細やかな昇進祝い
【タイトル変えたら読者が混乱した!?あれ?俺何かやっちゃいました?】
はい、俺やっちゃいました!ごめんなさいm(._.)m
旧タイトルも載せといたので多分大丈夫な筈!
まあタイトル変えたのも6時間前に予告も無し突然変えたもんね。Twitterでも一言しか呟いて無いし。
そりゃ混乱するわな('ω')
そしていつもいつも誤字報告をして貰って有難うございマース!
現在、傭兵企業スマイルドッグ艦隊は地球連邦統一管轄宙域にある惑星ソラリスの軌道上に位置する中継宇宙ステーションにいた。そして中継宇宙ステーションと惑星ソラリスを守る為の地球連邦統一軍の防衛基地ソラリスも見えていた。
この防衛基地ソラリスは惑星を外敵から守る最後の砦と言える存在だ。多数の砲台とミサイル発射台にこれまた多数の搭載機を収容。更に要塞級の収縮砲も一門設置されている。また味方艦隊の修理と補給作業も出来る為、中継基地の役割も担っている。
無論関係者以外立ち入り禁止なので俺達は中継宇宙ステーションの方に滞在している。
そして惑星ソラリスには地球連邦統一市民が多数在住している。なので地球連邦統一軍にとって愛国心溢れる国民を守るのは当然の義務と言えるだろう。
因みに惑星ソラリスの近くにはガルディア帝国管轄宙域があるので他の惑星より地球連邦統一艦隊や兵士の数は圧倒的に多い。そしてガルディア帝国とは停戦状況が続いているので経済的にも潤い更なる経済発展が望まれる優良惑星なのだ。
俺はバレットネイターの調整も終わり暇になったので近くの防衛ステーションに買い物にでも出掛けようと思っていた。
「センパーイ!シュウセンパーイ!」
「この声は……まさか」
「センパーイ!会いたかったッス!」
其処に現れたのは同じスマイルドッグの傭兵仲間アズサ・ニャメラという獣人の女性傭兵だ。
年齢は俺より一つ下の十八歳。身長は百五十超えてるくらいのチビだが、獣人の血が入ってるので格闘戦は得意中の得意。俺もギフトを使わなかったら一秒と保たないだろう。
髪は綺麗な白髪でツリ目の紅目と合わさり良く目立つ。肌も気を使ってるのかとても綺麗だ。更に特筆しておくのが巨乳だ。所謂デッカイのは正義だと言わんばかりに主張する巨乳さんだ。然も身長の低さ相まってお胸様が凄く自己主張する程だ。
だが俺はアズサが少々苦手だ。理由は直ぐに分かる。
「何だ。ニャンコか。マタタビは持ってねえぞ」
「ニャンコじゃ無いッスよ。それよりあの機体ってシュウ先輩の機体なんスか?」
「よく分かったな。確かに俺専用機だよ。どうだ羨ましいだろ」
「すっごい改造されてましたよね。もう高機動型!みたいな感じで。それから今度バディ組んで下さいよ」
「お前との機体相性良くないじゃーん。大人しく弾幕張ってろよ」
「ええー、だってー、先輩と組んだ方が沢山撃墜出来ますし」
「そりゃお前、味方ごと躊躇無く撃つもん」
このぶりっ子が少し混じったアズサ・ニャメラは格闘戦が得意な癖に何故か射撃寄りの機体構成なのだ。
「前も言ったけどミサイル使えば良いじゃん。幸い重量級のギガント使ってるし」
「嫌ッス。何か撃ってるー!て言う感覚が無いじゃないですか。それにミサイルは直ぐに弾切れになるし……後高いし」
「まぁな、そこは同意するよ」
「でも先輩なら避けてくれるじゃないですか!なら大丈夫ッスよ!」
「何で態々味方からの攻撃を避けるのを前提に話を進めてんだよ」
「それに見て下さいッス!コレ買ったんッスよ!」
アズサは自分の端末を此方に見せる。其処には傭兵ギルド御用達の武器屋のサイトだった。そして肩武装の大口径ガトリング砲が映っていた。然も二門購入済みの文字も。
「買ったの?」
「ブイッ!」
可愛い笑顔を見せながらVサインをするアズサ。何かイラッとしたので猫耳をくすぐってやる。すると嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らす。
「トリガーハッピーの気持ちは分かる。けど弾薬費大丈夫なのか?幾ら社長でも限度はあるぜ」
「大丈夫ッス!その分敵を撃破すれば良いんスから!なので暫くバディ組んで下さい!お願いしゃッス!」
「結局俺に頼るんかい」
「他にバディ組んでくれる人が居ないんスよー。この前の依頼の時に組んだ野良の野郎も私の身体ばっかり見てくる変態だったし」
「そりゃ身長が低い癖にそんだけ胸がデカけりゃ見るだろ。寧ろ見ないと失礼だろ!」
「うわー、流石先輩。ちょっと身の危険を感じたッス」
「安心しな。アズサに手出したら一生バディ組まれそうだからな」
「なら手出しても良いッス!寧ろウェルカム!」
「……ハッ」
「うわ!鼻で笑われたッス!」
それから俺達は自然と中継宇宙ステーションに向かう。そして自然とアズサにご飯やら何やらを奢る羽目になるのだ。
「あ、そうだ。先輩先輩、これ見て下さいよ」
アズサはそう言うとたゆんと胸を揺らしながら見せてくる。いや本来は階級を見せたいのだろう。唯、巨乳故に胸が自己主張してしまうのだ。うん、実に良いものだ。
「へえ、軍曹になったのか。おめでとう」
「あざッス!これで先輩と同じ階級に……階級に……あれ?」
「悪いな。二階級特進で准尉だ。ほら祝ってくれよ」
「へ、へぇ〜。そうなんッスね。あ、じゃあ二人で昇進祝いをしましょう!」
「ほう。てっきり昇進を理由に俺に奢って貰うのかと思ったぜ。でも俺も二階級特進しちゃったからと悩んだ結果取り敢えず俺の分も混ぜた昇進祝いにして誤魔化したのかと」
「いや〜、流石先輩ッスね。全てお見通しでしたか。そうです。私がやりました」
何か昼ドラの刑事物語風になったので付き合う事にした。
「なら話はあのカフェテラスで聞こう」
「はい。でもこうでもしないと……私、私!」
「それでも法を破るのは駄目なのです……じゃあ何頼もっかー」
「えっとそうですね。自分はこの蜂蜜アップルパイとトリプルケーキにするッス」
「俺は無難にショートケーキで良いや。てかトリプルケーキて何?」
そして注文したメニューが来るまで互いに何をしていたか話す事にした。
「私は反政府軍を名乗るテロリスト達を片っ端からぶっ放してました。弾薬も依頼主が受け持ってくれたので楽しかったッスね。後は偶々賞金首が居たので周りと協力して取っ捕まえました。シュウ先輩はどうでした?」
「俺はエルフに協力して……まあ、色々有ったな。取り敢えずシルバーセレブラムのジャン・ギュール大佐に久々に会ったわ」
「え、マジッスか。あの人かなりの戦闘狂ですよね」
「まあ返り討ちにしてやったがな。尤も、最後は社長に助けられたけど」
「そうなんスか?」
「他にも陸上戦艦を落としたり、装甲列車を叩き潰したり、懐かしい訓練機乗ったり、敵艦隊に突っ込んだり……何か色々あったなぁ」
「いや、そんな黄昏ても困るんスけど」
「まあ暫くは大人しくしてるわ。後もう半月はダラダラしてるよ」
「うわぁ、それダメ人間の台詞スね」
「良いんだよ。傭兵が暇を持て余す。まさに宇宙が平和な証拠だよ。大体この辺りで俺達の出番がある訳がねえよ」
注文の品が届いたので食べる訳だが。アズサのトリプルケーキが来た感想を言うとだ。実に独特な飾り付けだなと言っておこう。
「本当にそれトリプルだな」
「そうッスね。一つ食べます?」
「要らね」
こうして細やかな昇進祝いは終わる。とは言うものの結局アズサに引き摺られながらウィンドウショッピングを楽しむのだった。
僅かな装飾品が置かれただけの個室の中で、静かに資料を読みながら状況確認をしている人物が居た。その人物は少々やつれ気味で気怠い雰囲気を漂わせており非常に無表情に近い表情をしていた。
その人物はガルディア帝国軍情報部のイーニアス・アルダートン中佐。気怠い雰囲気とは裏腹にテキパキと仕事をする辺り非常に違和感を感じる。だからこそだろう。情報部での活動は彼にとって非常にやり易い環境だっだ。
そんな中、一つの非常事態に近い報告を聞き直ぐに状況を確認すべくX-03の被害状況と奪われた機密データを読み深い溜息を一つ吐いた。
「それで?今回実験データの全てを盗まれた挙句オーレムに襲撃されたと?X-03には相応の護衛艦隊が配備されていた筈」
『は、その通りであります。しかし当時、戦艦及び巡洋艦の殆どが待機中でして』
「成る程。つまり予想外の事態に対応が遅れたと」
『無論周辺警戒は万全でありました。ですが内部からの裏切りがあったのは間違いありません』
「確かに。博士は所詮一研究員に過ぎん。つまり高速大型輸送艇を操縦する者達がいる筈。なら何人かが協力してた筈だ。X-03の機密性は高い。その辺りを留意し調査せよ」
『は!了解しました!』
「私も部下を引き連れて其方に向かう。いや、先ずは中将閣下に報告はせねば成るまい」
アルダート中佐はX-03から渡された研究資料を見ながら呟く。
「【OLEMの共鳴波及びコミュニケーション】か。コミュニケーションは要らんだろう」
そして資料を纏めながらガルディア帝国軍中将に会う為にアポイントを取るのだった。




