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紅伝  作者: もんじろう
6/143

6

 骸造の双眸が、ぎらりと光り、操が死を覚悟した、その瞬間。


 生暖かい突風が、その場の全員の顔を打った。


 思わず皆が眼を閉じる。


 風が止み、全員が眼を開けた。


「お?」


 骸造が首を傾げた。


 いつの間に現れたのか?


 操の小屋の前に、一人の女が立っている。


 二十代前半。


 すらりとした長身。


 やや痩せていた。


 黒髪を束ね、結い上げている。


 玉の部分がどくろの形の赤いかんざしを三本、挿していた。


 肌は青白い。


 美しい顔立ち。


 少し吊り上がった両眼。


 右眉の下あたりから、まぶたを通って頬までの細く赤い縦線の化粧が走っている。


 通った鼻筋。


 薄い唇には紫色の口紅。


 真っ黒な着物に紫の帯。


 襟元は緩く、鎖骨や白い胸元、背中が覗いていた。


 艶っぽいうなじには、やや大きな二つのほくろ。


 着崩された着物から、肉感的な右太もも半ばより下の長く美しい脚が、外へと出ている。


 女は首を少し傾げ、両腕を胸の前で組み、骸造たちを見つめた。


「何だ、女!?」


 骸造が怒鳴った。


 突如、現れた謎の奇怪な女に、やや動揺していた。


「殺されたいか!?」


 骸造の理不尽な脅しにも、女は眉ひとつ動かさない。


「あたしの名は」


 女が口を開いた。


 やや、かすれた低い声。


(くれない)


「はあ!?」と骸造。

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