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魔法?魔術?

やっとこさエルフらしさが出せるかな。

でもタグに魔法とかファンタジーとか付けた方が良いのでしょうかな?


後段落開けのやり方も分かりました。なろうの編集する所に有ったんです!←

後はPV100万行きました。感謝です(^^)

 リリアーナ・カルヴァータ救出任務を無事に達成し、安全な宙域で戦艦アルビレオの格納庫に移動していた。因みに今はまだデルタセイバーとスピアセイバーの悲惨な状況はまだバレてない。


「遅かれ早かれだけどさ。さて何て言い訳しようかな」

「今回は素直に言った方が宜しいかと」

「俺が素直に言う訳ねぇだろ。大体固定部分が悪いんだよ。俺は悪くねぇ」


 どう言い訳しても怒られる未来しか無い。寧ろ怒られるだけで済めば儲け物だろう。

 色々考えてたら通信が入る。通信に出るとまさかのセシリア大佐だった。


『任務ご苦労だった。無事リリアーナ様を救出が出来た事に感謝する』

「えぇ、まあ、頑張った甲斐がありました」

『それから貴様の機体に関しては安心しろ。マドックと同じ様な改修をサラガンにもしてやる』

「ほ、本当ですか!流石セシリア大佐殿!そこに痺れます!」

『では早速整備班に指示を出しておく。それから輸送艇の後部ハッチも開けておけ。でないと機体が出せんからな』

「そ、そうっスね。そりゃそうっスよね……アハハハ」

『……』


 セシリア大佐は俺の反応を見て最初は不思議に思っていた。だが徐々に目付きが鋭くなる。


『貴様何をした。正直に答えろ』

「俺は……俺は悪くねえ。俺は悪くねえんだ。信じて下さいよ大佐殿」

『……後部ハッチを開けておけ。それで全て分かるだろう。以上だ』

「待ってくれ。いや、待って下さい!これには不可抗力的な状況が……大佐、大佐ー!」


 言い訳をする間も無く通信が切れる。そして他の連中からも後部ハッチを開ける様に言われ始める。そして降下部隊の連中も自機の様子が気になるのか後部ハッチ付近にいる。もうダメだお終いだ。


「どうやら年貢の納め時なのかもな。へ、楽しかった人生だったぜ」

「マスターは私が守ります」

「気持ちだけ受け取っとくわ。じゃあ開けるか」


 意を決意して後部ハッチを開ける。因みにアルビレオの格納庫は現在重力が掛かっている。お陰でスピアセイバーや破損した部分が飛び出す事にならないから安心だ。

 後部ハッチを開ける。すると細かい破損したパーツや部品がガラガラと音を立てて崩れ落ちる。

 戦場にいた時よりボコボコになったスピアセイバーと今まで無傷だったのにガッツリ胸部の鋭角部分が凹んでるデルタセイバー。

 格納スペースの悲惨な状況に最初は危ないだの気を付けろと注意が叫ばれる。だが今は誰も喋らない。

 最後に何処かの部品だろうか。小さなネジに近い部品が金属特有の甲高い音を出しながら落ちて行ったのが地味にウケる。


「今の内に逃げちまえばこっちのもんよ。じゃあなお前らアデュ〜」


 操縦席の脱出用ハッチから静かに出て逃走開始。大体俺が素直に捕まる訳ないだろ。だが人生とは上手く行かないらしい。

 何処からともなく現れた無駄にシブメンな整備兵達にあっという間に捕まってしまう。しかし、こうも簡単に捕まってしまうとは。やはり敵陣での単独逃走が敗因だろうと自己分析をする。


「違うんだって。悪いのは敵巡洋艦なんだよ。嘘じゃねえ本当さ。何なら動画だってある。な?だから離せって」

「取り敢えず大尉達に同じ言い訳して来い。話はそれからだ」

「んなご無体な」


 小悪党そのものの台詞を言いながら言い訳するが全く相手にされずクリスティーナ大尉達の元へ連行される。

 彼女達は呆然とボロボロになった自機を眺めていた。流石に此処まで壊れていたのは想定外だったのだろう。特に今まで無傷だったデルタセイバーに大きな凹みを見たクリスティーナ大尉の表情は何とも言えない表情だった。


「なんか此処まで来ると笑えるよな。ほら見てみろよ。俺のサラガンだけ無傷なんだぜ?ある意味一番笑えるよな」


 フレンドリーに話し掛けるが反応は無い。今回は流石に無理があっただろう。俺は静かに姿勢を正す。


「すまなかった。敵の攻撃を回避した結果なんだ。出来る事なら俺も無傷で返したかった」


 謝った。それしか出来ないから謝った。すると此方に視線を向けるエルフ達。そしてデカイ溜め息を吐いてお互いの顔を見合わせる。


「確かにこの状況は想定外だった。だがお前が回避に専念しなかったら俺達は死んでた」

「言いたい事は山程ある。だが今回は良い。お互い生きてる。それで充分だ」

「お前は何度も敵の注意を引いてたな。全く、マドックやサラガンで良くやるよ。その度胸に免じてやるさ。安心しろ、セシリア大佐にはちゃんと言っとくよ」

「お、お前ら……」


 嬉しさの余りネロを高速回転させる。心の友よ!と叫びたい気分になった。だが未だに落ち込んでるエルフが居た。

 そのエルフはクリスティーナ大尉。彼女はまだしょんぼりとした雰囲気を醸し出していた。


「えっと、大尉殿?その、すまんな。機体凹ましちゃって」

「別に良いわよ。貴方に何度も救われたのは間違いない事だから。それに全滅しても可笑しく無かったもの」

「そう言って貰えると助かる」

「私デルタセイバーにあんな凹みを作られたのは初めてよ。今までちゃんとやってたし」


(なら俺が初めての男じゃん。光栄に思えよ!ハッハッハッ!)


 この台詞を言おうと思ったが流石に自重した。俺だってTPOは弁える時だってあるさ。

 それから機体をゆっくりと丁寧に降ろす作業に入る。流石にこのまま放置して行くと整備兵にぶっ殺されるのは必須なので今回ばかしは俺も手伝う事にしたのだった。





 俺達傭兵達とクリスティーナ大尉を筆頭にしたエルフ達はブリーフィングルームに集められていた。


「凄かったんだぜ?陸上戦艦とか出て来た時は流石に死ぬかと思ったけどな」

「ほう。それでお前は逃げ惑っていたと?」

「馬鹿野郎。俺が一番乗りだったっての。まあ援護があったからだけどな」

「ふぅん。でも何でキサラギ軍曹の機体がマドックからサラガンに戻ってるの?然もちょっと汚いし」

「汚い言うな。色々あったんだよ」

「何にしても無事で何より。所でジャン・ギュール大佐が軍曹に会いたがっていたが」

「え?俺ソッチの気とかねえから会うとか嫌何ですけど」

「違いますよ。純粋に戦いたがってましたよ。ですがキサラギ軍曹が居ないと分かると帰って行きましたが」

「尚更嫌だわ。寧ろ何で俺が居ないだけで帰るんだよ」


 それから宇宙での戦闘の話も聞く。何でも敵の増援として超級戦艦が現れて一気に戦局が不利になったが、それでも戦線を維持し続けたらしい

 暫く傭兵仲間と話してるとセシリア大佐と副官の男性が入って来た。俺達は立ち上がり敬礼しセシリア大佐達も答礼する。


「諸君座って楽にしてくれ。今回のリリアーナ様救出作戦は無事成功した。これも諸君達の奮戦が有ったこそ出来た事だろう。私から礼を言わせて貰う」


 セシリア大佐からの礼の言葉を貰いながら思ったのは報酬増えないかなと。勿論口に出す事はしない。何故なら間違いなく話は続くだろうからな。


「それから諸君達にリリアーナ様から直接礼を言いたいとの事だ。構わんなキサラギ軍曹」

「何で名指しかは聞かないでおきますよ。勿論美少女からの礼なら丁寧に受け取りますがね。何せ自分紳士なんでね」

「残念だが貴様には脈は一切無い事は覚えておけ」

「んな事最初から期待してねえよ」

「ではリリアーナ様どうぞ中へ」


 そしてドレス姿のリリアーナ・カルヴァータが姿を見せる。画像や遠目で見た通り中々の美少女っぷりだ。


「この度は私の不手際によってこの様な事態を起こしてしまいました。それでも貴方達の懸命な救出により私は生き長らえる事が出来ました。この場を借りて深く感謝させて頂きます」


 そう言うと深く頭を下げて礼を言うリリアーナ姫。正直王族が頭を簡単に下げるのは大丈夫なのかと思った。勿論口には出さないがな!


「無論貴方達が私に対する不信感はあるでしょう。何故この様な事態が起きてしまったのか。私が答えられる範囲ならお答え致します」

「はいはーい。じゃあ俺から行きまーす。何でクリスティーナ大尉はリリアーナ様の場所を特定出来たのですか?発信機とか無い筈なのに」

「それはこの世界樹の護石のお陰です。ブラットフィールド家は代々世界樹の守護者としてますから。その恩恵を受けているのです」

「世界樹……守護者……石っころ?」

「いえ護石です」


 何やら突然ファンタジックな事を言い出すリリアーナ姫。周りのエルフ共を見ると特に変化は無い。逆に傭兵共を見ると同じく首を傾げていた。


「えっと……つまり、その護石のお陰で見つけられたと?なら最初から見つけれたのでは?」

「それは距離があるのよ。流石に護石と言え宇宙の端から端までは無理よ」

「成る程。つまり気休め程度の発信機みたいなもんか」

「気休め……貴方ねえ間違ってはないけど言い方よ言い方」


 クリスティーナ大尉からの突っ込みを聞き流しながら次の質問を言ってみる。


「じゃあこれが本命です。何で拉致されたんですか?やっぱり身内の裏切りですか?」

「いいえ。違います。今回の件は私が数人の護衛のみを引き連れてダムラカがあった場所に行ったのです」

「……はい?数人で?」

「はい。あの日から毎年行っていたのです。せめて慰霊だけでもと思い。勿論王族たる者の行動では無いのは分かっていました。ですが私自身も関係してる事でしたので」

「慰霊に行くにしても大人数で行くべきでは?寧ろ王族なら尚更かと」

「父上からの許可は絶対に降りません。少なくとも世間には余り露呈したくは無いのでしょう」


 俺には政治的な事柄はイマイチ分からない。自由も無く確かな義務がある王族には王族なりの苦難があるのだろう。


「なら出来る範囲での説明は出来ますか?無理なら無理で構いませんよ。何せ俺達は傭兵ですからね。お前らもそうだろ?」


 俺は傭兵仲間に聞いてみる。誰もが難しい顔をしてるが無理に聞く気は無いだろう。但しMr.仮面は相変わらず仮面付けてるから分かんねえけどな。だが一人だけ違った。


「……僕は聞きたい。ダムラカと周辺を巻き込んだ事件。大規模消失事件に関する事なら是非とも聞きたい」

「バーグス中尉?」

「お願いします。リリアーナ・カルヴァータ様」

「……分かりました。私に話せる範囲なら。宜しいですねセシリア大佐」

「姫様がそうお望みなら構いません。ですが駄目だと判断すれば止めさせて頂きます」

「構いません。バーグス中尉もそれで宜しいですね」

「はい。お願いします」


 バーグス中尉のお願いを承諾したリリアーナ姫。無駄に懐が大きのか。それとも何か考えがあるのか。それは今は分からない。

 あ、それから胸は平らだったよ。ナナイと良い勝負だぜ。


「それでは、お話させて頂きます。あれは五十年前の事です。私がエネルギー関係での学会で重力転換装置に関する構想を説明していた時期でした」


 リリアーナ姫の口から大規模消失事件について話始める。正直此処でそんなビックなネタに有り付けるとはな。録音しても良いかな?


「重力転換装置は根本的には簡単なのです。意図的に重力を形成させる事は既に完成されています。今私達が艦内で座っていられるのも重力発生装置のお陰です。ですがそれ以上の重力を発生させるのは非常に危険です」

「それは俺達が重い重力に耐えられないからか?」

「それも有ります。ですので通常は1Gで制御されてます。ですがそれ以上となると装置そのものが負荷に耐えられません。しかし転換装置は高い重力を高いエネルギーに変換する事を目的としていました。そもそも重力自体が簡単に作れる物なのです。それこそエネルギー問題を抱えている惑星に取っては夢の様な装置なのです」


 言われてみれば重力は簡単に作れる。別のになるが遠心力だってある意味似たような物だと考えても良いのかも知れん。


「そして転換装置の主となる部分には私の魔術式が組み込まれています。これは科学的に出来ない部分を意図的に補助する物になります」

「……ん?ま、魔術式?ん?え?」

「はい。魔術式です。私達エルフは魔法や魔術を使い科学と共に発展して来ました。魔法があるからこそ私達はどの勢力より高い技術力を保持する事が出来てるのです」


 凄い真顔で凄い事を言うリリアーナ姫。他のエルフ共を見れば同じ様な表情だし寧ろ誇らしげな奴も居る。クリスティーナ大尉、アンタの事だよ。

 因みに傭兵仲間達を見れば案の上ポカンとした表情だった。


「……魔法ですか。それギフトなのですか?」

「厳密には違います。魔法は魔法でギフトはギフトと言った考えを」


 ジャンボがリリアーナ姫に質問して聞いている。寧ろ話せば話すだけ難しくなる内容になる。

 だが俺は違った。考えてみて欲しい。此処は宇宙で戦艦や巡洋艦がドンパチを繰り返しAWや戦闘機が縦横無尽に戦場を駆ける世界。

 つまりSFの世界だ。そんな世界にいきなり魔法や魔術と言うじゃないか。然もエルフ共は真顔で真剣な表情と来ている。こんなのは笑って下さいと言ってる様な物だと。


 そして……


 俺は……


 我慢出来なかったんだ。


「ダーッハッハッハ!ま、魔法のステッキでも使って変身でもするってか?回転しながらプリティなんちゃらかとか言ってよー!こいつは傑作だぜ!アッハッハッハ!」


 いきなり魔法や魔術なんてトンチンカンな事を言い出すもんだからツボに入って爆笑してしまう。無論他の傭兵連中は笑わない。

 だが笑われたリリアーナ姫の顔が徐々に赤くなっていく。それにつられる様にセシリア大佐以下のエルフメンバーも顔も少しだけ赤くなる。


「ギフトなら分かるけど魔法?魔術とな?ハッハッハ!だったら魔法を使って俺を倒してみろよ〜。ほらファイヤーボール!とか声高らかに叫んでさあ!さあ!さあ!アーッハッハッハ!笑い過ぎて腹イテー!」

「【グラビィティ】」

「アーッハッハッは?あ、あら?身体がおも、おも……重いんですけどぉ……」


 突然身体全体が重くなり立ってる事が出来なくなってしまう。そして地べたにうつ伏せの大の字状態になる。


「ご覧の通り私は重力を操る事が出来ます。無論魔法や魔術自体が科学の進化により廃れつつあるのも事実です。ですが魔法があったからこそ私達エルフは常に発展し続ける事が出来たのです」


 リリアーナ姫は少し赤くなってはいるがキリッとした表情で傭兵達に説明する。


「やっぱりギフトとは違うものなのかしら?」

「そうです。先程も言いましたがギフトと魔法は似て非なるもの。根本が違うのです」

「もう少し噛み砕いて言ってくれねえか?俺はそんなに頭良くねえからよ」

「そ、そんなんで……よく、大尉まで……なれ、たな……かはっ……かひゅ」

「オメェは暫くそのままな。姫さん宜しく頼んます」

 

 リリアーナ姫は頷き簡単に説明してくれる。


「貴方達にとって簡単に言うならAWとMWの違いくらいです」

「AWとMW?」

「そうです。AWは戦闘特化の兵器です。そしてMWは元々は作業用です。ですがMWも戦闘は出来ますしAWも作業も出来るのです」

「何と無く分かったかも。つまり能力としては似てるけど別のカテゴリーになるって事?」

「はい。ですので私達は魔法とギフトの両方を持つ者も居ます」

「つ、つまり……王族のリリアーナ姫と魔法少女リリアーナちゃん……的な感じか?へ、へへ……見た目もロリだしな。似合ってるぎゃあああ⁉︎出ちゃう出ちゃう!見せられないよのテロップが出ちゃう!」


 更なるGが身体全体に圧し掛かる。このままではスプラッタな未来が視えてしまう。それだけは不味い。俺の生命的な意味でな!

 それから少ししたら押し潰される感覚は無くなる。俺はゆっくり立ち上がり溜め息一つ吐いて呟く。


「いやはや、価値視の違いが生んだ悲劇だな。まったく」

「いやオメェの遠慮が無さ過ぎんだよ。寧ろよく王族の前で笑えたな」

「んなもん決まってんじゃん。遅かれ早かれ此奴らとは縁切れるしな。不敬もクソもあるかよ」

「いや不敬過ぎるわよ。アンタのその自信が何処から来るのか知りたいわ」

「傭兵は一度舐められたら終わりだからな」


 そして再び椅子に座り直し話を聞く姿勢を取る。今度は笑わない様に気を付けねば。次は確実に潰れてしまうだろう。何がとは言えんがな。

最近思った事。

この話の続きを知ってるのは自分だけと言う作者特権を感じた今日この頃。

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