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「わー!! 越えちゃう、越えちゃう!! 時間の壁も越えちゃうし、大人の階段も登らせちゃう!! 法律の壁も越えちゃう!! いろんなものを越えちゃいそうですーーーっ!!」
ターシャの絶叫。
「でも」
隼人がターシャの耳元で囁いた。
「え!?」
「よく見るとターシャさんって『変な人』だな」
ががががーーーんっ!!
ターシャの元から白い顔がさらに真っ白になり、縦線が大量に入った。
口から魂が半分、出ている。
ターシャは、ゆっくりと後方へ倒れた。
巨大魔武士の頭の中、四人の女たちは眼を閉じ、倒れていた。
紅は「先生…」と呟き。
奏は「『魔弾』が…」と呟き。
響は「紅さん…」と呟き。
ターシャは「『変な人』…」と呟いている。
四人の周りを大勢の魔雑兵たちが取り囲む。
「わはははははは!!」
激情斎が笑った。
「何を見ておるのかは知らぬが、もはや、お前たちはそこからは逃げられぬ。吉夢にしろ、悪夢にしろな。その間に、わしの手下たちの手で八つ裂きにしてくれようぞ!!」
激情斎の笑い声が広々とした部屋中に鳴り響いた。
美しい花畑。
正雪が何本か花を摘み、花輪を作った。
それを紅の頭に載せる。
「似合ってるよ、紅」
正雪が言った。




