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紅伝  作者: もんじろう
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 黒い楽器には細い帯が付いており、紅がそこに自らの肩を通す。


 左手で棒の部分を握り、弦を指で押さえた。


 右手で楽器の板から伸びた長い(ひも)の先を掴み、うなじのほくろのひとつに荒々しく差し込んだ。


 右手が板の上の弦に触れる。


 紅が両手の指を素早く動かした。


 ギュギュギュギュ。


 楽器が甲高い音を響かせる。


 紅が背中を後ろへ反らした。


 ギュイイイイーーーンッ!!


 呆気に取られていた骸造が我に返る。


「殺せ!!」


 骸造が怒鳴った。


 再び、魔雑兵が進みだす。


 四人が一斉に紅に襲いかかる。


 紅は向かってくる四本の刃を巧みにかわした。


 恐ろしく速い動き。


 紅は黒い楽器の帯を抜き、棒状の部分を両手で握り、振りかぶった。


 一気に振り下ろす。


 楽器の板の部分が一人の魔雑兵の兜に当たり、その下の頭ごと粉々に砕いた。


 この楽器は、いかなる素材で出来ているというのか?


 異常な硬度である。


 紅は軽快な動きで疾り、次々と魔雑兵を打ち倒した。

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