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否。
まだ高くなる。
小高い丘。
否。
まだまだ伸びる。
今や、その高さは大規模な城であった。
この巨大な影の正体。
それは。
「巨人です!!」
ターシャが叫んだ。
「魔武士の巨人です!!」
そう。
その巨大な影は魔武士であった。
全身を覆った魔具足。
兜の下からは、牙をむき出した凶悪な顔が覗いている。
「がっ…」
巨大魔武士が口を開いた。
「がああああっ!!」
鼓膜を突き破らんばかりの大音量で、巨大魔武士が吼える。
息を飲むターシャ、奏、響に紅が怒鳴った。
「びびんじゃねえ!! ターシャ、総大将の居場所は!?」
紅の言葉にターシャははっとなった。
左手首の帯を見る。
「頭です!! あの巨人の頭から、総大将の反応がします!!」
紅が三人に、にやりと笑って見せた。
「どんなに多かろうが、どんなにでかかろうが」
自分の頭を指す。
「頭を潰しちまえぱ終わる」
紅が大きく息を吸った。
「さあ、やるよ!!」




