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03 悲劇の日
その日は12歳の私の誕生日だったのに。
それなのに、悲劇が起こってしまいました。
月の門がなぜだか急に開いて、向こうの世界から多くの悪魔達が溢れてでてきました。
見た事のない怖い生き物達がいっぱい、村の人達を襲ってきて、さっきまでなごやかだった空気が嘘のよう。
たくさんの人達が殺されてしまいました。
お父さんは、門をなんとかするために、そんな悪魔がやってくる中を走っていきました。
私は、お母さんに抱えられて、皆と一緒に村から逃げ出します。
お母さんは泣きそうになりながらも、私に向かって精一杯笑顔を作って「大丈夫だからね」と言ってくれます。
私は怖いのと、不安なのと、自分の力が無くてなさけないのが嫌でしょうがなかった。