表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/24

14 上も下もツルツルになった男

・5/13

( ・д・) 抗がん剤の副作用でツルツルの禿げ頭の俺、退院してから幾度かの検査を経て、今日は検査の結果報告。


(*◇*) 小さくはなってるんですよねー。内視鏡で見るとねー。


(;・д・) 不穏な言い方……


(*◇*) 前は癌と周囲の肉との判別もつかない有様でしたが、今ははっきりとわかるくらい小さいですし。


(*◇*) でも手術できる程には小さくなってないんですよね。


(;・Д・) ま、まさか再入院してまた抗がん剤……?


(*◇*) そうなります。


(; Д ) ・ ・ (魂が飛びかけてる)


(*◇*) 前回は全身に抗がん剤を行き渡らせていました。抗がん剤治療をする人は皆やりますけどね。


(*◇*) これは細胞レベルで体内にばらばらに散った可能性のある、


(*◇*) 目では見えない癌細胞をやっつける予防というニュアンスもあります。


(;・д・) 抗がん剤は、単純に効くか効かないかの二つで判断するものではないと、確かネットで見たなー。


(*◇*) しかしこれでは患部に対して効果は弱めになり、副作用もひどくなります。


(*◇*) で、次回するのは、足の付け根からカテーテルを入れて、動脈から管を伸ばしていき、鼻の患部まで通して、癌に直接、強力な抗がん剤を入れる治療となります。


(;・Д・) 聞いてるだけで恐ろしすぎる内容……


(;っд・) 何だってよりによってこんな最悪な展開に……


(*◇*) メリットは、副作用をはるかに抑えられる事と、さらに強い効果が見込める事です。


(*◇*) そして抗がん剤の投与は一日で済みます。入院も一週間程です。後の日は解毒のためですね。


( ・д・) 解毒っつーのは、体内の抗がん剤を抜くことか。結局そちらの方が大変なのだ。


(*◇*) デメリットは、一日全く身動き取れなくなり、寝たままになります。ベルトや砂袋の錘で固定します。


(;・Д・) ……


(*◇*) 食事もおにぎりとかになりますね。トイレも行けませんから、ちんちんに管を通します。


( ・д・) はっきりとちんちんと言い切った先生。


(´・д・) うんこはどうするんだろ。タルタルを呼んで食ってもらうの? とか、聞く気力ももう無かった……


( ・д・) もしも……それでも癌が小さくならなかったら、どうなるんです?


(*◇*) 同じことをもう一回ですね。


(|||-д-) リトライオンラインですね、わかります。


***



・5/15 再入院一日目

( ・д・) そんなわけでやってきました。再入院。


(´・д・) 手術で入院かと思いきや、最悪の展開になってしまったな……


( ・~・) 懐かしき病棟ロビーはすごく混雑 している。


( ・д・) 入院手続き、今回はここでやる。前七階だったのは日曜だったからか。


(´A`) ホゲー


(';') ウボー


(ヽ´ω`) ギギギ……


( ・へ・) 相変わらずどこもかしこも爺ばかり。ジェノサイドの巻物か根絶やしの巻物ないかなー。


( ・д・) で、手続き済ませて七階へ。


***


J( ´◇`)し ニー太さいん、いらっしゃーい。


( ・д・) 馴染みの看護師が現れた。誰相手でもタメ口の強看護師だ。


( ・д・) 前と同じ部屋だがベッドが違う。トイレが隣でうるさくてかなわん……


(ノ=д=)ノ で、室内はやっぱり爺だらけ。マカニト~、ニフラム~、マハンマオン~……


***


(´・~・) 昼食。相変わらず不味い しかしプリンを買ってきたぜ。


(|||-д-) 明日は下の毛を剃る予定だ。


J( ´◇`)し ニー太さん、今日のうちに下の毛剃っちゃいましょう。


(;・Д・) 明日じゃなく今日に前倒しかよっ。


J( ´◇`)し バリカン渡しておきますからねー、洗髪室でお願いします。剃った毛はそのまま流してOK。


( ・Д・) 上も下も禿!


J( ´◇`)し あと、コンビニでT字帯を買ってきてください。


( ・д・) T字帯?


J( ´◇`)し ようするにふんどしですね。明日必要になります。


( ・д・) スイッチが中々テレビにつかないな……


J( ´◇`)し へー、このテレビにゲーム機がつくんですか? 整備の人を呼びましょう。


( ・д・) で、いきなりついたけど、接続悪すぎ。HDMI端子なんてきっと普段から使ってないからな。


(#・皿・) 隣の爺はイヤホンしてても音もれるほどでかくしてやがる、耳壊しちまうがいい。


J( ´◇`)し テレビの音が外に漏れるほど大きいですよ。もう少し小さくしてください。


( ・д・) しかし看護師に怒られて小さくした。


***


( -д-) またここにこうして入院する事になるとはな。


( ・д・) しかし……二度と来たくないと思っていたこの空間に、妙な懐かしさを感じているのも事実。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ