表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/165

第九十話:最終決戦・希望の光と絶望の影

魔王との戦いは、まさに死闘と呼ぶにふさわしいものだった。魔王の力は圧倒的で、その魔剣から繰り出される斬撃は、空間を歪め、あらゆる防御を打ち破る。陽介とアリアの二つの聖剣をもってしても、魔王の猛攻を防ぎきれず、一行は徐々に追い詰められていった。


バルドの大地の盾には深い亀裂が入り、リズの矢は魔王の纏う闇のオーラに阻まれ、ルーカスの魔法も決定的なダメージを与えることができない。陽介の脳裏には、再びあの終末のビジョンがよぎる。仲間たちが次々と倒れていく、あの絶望的な光景が……。


(くそっ……! このままでは……本当に……!)


陽介の心が折れそうになった、その瞬間だった。


「ヨウスケ! 諦めるな!」


アリアの声が、陽介の心に響いた。彼女は、傷つきながらも、決して希望を捨ててはいなかった。


「そうだぜ、リーダー! 俺たちがついてるんだ! 最後まで足掻いてやろうぜ!」


リズもまた、不敵な笑みを浮かべていた。バルドも、ルーカスも、満身創痍でありながら、その瞳にはまだ闘志の炎が燃えていた。


仲間たちの姿を見て、陽介は我に返った。


(そうだ……俺は、一人じゃない。俺には、このかけがえのない仲間たちがいる。彼らと共に戦えるなら、どんな絶望にだって抗えるはずだ!)


陽介は、聖剣カレドヴルフを握りしめ、胸の「星詠みの護符」と体内の「竜の宝玉」の力を極限まで高めた。そして、仲間たちに呼びかけた。


「みんな、最後の賭けだ! 俺に、みんなの力を貸してくれ!」


陽介の言葉に、仲間たちは頷いた。アリアは月光の竪琴を奏で、その清らかな音色が仲間たちの傷を癒し、力を増幅させる。バルドは、大地の盾の最後の力を解放し、魔王の動きを一時的に封じるための、不動の壁となる。リズは、残された全ての矢に氷の魔力を込め、魔王の注意を引きつけるための陽動攻撃を仕掛ける。そして、ルーカスは、知恵の木の杖に全魔力を注ぎ込み、魔王の闇のオーラを打ち破るための、巨大な光の魔法陣を展開した。


全ての準備が整った。陽介は、アリアと共に、二つの聖剣を天に掲げた。聖剣カレドヴルフの影の力と、エクスカリバーの光の力が一つに溶け合い、そこに三つのアーティファクトの力、そして仲間たちの全ての想いが注ぎ込まれていく。


二つの聖剣は、希望の光と絶望の影が絡み合う、巨大な光の奔流と化した。


「これが、俺たちの……いや、この世界に生きる全ての魂の想いだ! 喰らえええええっ! ファイナル・クロス・レイド!」


陽介とアリアが同時に叫び、放たれた究極の合体奥義が、魔王へと直撃した。魔王城全体が激しい光に包まれ、世界が揺れるほどの轟音が響き渡った。


光が収まった時、そこに魔王の姿はなかった。ただ、静寂だけが玉座の間に戻っていた。


「……やったのか……?」


陽介が呟く。その瞬間、彼の身体は眩い光に包まれ、意識が急速に薄れていくのを感じた。


(ああ……そうか……。魔王を倒すと……俺は……元の世界に……)


薄れゆく意識の中で、陽介は涙を流しながら微笑む仲間たちの顔を見ていた。そして、彼の心には、感謝と、そしてほんの少しの後悔が残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ