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紅伝  作者: もんじろう
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 猛烈な光が収まり、現れた銀色の装束のターシャが、左手の手刀で全ての鎖を弾き返した。


 さらにターシャは素早くバイクの座席上へと立ち上がり、次の一瞬で、並走する奉行部に向かって跳んだ。


「ぬおっ!!」


 突然の奇襲に驚愕しつつも、奉行部の右手の刀がターシャを迎え撃つ。


 ターシャの左手の手刀が奉行部の刀とぶつかる。


 奉行部の刀が、半ば程から折れ飛んだ。


 ターシャは止まらない。


 跳躍した勢いをそっくり加え、右の拳を奉行部の顔面に叩き込んだ。


 奉行部が頭をずらし、かわそうとするが間に合わない。


 奉行部の顔の左半分が潰された。


 ターシャは身体を反転させ、武雷闇の首の上へと着地した。


 両手で武雷闇の首を掴む。


 力任せに、ひねり折ろうとするが。


 ターシャは、はっとなった。


 背後に強烈な殺気。


 振り返ると、顔を半分潰された奉行部が、まだ動いている。


 左手から鎖を発射した。

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