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「すみません」
「どう?」と冥。
「お似合いかと」と少年剣士。
「遅い」
冥が言った。
「訊かれる前に言え」
「すみません」
「武丸も新しい髪型、似合ってるよ」
紅は武丸の頬が赤らむのを見た。
「かーわーいーいー」
冥が言った。
「冥様っ!!」
武丸が大声で叱る。
「わ!!」
冥が驚き、すぐにけらけらと笑う。
「ちょ、ちょっと!!」
とうとう紅が二人に話しかけた。
「これは…」
そこまで言ったところで冥が右手のひらで紅を制した。
「あたしと武丸のイチャイチャタイムの邪魔すんじゃないよ」
「………」
両眼をかっと見開いた冥の異常な迫力に、紅は思わず口を閉じた。
冥が武丸の背後に回り、両手を首の辺りに絡ませる。
「武丸。これで魂の呼び寄せかたは分かったかい?」
「はい」
武丸が頷いた。
「まあ、今回は初めてだからね。あまり考えずに、この女に決めたけど」
冥が紅を指した。
「後はお前の好きにすればいい。あたしとお前のときみたいに、望みを叶えてやって永遠に自分の物にするも良し。解放して、魂を野に帰すも良し。お前が、このやり方を覚えてくれれば、あたしも楽になるかもね」
「お忙しいのですか?」
「お前の知らないことが、いろいろとね。ミステリアスな女、好きだろ?」
冥が武丸の顔を指で押す。




