表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/165

第七十四話:三つの至宝の共鳴・幻影破り

三つの古のアーティファクト――月光の竪琴、大地の盾、竜の宝玉――が放つ温かく力強いオーラは、妖姫リリスの作り出す悪夢の幻影を徐々に打ち消していった。陽介たちは、アーティファクトの加護によって、かろうじて精神の均衡を取り戻しつつあった。


「まだよ……! 私の幻術が、こんなもので破られるはずがないわ!」


リリスは、さらに強力な魔力を放ち、より鮮明で、より心を抉るような幻影を陽介たちに見せつけようとする。しかし、アーティファクトの輝きはますます強まり、リリスの魔力と激しく衝突し、庭園全体が激しい光と衝撃に包まれた。


「今よ、ヨウスケ! アーティファクトの力が、リリスの幻術を弱めているわ! この隙に、彼女自身を叩くのよ!」


アリアが、エクスカリバーを構え直し、叫んだ。彼女の瞳には、幻影を振り払った強い意志が宿っている。


「ああ! バルドさん、大地の盾でリリスの動きを封じてくれ! リズ、ルーカス、援護を頼む!」


陽介の号令と共に、反撃の狼煙が上がった。バルドが大地の盾を構えて突進し、その圧倒的な防御力でリリスの茨の鞭の攻撃を受け止める。盾から放たれる大地のオーラが、リリスの足元の地面を揺るがし、その動きをわずかに鈍らせた。


リズは、恐怖を完全に克服した目でリリスを見据え、正確無比な矢を放つ。その矢は、リリスの魔力の流れを乱し、幻術の集中を妨害する。ルーカスもまた、知恵の木の杖の力を借り、聖なる光の魔法でリリスの周囲の邪気を払いのけた。


そして、陽介とアリアは、二つの聖剣を手に、リリスへと同時に斬りかかった。聖剣カレドヴルフの影の刃と、エクスカリバーの光の刃が、リリスの作り出す最後の幻影の壁を切り裂いていく。


「まさか……私の完璧な幻術が……こんなにもあっさりと……!」


リリスは、信じられないという表情で後ずさる。彼女の最大の武器であった幻術が、アーティファクトの力と、陽介たちの揺るぎない絆の前に、その効力を失いつつあったのだ。


(どんな強力な幻術も、それを見破る強い意志と、仲間を信じる心があれば、必ず打ち破れる! それが、俺たちがこの試練で学んだことだ!)


陽介は、聖剣カレドヴルフに、三つのアーティファクトから流れ込む力を集中させた。月光の清浄な力、大地の揺るぎない力、そして竜の生命の力。それらが聖剣の中で一つに溶け合い、かつてないほどの神々しい輝きを放つ。


「これで終わりだ、リリス! お前の悪夢は、俺たちが終わらせる!」


陽介の聖剣が、リリスの胸元へと迫る。その瞬間、リリスの瞳から妖しい光が消え、代わりに深い悲しみと、どこか解放されたような穏やかな表情が浮かんだ。


「……そう……これで……私も……ようやく……」


リリスの身体は、陽介の剣が触れる前に、淡い光の粒子となって静かに消え始めた。それは、まるで呪いが解けたかのような、安らかな最期だった。


幻惑の妖姫リリスが消滅すると共に、幻影城を覆っていた濃霧は完全に晴れ渡り、城は元の美しい、しかしどこか物悲しい古城の姿を取り戻した。庭園に咲き乱れていた妖しい花々もまた、その色を失い、普通の草花へと変わっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ