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が。
シーカの身体は前方へと回転し、左脚の浴びせ蹴りに移行した。
「くっ!!」
ターシャも、これはかわせない。
何とか蹴りの芯を食わないよう、ずらすのが精一杯だった。
二人はもつれ合い、地面に倒れた。
うつ伏せのターシャの首に、シーカの前腕部が絡みつく。
(フロントネックロック!?)
危険を察知したターシャが瞬時に首を抜き、逆にシーカの右手首を掴む。
腕をひねり上げ、シーカの首を自分側へと引き込む。
(オモプラッタに獲る!!)
しかし、ターシャの関節技の狙いに気づいたシーカは巧みに身体を動かし、敵の両脚の間に挟まれながらも相手にのしかかった体勢へと、もち込んだ。
下からシーカの首を掴もうとするターシャの両手を振り払い、立ち上がる。
「死ね!! クソが!!」
シーカが跳んだ。
ターシャの上へと跳び込み、その勢いを乗せた強烈な右拳を振り下ろす。
これを食らえば、ただでは済まない。




