表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/165

第五十六話:竜の巣への道・灼熱の火山地帯

大地の盾を手に入れ、ドワーフたちに見送られた陽介たち一行は、最後の古のアーティファクト「竜の宝玉」が眠るとされる「竜の巣」を目指していた。エルミールの示した地図によれば、それは大陸の東南に位置する、活火山が連なる灼熱の地帯の奥深くにあるという。


数日間の旅を経て、一行の目の前には、黒々とした溶岩大地と、噴煙を上げる火山群が広がり始めた。空気は硫黄の匂いが立ち込め、地面からは絶えず熱気が立ち上り、陽炎が視界を歪ませる。氷結の塔とは真逆の、まさに灼熱地獄と呼ぶにふさわしい光景だった。



「うへぇ……今度は暑すぎるわよ……。氷結の塔の寒さも堪えたけど、こっちも大概ね。私の自慢の髪もパサパサになっちゃうじゃないの」


リズが、額の汗を拭いながら不満げに言った。ドワーフの国で手に入れた薄手の耐熱性のマントを羽織ってはいるものの、この熱気は容赦がない。


「火山地帯は、有毒なガスが発生することもある。風向きに注意し、水分補給もこまめに行わねばならん。足場も不安定な場所が多いだろう。一歩間違えれば、溶岩に飲み込まれる危険もあるぞ」


バルドが、水筒の水を一口飲みながら、周囲を警戒して言った。


陽介は、元の世界で見た火山のドキュメンタリーや、地質学に関する浅い知識を総動員していた。


(活火山地帯……。噴石や火砕流の危険性も考慮しないといけないな。それに、この熱気と乾燥は体力を著しく消耗させる。安全なルートの確保と、休憩場所の見極めが重要だ)


「みんな、できるだけ風上を選んで進もう。そして、地面の色や状態にも注意してくれ。新しい溶岩流の跡や、亀裂が入っている場所は避けるんだ。ルーカス、何か異常な魔力の流れを感じたら、すぐに教えてくれ」


陽介の指示に従い、一行は灼熱の火山地帯へと足を踏み入れた。道中、炎を纏ったトカゲのような魔物「ファイアサラマンダー」や、溶岩の中から突如として現れる「マグマゴーレム」など、強力な炎属性の魔物が次々と襲いかかってきた。アリアのエクスカリバーから放たれる光の刃と、ルーカスの氷や水の魔法が、これらの魔物に対して有効なダメージを与えた。


特にルーカスは、氷結の塔での経験を経て、水や氷の魔法の制御が格段に向上しており、的確な援護で仲間たちを助けた。「知恵の木」の杖も、彼の魔力に呼応し、その力を増幅させているようだった。


数日後、一行が巨大な火口壁を回り込もうとした時、前方から魔王軍の紋章を掲げた斥候部隊が現れた。その数は十数体、いずれも炎に対する耐性を持つ魔物で構成されており、明らかに陽介たちの行く手を阻むために配置されたものらしかった。


「ちっ、魔王軍の犬め! こんな場所まで嗅ぎつけてきやがったか!」


アリアが吐き捨てるように言い、双剣を構える。


「どうやら、最後のアーティファクトのありかも、奴らに察知されているようだな。だが、ここで足止めを食らっているわけにはいかない!」


陽介は聖剣カレドヴルフを抜き放ち、仲間たちと共に魔王軍の斥候部隊へと斬りかかった。灼熱の大地を舞台にした、新たな戦いの火蓋が切って落とされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ちっ、魔王軍の犬め!こんな場所まで嗅ぎつけてきやがったか! とありますがこの言葉をアリアが言うのは違和感があります。 バルドが言うなら納得できますが、、、 個人的な意見です
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ