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楽々と堕武流が弾き返す。
「ふはは! 効かぬわ!」
「こいつから片づけるか!?」
堕武流の双面が話し合い、ターシャへと一歩、踏み出す。
「べべべべっ!!」
突如、男とも女ともつかない声が響いた。
堕武流が、この声を聞くのは二度目だ。
一度目は先ほど、紅が身体から黒楽器を出現させたとき。
堕武流が四つの眼を走らせる。
距離をとっていた紅の左上腕部から、別の黒楽器が現れた。
「べべべ邊獲主!!」
紅が黒楽器から出ている長い紐を自らのうなじのほくろへ差し込んだ。
ドゥンドゥンドゥンドゥン。
紅が弦を弾く。
ドゥゥゥゥゥゥン!!
「あ! ベースだ!! どうして、この時代に!?」
ターシャが驚きの声を上げる。
が、紅が黒楽器を振りかぶり、堕武流に向けて走りだすのを見て、慌ててバイクを操作し始めた。
「突貫モード発動!!」
バイクの前輪から無数の太いトゲが現れた。
ターシャを乗せたバイクが、猛烈な勢いで発進する。
堕武流は怯んだ。




