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序章


序章


 しいんと耳を刺す静寂は、まるでこの光景を誰かに告発しようとしているようだった。

 変わってしまった右腕は血を滴らせ、足元に転がるモノに、もう後戻りは出来ないのだと教えられる。


 霧に透ける朝焼けに、日が登り始めたのだと気が付く。さざめく木々の音と共に鳥のさえずりが聞こえ始め、白に霞む世界に色が戻っていく。


 早くここを離れなければ。見つかるのも時間の問題だろう。


 目の前に横たわる、胸を貫かれ、口からおびただしい血を流し、虚空を見つめる男に別れを告げる。震える右手で彼の目を閉じると、まぶたは赤で染まり、余計に彼の顔を汚すだけだった。

 彼に背を向けながら、犯したことに後悔をする。なぜ、どうして、そんな情念ばかりが頭をかける。


 この憎たらしい右腕と共に、何もかもを無かったことに出来たなら……

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