傘
初の短編です。
おもしろくないかもしれないけどよろしくお願いします!!
ざーっと雨が降っている。地面には、みずたまりがぽつりとある。
隣に傘を忘れた学生が走ってくる。その裏には傘をさした学生達。
ふと気がつくと小さい子がかっぱを着てとことこと歩いている。その子の目には大粒の涙があふれ出しそうだった。
どうしたの?
僕はその子に耳を傾けた。
「あのね……お父さんがいないの」
そう言って堪えきれずに泣き出す。
どうしようか迷う。この子の親を探すか交番に行くのかを。
家はどこ?
まずは家が分からないと行けない。
「向こうなの」
指を指しているほうを見ると何もない空き地があるだけだった。
いつまにか傘がずれて濡れてしまった。この子をどうしようという気持ちが強くなっている。
さらに雨が強くなる。雨と同じくらいにこの子も泣く。
そんなとき裏から「すみません!!」と聞こえた。
よかったという気持ちでこの子を渡す。
一気に空が晴れた。
そして、僕は持っていた刃物をごみ箱に捨て歩き出す。
あの子の必死さに比べりゃもっと頑張れることに気づいたのだった。
END