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うろたえるターシャをよそに、響と奏はお互いに顔を背けた。
紅が立ち上がる。
「そろそろ行くか」
紅の言葉に「『変な人』…」と半べそをかいていたターシャが、はっとなった。
「紅さん!!」
声をかける。
「私たちの目的は全く同じです!!」
ターシャも立ち上がった。
「魔武士の総大将を倒す、そのために共闘できるはず」
紅とターシャの眼が合った。
紅の火を吹くような眼力にも、ターシャは一歩も引かない。
「本気で言ってんのか?」
紅が訊いた。
「本気です」
ターシャが答える。
「魔武士たちは強い。半端な覚悟じゃ死ぬよ」
「もちろん、覚悟はしてます! あと、とても大事なことですが、紅さんも私を『変な人』と思ってますか!? 」
ターシャの真剣な表情。
しばらくの沈黙の後、紅が口を開いた。
「あたしは何があっても魔武士たちを皆殺す」
そう言って頷いた。
「お前たちと組むよ」




