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神話物語 金のオリーブと銀の蜜  作者: 寵嬢 優樺
情熱の幻想曲(ファンタジア)
7/23

[love story1] 白蛇とカナリアの夜想曲~エレオス王国 満月と星空が綺麗なバルコニーにて

妖精VS妖精です。※剣を振り回すバトルシーンはありません。

「ごきげんよう、お兄様。」

妹は、バルコニーの手すりに座り、扇状的な瞳で此方(こちら)を見つめている。月光が艶麗な美貌を引き立て、微笑みは何処か-妖しげである。

「おい、ニムエ。主人を置いて何故、此処にいる。」

「理由なんて無いわ。それに…わたくしに主人は()りませんことよ。」

ニムエは月姫にとって、死神のような存在。テタルゥラと並んで、『地獄の沙汰も彼女次第』という言葉がお似合いである。

「何の用だ。」

「祝福を授けにきたわ。」

笑顔の下に何か企んでいそうだ。

「断る、断る。拒否する。」

俺は口下手ながら全力で断った。

「えぇ~そう言わないで。ね、お・兄・様♪」

俺を誘惑し、説得しようとしているのだろうが意味が無い。テタルゥラは俺にどうやら気があるらしく、流し目を送ったりしてきたが、無意味である。

「断る。」

再度、俺は断った。祝福を受けたら…死ぬ。(俺のような不死身の妖精でも)

「……」

彼女の目の色が変わった。甘えた様子は遥か彼方に消えて、その身に纏うは大地を轟かし、夜空に瞬く星々たちを射落とすかのような殺気だった。

俺は思わず、レナを抱きしめる力を強めた。

「スー…スー…」

疲れているのか、彼女は凄まじい殺気の中でもスヤスヤと寝息を立てている。その様は無防備で、とても可愛らしい。

「レイス、貴方が選んだその娘の何処が好き?」

「テタルゥラのように完璧で無い。不器用、未完成。純粋…全部、好きだ。それにネシア姉の娘とあって美人だ。」

俺はレナの好きな所を上げてみせる。。

勿論、妹は俺をからかい、赤面した俺を見世物のように楽しんだ。(こういう風に愛を囁くのは性に合わないのだ。)

「では、行ってらっしゃいませ。」

白蛇が月とカナリアを喰らう音がした。

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