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Abyss Eternal ; Golden Witch  作者: 川合 佑樹


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第17話

 人海が城壁の基部を叩いた。

 槍の穂先が盾を削り、矢の雨が魔法灯を裂く。

 盾軍の歩兵が次々と倒れ、マラカンの騎兵が馬を回して槍を振るうが、潮の勢いは止まらない。

 カイトは塔の縁に身を寄せ、マシンガンを構える。

 柄を回す指が、冷たい鋼に食い込む。

 ガトリングが、唸りを上げる。

 ダダダダダッ!

 先頭の十数名が倒れた。

 ガルドの巨体が、わずかに後退する。

 岩化した皮膚に、浅い傷が刻まれる。

 だが、それだけだ。

 巨漢の蹴りが、空を裂く。

「軽い、軽いぞ! 羽虫めが!」

 衝撃波がカイトの体を揺らす。

 石屑が飛び散り、足元が崩れる。

 カイトは身を翻し、塔の内壁に滑り込む。

 ガルドが前進する。

 岩の破片が矢のように飛ぶ。

 カイトは短銃を抜き、反撃の隙を狙う。

 バン!

 一発がガルドの肩を掠め、岩の欠片を削る。

 コアの脈が、速くなる。

「効くわけもなし!」

 ガルドの皮膚が、赤く輝き始める。

 コアの拒絶――熱が、内側から体を溶かす。

 だが、それがかえって力を増幅させる。

 彼の頭突きが、塔の壁を直撃。

 ゴガァン!

 壁が崩れ、瓦礫がカイトを襲う。

 カイトは転がり、瓦礫の陰に身を隠す。

 息が荒い。

 マシンガンの銃身が、熱を帯びる。

 弾倉の残りが、心許ない。

 巨漢の足音が、近づく。

 ドスン、ドスン。

 岩の掌が、瓦礫を払う。

「出てこい! お前は、俺に勝てん!」

 カイトは息を潜め、シリンダーを開く。

 対タリア用――セラフィナの工房で練り上げた貫通弾だ。

 前世の徹甲弾の原理を応用し、魔女の骨を鋼鉄の芯に埋め込み、岩すら貫くよう設計した試作品――棘が魔力を吸収して弾頭を加速させる。

 腰のポーチから一本を抜き取り、シリンダーに押し込む。

「これで……撃ってみるか」

 銃口を巨漢の胴体へ――心臓の辺りを正確に捉える。

 射つ。

 バン!

 弾丸が弧を描いて飛ぶ。

 だが、銃弾の先端がわずかに逸れ、胴体を掠め、代わりに大腿を貫通する。

 岩化した肉が砕ける。

 巨体がわずかに傾き、咆哮が一瞬途切れる――が、すぐに体勢を立て直し、拳を振り下ろす。

 カイトの目が細まる。

「曲がったか……まだ実戦には程遠いな」

 短銃をホルスターに戻し、即座にマシンガンへ持ち替える。

 柄を高速で回し、唸りを上げる。

 ガガガガガッ!

 弾丸の雨が巨漢の脚を蜂の巣にし、岩化した皮膚に無数のひびを刻む。

 カイトはテオたちの元へ退却する。


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