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オペレーション・ブレイク・ホーム 作戦概要

いつもいつも誤字報告と感想有難うございます。

お陰でより良い小説になってるなと実感しています(^^)


そしてレビューも書いて頂き有難うございます(о´∀`о)

凄く励みになりました(╹◡╹)

 社長、艦長、ナナイ軍曹が前に立ち此方に姿勢を向ける。俺達は静かに立ち上がり敬礼の号令と共に敬礼をする。そして社長達も答礼してから口を開く。


「諸君、仕事の時間だ。先程、連邦軍より三時間後にマザーシップに対し総攻撃を行うと通達があった。これよりベイヤー艦長より【オペレーション・ブレイク・ホーム】に関する説明を行う」


 そして社長は場所を艦長に譲り椅子に座る。因みに艦長の名前はベイヤー・マクドナル。階級は中佐。ベイヤー艦長は元々自治軍で艦隊の指揮を執っていたらしい。社長曰くベイヤー艦長を引き抜くのに、それなりのクレジットが飛んだらしい。

 基本的に艦隊の指揮官とかは退役軍人を再雇用するのが主流だ。だが退役したと言う事は基本的にそれなりに高齢な方が多い。

 そんな中ベイヤー艦長は四十前半なのだから、軍人としてはまだまだこれからの筈だ。それなのに傭兵企業スマイルドッグに引き抜かれた挙句、たった数隻の艦隊の指揮をする羽目になってる始末。

 一体社長はどんな口説き文句を使ってベイヤー艦長を勧誘したのやら。


「先程、連邦司令部よりオペレーション・ブレイク・ホームの概要が伝えられた。これより諸君達にも詳細を伝える」


 ブリーフィングルームに備え付けの大画面のモニターに作戦内容が表示される。


「現在、マザーシップを含むオーレム群は惑星ソラリスの宙域に留まっている。我々はこの間に戦力を整え攻勢に出る。続いて作戦の大まかな流れについて説明する」


 モニターにはマザーシップを中心としたオーレム群が惑星ソラリスを背後に陣形を取っている。そして六個艦隊が正面から対峙する形だ。


「まず作戦の第一段階として連邦軍旗艦デラン・マキナを中心とした連邦軍主力の第一、第二艦隊。続いて帝国軍旗艦インペリアル・ブルーローズを中心とした連邦、帝国軍合同の第三、第四艦隊による艦砲、及びミサイルによる飽和攻撃を実施。この時、惑星ソラリス残存連邦艦隊を主力とした第五、第六艦隊からの砲撃は行わない。理由はオーレムを引き付けない為だ」


 オーレム群の正面に陣取る連邦、帝国艦隊。恐らくあの辺りが一番被害を受けるだろう。にも関わらず傭兵を前に配置させない辺り違和感を感じる。

 恐らく連邦軍としては、配置によってこれ以上の戦力流出を抑えたいのだろう。傭兵やバウンティハンターは基本的に自己中が多いし。


「オーレムが第一、第二、第三、第四艦隊に引き付けられたら作戦は第二段階へ移行。艦隊は後退しオーレムをマザーシップより引き離す。そして右翼、左翼に展開中の第五、第六艦隊による攻撃を開始。この砲撃によりオーレムの大部分は撃破出来ているだろう」


 連邦艦隊と帝国艦隊に引き寄せられたオーレムを囲い込む様に第五、第六艦隊が移動し攻撃を開始。この艦砲射撃だけでかなりのオーレムが撃破されるだろう。


「その後、機動部隊によるオーレム残党を殲滅。機動部隊の出撃と同時に作戦は第三段階へ移行。デラン・マキナの後方に待機中のエクスターミ収縮砲の砲撃準備を開始」


 続いてAW部隊の出撃。つまり俺達の出番な訳だ。PAY DAY(今日は給料日)なんだからしっかり稼がないとな。


(ネロに新しいボディも買ってやりたいし。せめて手足は付けて上げよう)


 ネロを撫でながらどんなアンドロイドボディを買うか少しだけ考えるが、直ぐに頭を切り替える。今は無駄な事を考えてる状況では無いからな。


「尚、エクスターミ収縮砲の攻撃は一度のみだ。理由は再充電がほぼ不可能だからだ。恐らく無理矢理持って来た影響もある。当然と言えば当然だろう。最悪出力不足の可能性もある」


 エクスターミ収縮砲は一撃のみ。その一撃でマザーシップを仕留める事ができれば楽な任務に早変わりするんだが。


「エクスターミ収縮砲の充填してる間に機動部隊と艦隊は前進。エクスターミ収縮砲の攻撃を確実にマザーシップに直撃させる為だ。無論マザーシップの耐久力は高いのは此処に居る者達は皆知っているだろう」


 惑星ソラリスでの出来事を忘れる方がどうかしている。エクスターミ収縮砲の直撃に耐えたマザーシップ。誰も簡単に墜とせるとは思ってはいない。


「惑星ソラリスでの戦闘でマザーシップにはダメージが残っている。幾ら敵が強靭な防御力を持っていたとしても二度のエクスターミ収縮砲の直撃は耐えられないだろう。また、エクスターミ収縮砲と同時に艦隊に存在している収縮砲搭載艦も同時に攻撃を開始。発射時間の警告は随時機動部隊に通達が入る。発射される前には確実に退避する様に。我々船乗りに味方殺しの汚名を付けさせるなよ」


 ベイヤー艦長が冗談交じりに言うが誰も笑う事は無い。誰だって味方殺しをさせたいとは思わないだろう。無論何かしらの依頼を受けて意図的にやる奴はいるだろうが。それでも今はオーレムに対して全力で戦わなければならない。


「エクスターミ収縮砲の発射と同時に作戦は最終段階に移行。この時マザーシップ、及びオーレムの残存部隊は壊滅している状況だ。最終段階では連邦、帝国、他独立軍のAW部隊による突入作戦が開始される。恐らくマザーシップのサンプル回収が目的と思われる」


 結局、対オーレム協定なんてこんな物だ。特に連邦と帝国は何がなんでもマザーシップに関するサンプルは必要としている。マザーシップの情報があれば自由惑星共和国より上の立場になれるのは明白だ。

 それに連邦は大量の血を流したし、帝国は今も危ない橋を渡ってる最中だ。何方もマザーシップと言う戦果を前面に押し出したいのもあるだろう。


(とらぬ狸の皮算用にならなければ良いんだが)


 後は三大国家に追い付かれない為にも独立国も必死になる。精々互いに摩擦が強くならない様に気を付けるんだな。でないと俺達(クソッタレ)がやって来るぜ?


「そしてマザーシップが生存していた場合。またマザーシップのサンプル回収が困難だと判断された場合はプランBが発動。連邦、帝国軍による【反応弾(N弾)】による飽和攻撃による破壊活動を行う」


【N弾】とは別名【ナイトロ弾】と呼ばれている。簡単に言うなら核爆弾みたいな物だ。威力に関しては二十一世紀の核を遥かに凌ぐ。但し、放射能以上に有害な物質が半永久的に残るので使用されない事が前提の戦略破壊兵器なのだ。

 だからこそエクスターミ収縮砲や弩級、超級に搭載されている収縮砲が一番使い勝手の良い大量破壊兵器なのだ。


「N弾を使う。これが何を意味しているか諸君達なら理解出来るだろう。マザーシップのサンプル回収以上に倒さねばならないと言う事を。では、これより部隊配置の説明に入る。ナナイ軍曹、後は頼む」

「了解しました。では艦隊と部隊配置に付いての説明に入ります」


「私達スマイルドッグ艦隊はエルフェンフィールド艦隊と共闘しますので第六艦隊配属になります。但し他の艦隊と違い超級戦艦の配備は有りません。代わりに駆逐艦、フリゲート艦、巡洋艦が多く配置されています。また第六艦隊旗艦は連邦軍所属の空母【ペールレール】になります」


 空母には多数の艦載機が搭載されている。大きさは戦艦クラスでカタパルトは浪漫溢れる横に四基並び、縦に三段方式となる。これにより一度に十二機のAWを出撃可能となっている。また搭載機数はおよそ二百機以上とされている。

 但し、あくまで公式データなので実際はもう少し多いと予想されている。


「また私達はエルフェンフィールド軍と共闘する形になります。現在、エルフェンフィールド軍と共闘する為の準備段階に入っています。終わり次第皆さんの端末に連絡が入ります。その際に自身の配置など確認を忘れない様にお願いします」


 一時的とは言えエルフェンフィールド軍と共闘するんだ。敵として対峙すると厄介だが味方として居るなら非常に心強い。

 だが生憎現在のスマイルドッグの機動部隊の戦力は非常に心許無いのが実情だ。実際に矢面に立つのはエルフェンフィールド軍なのは言うまでも無い。


「以上が配置に関する連絡になります。何か質問はあるでしょうか?」


 俺は気になる事があるので手を上げながら質問する。


「マザーシップとオーレムと相対する位置なのだが最悪、惑星ソラリスに収縮砲が直撃する事になる。それでも今の配置で戦うのか?」


 そうモニターを見ると惑星ソラリスを背後にオーレムが陣取っているのだ。俺は軌道上での戦闘になると予想していた。何故なら流れ弾が惑星ソラリスに墜ちる可能性は多少はマシになる。

 にも関わらず現在の配置図だと惑星ソラリスに対しての配慮は感じられない。


「それについては儂から説明する」


 今度は社長が立ち上がりながら此方を見る。


「これは現在の惑星ソラリスの状況だ」


 モニターに惑星ソラリスの画像が映し出される。其処には画質は粗いが妙な物が写っていた。

 それはマザーシップから太い根っこの様な物が惑星ソラリスに向けて伸びているのだ。静止画像なので詳細は分からない。だがマザーシップは惑星ソラリスに何かをしているのは分かった。


「この画像は連邦軍による強行偵察を行った際に捉えた物だ。恐らく連邦はこの先の画像を持っている。だからこそ、この配置での戦闘が決まったのだろう」

「成る程。つまり惑星ソラリスはマザーシップの物になった訳ですか。いやはや……これで生存者の回収は絶望的になりましたな」


 オーレムに対し早期に攻勢を取ったのだから数千〜数万人くらいは救出出来ると思っていた。だが現実はそこまで甘くは無いらしい。


「これ以上惑星ソラリスの生存者に関しては儂らは関わる必要は無い。儂らはあくまでも傭兵だ。救出任務は軍に任せておけば良い。お前達は与えられた任務を着実にこなせ。良いな」

「「「「「了解!」」」」」


 社長が最後の締めを行い全員が敬礼をしながら返答する。そしてこれ以上の質問も無かったので、後は自分自身の配置と出撃命令を待つだけとなった。





 俺は再び第一格納庫に向かう。理由はバレットネイターが無事に改修出来るかが知りたいからだ。


「それでバレットネイターの改修状況は?」

「良くて二時間後だろう。だが今回もテスト機動が出来そうに無い。すまない」

「前と同じ状況になっちゃってるじゃん。二番煎じ感が半端無いんだけど。どうすんだよ」

「二番煎じと言われてもだな。いや、すまない。まさかこんなにも早く攻勢に出るとは思っていなかったからな」

「それに関しては俺も同意するよ。最悪調整までで良いから。お前達も自分達の艦に戻る必要もあるだろ?」

「確かに。だが我々は手を抜くつもりは無い。やるべき所はしっかりとやらせて貰う。それがプロとしての意地だ」


 決め台詞を言うシブメンエルフは非常に似合っていた。多分俺が女だったら今ので堕ちてたな。


「野郎に向けてカッコつけんなよ。ほら俺も手伝うからサッサと終わらせよう。後はネロも使って良いから。ネロを使えばシステム系は大分早く終わると思うし。頼むぜネロ」

「お任せ下さい。最善を尽くします」

「これは戦闘補助AIか。使えるのか?」

「モチのロンよ。何せお姫様救出作戦でも役に立ちまくったからな」

「成る程。因みに此奴は何製なんだ?」

「夢と浪漫が詰まったTYPE-FROMだよ」

「TYPE-FROMだと?確かに高い技術と変な拘りのある兵器企業だが……」

「今はそんなのどうでも良いから。ほら改修急ぐよ」

「あ、ああ。分かっている」


 兎に角今はバレットネイターの改修作業を急ピッチで終わらせなくてはならない。幸い大規模にやる訳では無いので良いのだが。


「新生バレットネイターのデビュー戦になるんだ。良い宣伝になりそうだぜ」


 俺は口元に若干の笑みを浮かべながらバレットネイターの改修作業を手伝うのだった。

ブレイク・ホームの意味

惑星ソラリスでの戦闘による破壊活動を許可した為




第一艦隊旗艦CBBデラン・マキナ【地球連邦統一軍】

第二艦隊旗艦SBB信濃【地球連邦統一軍】

第三艦隊旗艦CBBインペリアル・ブルーローズ【ガルディア帝国軍】

第四艦隊旗艦SBBグルーピー・ハウル

第五艦隊旗艦SBBシャルンホルス【地球連邦統一軍】

第六艦隊旗艦CVペールレール【地球連邦統一軍】




マザーシップ一体

Δ型六体

α型、β型、γ型多数

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― 新着の感想 ―
[一言] マザーシップによる惑星へのだいすきホールドですね!
[一言] TYPE-FROM・・・ 一体どこの変態企業なんだ(誉め言葉
[一言] >第二艦隊旗艦SBB信濃 何か沈みそう…いや、空母改装されてないから大丈夫か?
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