オークに言う。
「やめろ! 離せ!」
「いやだぶー」
「なんでこんなことをする!」
「オデの子供を産んでもらうからだぶー」
「人間が、オークの子供を生めるわけがないじゃない!」
「言っている意味が分からないぶー」
「と言うか、子供が作りたいのなら、同種族でしなさいよ!」
「オデ、オークの娘にモテないぶー」
パエンナは、オークのその言葉で、オークが人間の若い娘を誘拐する理由を理解した。
そりゃあ、確かに、同種族でモテなかったならば、同種族にモテるように努力するよりも、かよわい人間の娘を強姦する方が遥かに楽だろう。
しかし、それは、オークにとっては単なる小作りの感覚に過ぎない。
なぜならば、オークには、人間が母体で、オークの子供が出来ないと言うことを理解する程の知能がないのだから。
そう考えると、パエンナから恐怖と悔しさが混ざった涙が溢れて来た。
パエンナは、知っている。
オークにさらわれた人間の若い娘がどうなると言うことを。
オークにさらわれた人間の若い娘は、一生オークの性処理の道具として、もてあそばれるのである。
そんな恥辱を味わうくらいならば。
パエンナは、オークに捕まれていない左手で、とっさに腰に差した予備の短刀を引き抜いた。
そして、その短刀を自身の首に目がけて突き立てようとした。
が。
短刀がパエンナの頸動脈を貫く寸前で、パエンナの左腕はオークの空いた手で握られていた。
パエンナは、オークに言う。
「くっ、殺せ」
「お嫁さんに死んでもらったら困るぶー。それにしても、若い人間の娘は、とてもいい匂いがするぶー」
「ひ!」
オークは、パエンナの両腕を万歳の状態にすると、パエンナの腋に鼻をよせ、すんすんとにおいを嗅ぎ始めた。
パエンナは、思わず悲鳴を上げる。
しかし、オークは、そんなパエンナに構わず、むさぼるようにパエンナの身体中に鼻を押し当てて、しまいには生肉が腐った時のような強烈な臭いのする下で、パエンナの身体中を、まるで残飯を漁るよう舐め回した。
その刹那であった。
オークの腹から、いきなり剣が生えて来たのである。
そのとたんに、オークの手の力が緩んだ。
そして、オークは地面にどうと倒れた。
オークの背後にいた男は、ただの肉塊となったオークに言う。
「モンスターは、俺様の経験値になるか、さっさと養分になりやがれ」
その男は、パエンナが誰よりも尊敬する冒険者である、クレアだった。
パエンナは、感極まってクレアに駆け寄り、言う。
「ありがとう。必ず来てくれると信じていた」
「ふん。ありがたく思うのだな。しかし、お前、なんか臭いぞ」
「え?」
「しかも、顔なんか、べたべたに濡れているし」
「きゃあ!」
「と言うか、近づくな。マジで臭いから。今日は、依頼が終わって風呂に入るまで、俺様に話しかけないでくれ」
「そんなの、いくら助けてくれたとは言え、酷いんじゃないの!」
「五月蠅い! 俺様が近づくなって言ったら、近づくんじゃねー!」
その後、パエンナは、剣士であるのにも関わらず、クレア率いるパーティーの後方支援をしていた。
そして、最終的には全員無事に依頼を終えることが出来た。
ちなみに、この一件は、後にシャーロット王国から見て、東方にあると言われる和の国から、萌えと言う文化が伝来されてから、流行りのジャンルとして取り入れられてたり、取り入れられなかったり。
『くっころ女戦士』を読んでくださった方、本当にありがとうございます。
この小説は、うp主が、本当に暇つぶしの為に書いたものですけれども、ただたんに、いい加減に書いたものではなく、前々から、なんと言うか、いわゆる、「くっころ系の小説が書きたいな」と思っていて、けれども、意外とくっころ系ヒロインが登場する、言い換えてみればテンプレ系ヒロインが登場する小説は、いい加減に小説の構想を考えれば考えるほど陳腐なものとなってしまい、きちんとまとまった構想を考えて、それを元に小説を書き終えるまで、かなりの時間を費やしてしまいました。
それでも、まだ陳腐さが残っているかもしれません。
そこには、眼をつぶっていただきたい限りなのですけれども、ところで、読者の皆さんはどうですか?
くっころ系ヒロインは、好きですか?
ちなみに、うp主は大好きです。
だからと言って、決して凌辱ものが好きと言うわけではないのですけれども、うp主は、くっころ系ヒロインが見せる、あのつんつんした性格が、たまらないと思います。
けれども、例えば、『くっころ女戦士』のように、オークに敗北してしまって、絶体絶命の時に、かっこいいヒーローに助けてもらった時には、とびきりのデレ顔(雌の顔とか言わない)を見せるのです。
『くっころ女戦士』は、『セロ弾きのヴァンパイア』系統のシリーズと同様、イリア大陸と言う異世界にある架空の大陸を舞台としています。
イリア大陸は、いわゆる剣と魔法のファンタジーRPGのような世界観ですけれども、ドラゴン、ジャイアント、ヴァンパイア、ハルピュイア、マーメード、ホビット、エルフ、人間と言った、様々な種族がいます。
イリア大陸の設定資料は、後々個別で上げるかどうか分かりませんけれども、今のところは、上げる予定はありません。
けれども、じゃんじゃん小説をうpする予定なので、応援よろしくお願いします。
よろしければ、感想もしくは評価を添えていただければ、嬉しいです。