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紅伝  作者: もんじろう
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 武丸が続けた。


 その瞳が優しく輝く。


「お前が望みを叶えたとしても、私に従属(じゅうぞく)させはしない。その後の身の振りかたは自由に選んでもらう」


「偽善者!!」


 突然、冥の声が響いた。


 武丸が顔をしかめる。


 しばらくの後、武丸は再び口を開けた。


「お前は、どうしたい?」


 紅は考えた。


 穏やかな魂となって、早く正雪と再会したい気持ちは、もちろん強い。


 しかし。


 心中に突如、芽生えた大義憤(だいぎふん)


 自分たちの力を振りかざし、力持たぬ者を(しいた)げる魔武士たちへの反骨が。


 地獄の業火の如き火勢をもって、紅の全身を内側から焼き焦がすのだ。


(先生、ちょっとだけ待ってて。あの外道どもを綺麗に掃除してから、そっちへ逝くよ)


「あんたは、あたしに力をくれる?」


「力…」


 武丸は小首を傾げた。


「どういう力だ?」


「あたしが」


 紅は、そこで間を置いた。


「魔武士たちを皆殺しにする力さ」


 武丸が、やや驚いた。


 隣に映し出されている光景に、ちらりと眼をやる。

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