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識~叡智の賢者~  作者: ニコカメン
第Ⅰ章 旅立ちの黎明
9/54

009 ゲームをしよう

 異世界召喚から2ヶ月、朱音との試合から1ヶ月が経過した。

 毎日のように《箱庭》による実戦形式の訓練を行っていた三月は以前よりも遥かに成長していた。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


《夜白三月:[16歳][男]》 


種族:人間族


筋力:[D+]

耐久:[D]

敏捷:[B+]

魔力:[F]

魔抗:[D]


スキル:【識】[解析・蒐集・目録・再現・表示]

    【瞬】[縮地]


目録:【抜刀】[居合・魔斬り・燕返し・弧月斬・山茶花・月桂樹]

   【魔力収束】[放出・圧縮・固定]


属性:無

魔法:【  】


称号:【識者】[異世界人・識者・従者・蒐集者・抜刀士・電光石火・箱庭使い・魔断剣士・知識を刻む者・決意する者]


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


 いくつか増えたスキル、そして遂に上昇したパラメータ。

 激しい訓練の末、ようやく上昇したパラメータは筋力と敏捷。筋力に関しては微々たる成長であるが、普段からパワー不足で悩んでいた三月にとってはこれは僥倖だ。主に使用するスキルは速度を重視した【抜刀】なのでそこまで筋力が必要になる事は無いのだが、それでも筋力が上昇した事は素直に嬉しい。もし力と力のぶつかり合いになった場合、少しでも相手の力を相殺するために筋力は必要不可欠だ。

 そして敏捷は異世界人補正、そして【電光石火】の称号もあるためか一気に2段階の成長を遂げている。【電光石火】はある一定以上の速度で移動する事により手に入る称号で、敏捷に対して補正が掛かる。

 これにより以前よりも速く動く事が出来るようになった。敏捷は行動速度に反映されるため、元々速度を重視したスキルである【抜刀】の速度も上昇している。その影響か新たに使用出来る技も自然と増えて行ったようだ。

 更に調べている内に見つけた特殊な移動術を扱えるようになるスキル、【瞬】を習得した。毎日《箱庭》での訓練を行い最近になってようやく習得する事に成功したスキルだ。

 この【瞬】とは三月が元居た世界にも存在している移動術である縮地法に似ており、相手の死角に飛び込んだり、相手の懐に一瞬の内に潜り込む事なども出来る。使用している際にはどうやら移動速度が瞬間的に跳ね上がっているらしく、連続して使用する事で敵を翻弄する動きをする事が出来る。

 最後に【魔力収束】に発現した[圧縮]と言う能力。これは収束した魔力を文字通り圧縮する事が出来る能力だ。以前までの【魔力収束】では収束した魔力を単純に放出していただけだったのだが、この[圧縮]を使えば更に魔力を一点に集中させる事が出来るようになる。三月の場合は【抜刀】に載せて魔力を放出する事が多いので、更に鋭く洗練された魔力を放出する事で【抜刀】の威力は以前よりも増すのは確実だろう。

 そして[固定]。収束した魔力は通常すぐに解放しなければ徐々に霧散してしまうが、これは指定した空間に収束した魔力を固定する事が出来る能力だ。これにより隠し技が出来るようになったのだが、それは後々披露する事になるだろう。

 改めて自分のパラメータをまじまじと確認した三月は神妙な顔つきを浮かべ、ポツリと呟いた。

「揃った……か」

 そして壁に掛けてあった黒ローブを着用すると部屋を後にした。

 主が出て行った部屋の中は……すっかり片付けられていた。


    ◆◇◆◇◆


 佐々木冬子ささきとうこ。異世界より召喚された者の1人で、三月達30人の生徒の担任教師であり、今年に教師になったばかりの若輩者だ。だが、生徒の気持ちを誰よりも汲んでくれて、相談にも乗ってくれるため生徒からの信頼は厚い。大変生徒思いのため、自分の大切な生徒を《エタニティ》の戦いに参加させたくないと考えている。

 最近では【教導者の威光】と呼ばれる自ら指導を行う事で生徒の能力の成長を促すスキルで生徒の訓練を手伝ったり、【知の刻印】と言う初めて見る言葉や用語をある程度理解する事が出来るスキルを使って情報収集などを行っている。

 そんな冬子は現在女王シアティスより呼び出され、女王の私室へと向かっていた。

「女王様が私に用って、一体何なのかしら?」

 自分が呼び出される理由が分からずクイと小首を傾げる冬子。

 そして女王の私室の扉の前に立ち軽くノックする。すると中から「トウコ殿ですね? どうぞ」とシアティスの了承が帰って来たので扉を開けて中へと入る。

「あの、女王様、私に一体何の御用で……えっ?」

 部屋に入った冬子の視界に飛び込んできたのは、シアティスと向かい合うように椅子に座り悠々と紅茶を嗜んでいる三月の姿だった。テーブルの上にはチェス盤が置かれており冬子が来るまでの間、どうやら2人で対戦していたようだ。ちなみにゲームは後一手、三月が駒を動かせばチェックメイトで勝利する状態で止まっている。

 それにしても最近になって三月が書斎から出て来て何かをしているのは冬子も知っていたが、まさか女王の私室で出会う事になるとは思ってもみなかった。

「や、夜白君? 何故貴方がここに?」

「良いからとりあえず座れよ、先生。話はそれからだ」

「え? あ……し、失礼します」

 三月にそう言われ仕方なく同じテーブルに着く冬子だったが、何故三月がここに居るのか疑問が拭えないため複雑な表情を浮かべている。

 その時、ふとシアティスが口を開き冬子に説明を始めた。

「トウコ殿。この度は急な呼び出しに応じて下さりありがとう御座います。今回貴女を呼び出したのは実は私ではなく、そこに居るミツキ殿なのです」

「夜白君が?」

 チラリと三月を一瞥する冬子だったが、三月は意に介した様子もなく目を閉じてじっとしていた。

「ミツキ殿。トウコ殿も来られた事ですし、そろそろ説明して頂けませんか? 何故私達2人を呼び出したのか」

「……良いだろう」

 カチャと紅茶のカップをテーブルに置くと、ゆっくりと口を開いた。

「まずいくつか話しておく事がある。これは俺達異世界人の代表である先生、そしてこの《ステラ》及び人間族のトップである女王としてのあんたらに対する話しだ。個人の一切の感情は捨てて聞いてもらう。と、その前に……」

 三月はチラリと部屋の扉を見、

「扉の外で聞き耳立ててる奴、早々に立ち去った方が良いぞ? いくらパラメータが低いと言っても俺は異世界人だ。お前らを細切れにする事くらい容易い。後、天井裏で聞いている奴、お前もどっか行け。バレバレだぞ?」

 一体三月が何を言っているのか分からない2人は不思議そうな表情を浮かべていたが、しばらくして視線を戻した三月に冬子が問い掛ける。

「夜白君、一体何が?」

「盗み聞きしている奴らが居た。大方教皇のじじいの手先か何かだろう」

「レイトムの? 彼がそのような事をするはずが……」

「無い、とは言わせんぞ? お前があのじじいをどう思ってるのかは俺は知らんが、はっきり言って初めて見た時から胡散臭さがぷんぷんしていた。信用出来る要素は一切無い」

「で、ですが証拠は無いですよ」

「解析能力」

 ポツリと三月が漏らした言葉に女王は口を閉ざす。そしてまさかと口元を押さえながら三月を見た。

「以前、俺の能力が解析能力だと言う話をしたな? だが、どの程度の事が解析出来るのかまでは話していないだろう? さて、俺はどれだけの情報を知る事が出来ると思う?」

 スゥッと口を三日月形に歪める三月。その笑みに冬子とシアティスは言葉にし難い薄ら寒さを感じた。

 この少年は一体自分達の情報をどこまで知っているのか。もしかするとパラメータやスキル、秘密にしている事まで全て知っているのではないか。そんな嫌な予感が脳裏を過ぎった。

 唐突に丸裸に剥かれてしまったかのような心許なさを感じつつ、シアティスは三月に問いを投げ掛けた。

「では、貴方はあの扉の向こうに居たかもしれない人物が、何者かまで分かっていた……と言う事なのですか?」

「さぁてな。そこまで教えてやる義理も義務も俺には無い。それよりも邪魔者は居なくなったんだ。とっとと本題に入ろう」

「…………分かりました。話してください」

「先生も良いよな?」

「え? あ、い、良いですよ。話してください」

「分かった」

 そう呟き、スンと1度鼻を鳴らすと三月は口を開いた。

「俺は、この《ステラ》を出て旅をしようと思う」

 以前にも遥達に打ち明けた話を改めて2人にもすると、各々違う反応を示した。

 冬子は虚を突かれたかのように目を見開いて驚愕を露わにし、シアティスはムッと口を噤んで考え込むように眉を顰めた。

「ど……どういう事ですか! 夜白君!?」

「落ち着けよ先生。まだ話の大部分には入ってない」

「これが落ち着いていられますか! 何故夜白君が旅に出るんです!? 皆で協力して人間の皆さんを救うのでは無かったのですか!? 皆で一緒に元の世界に帰るんじゃなかったんですか!?」

「だから落ち着けって……そもそも俺はこの世界の人間なんかどうだって良いんだよ。はっきり言って助けてやる義理も義務も無い。それにいつ俺が協力するなんて言ったよ? 俺は俺にメリットがある事でしか動かんぞ?」

「なぁっ!?」

「それに、それは佐々木冬子としての願望だろ? さっきも言ったように個人は捨てて発言をしてくれないか? 一教師としてのあんたの意見だけを話してくれ。この場で最適な選択は何なのか、それをよぉーく考えて俺の話に答えてくれ」

 三月にそう言われ、何か言い返そうとする冬子だったが、その時先ほどまで考え込むように黙り込んでいた女王が不意に口を開いた。

「ミツキ殿。1つ良いですか?」

「何だ?」

「まず、何故旅に出るのか、その理由を聞かせてもらいたいです。理由が分からなければ貴方が旅に出る許可を出すわけにはいきません」

「ふっ、良いだろう。教えてやる。まずはこれを見てもらおうか」

 そう言って三月が取り出したのはかつて《エタニティ》に召喚された勇者の英雄譚、それが2冊である。

「これは俺達が召喚されるよりも遥か以前に召喚された勇者達の活躍を描いた英雄譚だ」

「ええ、私も読んだ事があるので分かります。これが何か?」

「この2冊、物語風に書き換えられていて全く別の話に見えるんだが……実は話が繋がっているんだ」

「どういう事です?」

「まずこっちの本だが、人間のために魔族と戦った勇者は志半ばで倒れ、その意志を継いだ従者が代わりに人間を救うって言うのが話の概要だ。

 そしてもう1冊はかつて一緒に戦った今は亡き友の意志を継いだ勇者が魔族から人間を救うって言うのが概要だ。分かりやすくするために端折ったが、分かっただろ? 1冊目の勇者は2冊目の亡き友で、2冊目の勇者は1冊目の勇者の意志を継いだ従者だ。これは俺がスキルを使って調べたからまず間違いない事実だ」

「それは初耳ですが……」

「ええ、それと夜白君が旅に出る事とどう関係しているんです?」

「まだ話は半分も終わっていない。俺はこの2冊を読んでこう考えた。勇者の称号を持つ者が死んだ場合、その従者は勇者の称号を受け継いで新たな勇者になるんじゃないか……ってな」

「っ!? まさか、そんな……」

「それで気になったんでもっと深く調べてみたら……ビンゴッ。まさにその通りだった。勇者の称号を持つ者が死んだ場合、勇者の次に実力を持つ従者がその称号を継いで新たなる勇者となる。従者っつうのは勇者が死んだ時のための所謂保険・・って奴だ。つまり、俺達は勇者含めて使い捨ての駒に過ぎないんだよ」

「ちょ、ちょっと待ってください夜白君! それは流石に言い過ぎなんじゃ?」

「だが事実だ。だからこそ、俺は駒に成り下がらないため、この国を出る」

「…………まだ、足りませんね」

 ポツリと漏らすようにシアティスが呟く。

「ミツキ殿。今貴方は自分達の事を駒と言いました。ですが、それは一体誰の駒なのです?」

「あらゆるモノの駒だ。《ステラ》の、人間の、女王の、教皇の、そして教皇が崇める女神の駒だ」

「私は貴方がた異世界人を駒だとは思っていませんよ?」

「思ってはいないだろうな。だがお前は無意識に俺達を駒として扱っているんだよ。それが、女王・・だ」

 そう、一国を担う者とはメリットを抜きにして物事を考えない。常に損得勘定を行い国を動かして行く。人間1人に対して得があれば絶対に引き込もうとするし、損があれば存在を抹消する。自分の感情を抜きにして損得の計算のみで考える者こそが女王なのだ。

 その女王の思考で考えてもらいたかったからこそ、三月は初めに個人の感情を捨てて聞いて欲しいと言ったのだ。

「まあ、誰の駒なのかはこの際どうでも良い。俺はこの勇者と従者の関係が気に食わない」

「だから出て行くと?」

「いや、理由はこれだけじゃ無い。あまりにも俺達の関係が歪んでいるから嫌気が差したのさ」

「歪んで……? どういう事です?」

「元の世界の家族の記憶では俺達は初めから居ない事になっている。これは嘘だろ?」

「何故、そう思うのですか?」

「半分は勘。もう半分も実は勘だ。まずこの説明だが、あまりにも都合が良過ぎる。どう聞いても俺達を無理矢理納得させるために考え付いた虚言としか思えん。そしてもう半分はお前らにどうやって元の世界の事を調べる術がある? どれだけ調べても元の世界の情報を確かめる術は見つからなかったぞ? ここんとこ本当はどうなんだ?」

「…………確かに、あの説明は嘘かもしれませんね」

 どっち付かずな女王の返答に三月はスッと目を細めた。

「かもしれない。つまり、お前は何も知らないという事か?」

「ええ。レイトムが貴方がたを召喚する以前に教えてくれたので、私も本当かどうかは分かりません」

「成る程な……どこまでも操り人形だな。お前」

「や、夜白君!? 言い過ぎですよ!」

「先生は黙ってろ。おい女王、はっきり言わせてもらうぞ? 俺はお前らのそう言う所が気に食わないから旅に出るんだ。他人にばっかり頼って自分っつうもんが無ぇのかお前らは? 今の関係を説明してやろうか? 女神の操り人形である教皇の操り人形の女王の操り人形が俺達異世界人だ。理解したか? こんなんじゃ歪みが生じるのは必然だ」

「あ、そ、それは……」

「だから旅に出る。こんな国には居られない。今日はそれを伝えたくてあんたらを呼んだ」

「で、ですが! 貴方が旅に出る事を許可するわけにはいきません! どのような理由があったとしても、私は人間族の未来のため1人の異世界人も失うわけにはいかないのです!」

「そうです! 夜白君が旅に出るなんて先生も許しません! 皆一緒じゃないと意味がないんです!」

「……ふっ。じゃあ、こうしようか」

 三月はそう言って懐から1枚の羊皮紙を取り出した。そう、【契約書】である。

「今から2人には俺と旅を賭けて勝負をしてもらう。俺が勝ったらあんたらはこれ以上口出しはしない。だが俺が負けた場合旅立ちは取り消す。どうだ? 中々面白いゲームだろう?」


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 《旅立ちの黎明》

 主催者ゲームマスター:【佐々木冬子】・【シアティス・ルィ・ステラ】

 挑戦者プレイヤー:【夜白三月】


 勝利条件 その1:挑戦者が夜明けまでに《フリード広原》を突破

      その2:主催者が定めた《キング》を挑戦者が打倒


 敗北条件 その1:挑戦者が《フリード広原》を突破する前に夜が明ける

      その2:挑戦者が主催者によって捕縛、または打倒される

      その3:挑戦者が《キング》の打倒せず《フリード広原》を突破


 契約要項 1:この戦いにおいて主催者、挑戦者問わず一切の殺害を禁ず、これを破った者は永続的パラメータ低下のペナルティを負う

      2:主催者は総勢16人の精鋭を募りその中から《キング》を選出する

      3:選出された《キング》は必ず《フリード広原》に配置する事を絶対条件とする

      4:主催者、挑戦者問わず如何なる武器を使用しても構わない

      5:挑戦者が勝利した場合、主催者は挑戦者の旅の自由を保障し、意図的に後を追う事を禁ず

      6:主催者が勝利した場合、挑戦者は旅の自由を剥奪され、1人の従者として勇者と共にある事を誓う


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 【契約書】を読んだ冬子とシアティスはその内容に驚愕する。

 圧倒的に主催者である冬子とシアティスに有利な条件。絶対に自分が負ける事などないと言う自信の証明。

「どうだ? このゲーム、受ける気はあるか?」

「その前に1つよろしいですか? 何故、このようなゲームを持ち掛けるのです? 黙って出て行く事も出来たでしょう?」

 女王の質問に三月は軽く肩を竦め、

「これはあんたらに対する最後のチャンスだ。この俺を手に入れるか、それとも手放すかのな。ぶっちゃけこのゲームであんたらの器のデカさが決まると言っても過言じゃない。あんたらが本当に王ならば、そして先生ならば! この俺を止めてみせろ。俺はこの困難を乗り越え、絶対に自由を手にして見せる!」

「夜白君……貴方は」

「人間の王よ、そして俺の先生よ。このゲーム受けるか、受けないのか? さあ、選べ。受けないのなら、俺はただこの場から最後のチャンスと共に立ち去るのみ」

 三月はそう宣言すると、テーブルにバンッと手の平を叩き付ける。そしてまるで挑発するかのようにニヤリと笑みを浮かべた。

 その瞬間、2人の心は決まった。

「良いでしょう。誰の操り人形でもない、女王シアティス・ルィ・ステラとしてこの勝負、受けて立ちます」

「私も、皆の先生、佐々木冬子として、この勝負を受けます」

「その言葉、しかと聞き届けた。ゲームの開始は明日の深夜0時! 今ここに契約を結ぼう!」

 途端、テーブルに置かれた【契約書】が輝きを放ち、印が刻まれる。契約は成立である。

 三月はチェスの駒を手に取りダンッと最後の一手を盤上に叩き付け、チェックメイトを決める。まるでこの後に行われるゲームの結末を暗示するかのようなその行為。

 そして彼はニィと口元を歪め、こう宣言した。


「さあ……ゲームをしようか」


勇者と従者のシステムに関する説明及び、女王と先生の器の見極め回でした。

次回から5話連続で戦闘が続きます。

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