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第六十九話:アーティファクトの共鳴・一点突破

陽介の指示通り、アリアとバルドはブルドー将軍の鎧の弱点である右肩の付け根と左膝の裏側を執拗に攻め立てた。しかし、ブルドーもさるもの、巨体からは想像もつかない巧みな体捌きで攻撃を回避し、強力な反撃を繰り出してくる。戦況は依然として膠着状態が続いていた。


(このままではジリ貧だ……。何か、奴の動きを完全に止める手立てが必要だ。そして、一撃で弱点を貫くほどの決定的な力を……)


陽介は、胸に下げた「星詠みの護符」と、体内に宿る「竜の宝玉」の力を感じていた。そして、バルドが構える「大地の盾」。この三つのアーティファクトの力を組み合わせれば、あるいは……。


「バルドさん! 大地の盾の力を、俺に集中できないか!? あの地震のような力で、ブルドーの動きを完全に止めるんだ!」


「なに!? そんなことが可能なのか……。だが、やってみる価値はあるかもしれん!」


バルドは、陽介の意図を察し、大地の盾に全神経を集中させた。盾の表面の紋様が眩い光を放ち、力強い大地のオーラが陽介の聖剣カレドヴルフへと流れ込んでいく。同時に、陽介は竜の宝玉の生命力を極限まで高め、その力を聖剣に注ぎ込んだ。聖剣は黄金色の輝きを増し、まるで生きているかのように脈動し始めた。


「アリアさん、月光の竪琴でブルドーの精神を! リズ、ルーカス、俺の合図で、奴の弱点に全火力を集中してくれ!」


アリアが月光の竪琴を奏でると、その清らかな音色がブルドーの屈強な精神をわずかに揺さぶり、その動きに一瞬の隙を生んだ。その瞬間を見逃さず、バルドが大地の盾の力を解放した。


「喰らえ! 大地束縛!」


ブルドーの足元の地面が突如として隆起し、無数の岩の腕となって彼の巨体を完全に拘束した。その動きは、ほんの数秒間だけだったが、陽介にとっては十分な時間だった。


「今だっ!」


陽介の合図と共に、リズの放った氷塵閃と、ルーカスの最大級のフレイム・バーストが、ブルドーの鎧の弱点である右肩と左膝に同時に着弾した。鎧の隙間から火花と氷の破片が飛び散り、ブルドーが苦悶の声を上げる。


そして、陽介は、大地の力と竜の生命力を宿した聖剣カレドヴルフを構え、ブルドーの胸元、鎧のわずかな隙間へと、一点集中の渾身の一撃を叩き込んだ。


「奥義! 星砕竜牙突せいさいりゅうがとつ!」


陽介が編み出した新たな奥義は、三つのアーティファクトの力と聖剣の力を融合させた、一点突破の究極の一撃だった。黄金色の光の奔流がブルドーの魔鋼鉄の鎧を貫き、その核と思われる魔石を粉々に砕き割った。


「ぐ……おお……おのれ……まさか……この……私が……」


剛力の将軍ブルドーは、信じられないという表情を浮かべながら、その巨体をゆっくりと地に沈め、やがて塵となって消え去った。鉄壁の要塞に、つかの間の静寂が訪れた。

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