谷の秘密
「アル!」
「なんだ、朝から元気だな!」
「もふもふ!」
なんていいながらリリスはアルバートに抱きつく。
「こら、やめないか!淑女だろ?」
「えー。」
「えーじゃない!」
ふんっと言うとそのまま書斎へとこもろうとする。
「もー、また籠って!」
リリスは呆れた。そして、図書室へと向かう。もしかするとまたあの老婆に会える気がしたのだ。そして、見つけた。老婆を。
「お婆さん!」
「ああ、お前かい。どうしたんだい?」
「アルバートの呪いを解く方法って他にないの?」
「………あるよ。」
「教えてください!」
「ああ、城の北側にある谷に青い花がある。それを取ってきて食べさせればいい。」
「わかりました!ありがとう!」
リリスは意気揚々として谷へと向かう。急ぐリリスは老婆の口元をみなかった。この世のものとは思えないほど醜い笑顔を。
「はぁ、全く。リリス。食事の時間を過ぎているぞ。」
アルバートがリリスの部屋に行くとそこはもぬけの殻だった。
「リリス?」
アルバートは嫌な予感がして城中を探し回る。しかしリリスの姿はない。
「探しものかい?」
「!」
目の前にあの老婆が現れた。
「お前は!?」
★★★★★
その頃リリスは城の北側の谷に来ていた。足元は凄く悪い。リリスは転びかけながらも青い花を探す。
「どこだろ?」
リリスがしばらく探していると青い花が見つかった。
「やった!」
でも、その花を手に取り帰ろうとすると、後ろには狼の群れがいた。囲まれる。
「!?」
★★★★
「お前は、俺に呪いをかけた魔女イザベラ!何故ここに!?」
「まあ!そんなに睨むものじゃないよ。」
「まさか!?お前!?」
「ああ、そのまさかだよ。あの子なら北の谷にいる。」
「!!」
アルバートは走った。北の谷は狼の巣になっているからだ。そんな所にリリスが行けばひとたまりも無いだろう。アルバートは必死に走る。
★★★★★
リリスは焦った。狼が自分を食べようと迫ってくる。逃げようにも逃げられない。なんとか逃げようとするが逃げ場がない。ついに飛びかかられようとした時だった。
「リリス!!」
「アル!?」
アルバートがリリスを助けにきた。アルバートは飛びかかってくる狼を威嚇して蹴散らす。
「リリス!」
アルバートがリリスに手を伸ばす。手を掴むとリリスを姫抱きしてなんとか谷から出た。
「はあはあ。」
「アル、どうしてここに?」
「あの女から聞いた。お前がここにいると。」
「お婆さんから?」
「あれはただの老婆ではない。魔女イザベラ。俺に呪いをかけた張本人だ!」
「?!」




