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爆撃機護衛任務

 惑星ニュージェネスは全体的に気温が低い。その為、日が暮れて夜になると気温が一気に下がる。他にも惑星に住む場合様々な災害が発生する。

 だが、都心部や地方都市などには自然災害に対しての対策はしている。

 それがエネルギーシールドを使った【ディフュージョン・アンブレラ】だ。簡単に言えば艦艇に使われているエネルギーシールドを応用している代物だ。

 他にも惑星全体の天候を操作する宇宙ステーションとかもあるのだが、非常に高価な代物なのは充分に分かるだろう。


「畜生、寒い。パイロットスーツ着てるから多少は保温されてるけど」

「マスター、防寒ジャケットをどうぞ」

「いや、良い。どうせヘルキャットに乗り込めば関係無くなるし」


 パイロットスーツに着替え終えて、ネロを従えて格納庫へ向かう。作戦開始まで15分前なので、そろそろ出撃準備に入る。

 俺とネロは格納庫に向かい、複座型のFA-11ヘルキャットに搭乗する。

 機体に乗り込みシステムを立ち上げる。そして機体のステータスチェックを行いながら時間になるまで待機する。


「しかし、相変わらず雪が止まねえな」

「そうですね。所でマスターに聞きたい事があるのですが」

「ん?何だよ」

「マスターはゴーストに対して何か特別な感情を抱いている様に見えました」

「……気の所為だ」

「そうですか。申し訳ありません」


 ネロの言葉を一言で否定する。するとネロからの追及も無くなった。

 良く出来た戦闘補助AIであり、空気を読む事が出来る相棒。だからだろうか。自然と口を開いたのは。


「俺がゴースト出身なのは知ってるだろ?」

「はい。マスターがご自身の過去の話をされている時に」

「ゴーストはな、最初から選択肢が無いんだ。ゴーストに生まれた瞬間から出来る事は限られている」


 ゴーストに生まれれば自分の境遇を恨みながら日々の生活を過ごして行く。そして一定の年齢になれば正規市民になりたいと考え始める。


 正規市民になれば安心した場所で寝る事が出来る。

 正規市民になれば軍が自分を守ってくれる。

 正規市民になれば欲しい物が手に入る。


 そう考えて無茶をして人知れず消えて行く。結局、知識も知恵も無いゴーストが人並み以上の生活を送るなんて不可能なんだ。

 そもそも、三大国家や他の独立惑星群もゴーストを救う余裕なんて無い。自国民の生活を守り続ける事で精一杯なんだ。


「だからさ、同情って訳じゃない。だけど、ゴースト達にとって向こうからチャンスが来た。ゴースト更生労働法は間違い無く真っ当な政策じゃない。だが、少なくとも政府との繋がりが出来る」

「しかし、繋がりが出来たとしても政府はゴースト達を救うのでしょうか?」

「いや、それは無い。だからこそ、ほんの一握りの奴は上手く法の隙間を抜ける事が出来る筈だ。どんな奴であれ、ピンチをチャンスに変える事が出来る奴がな」


 昔の俺の様に。戦場に身を投じながらも生還し続けた。時には味方を囮にしたり、されたりもした。緊急依頼で裏切り者と呼べる奴を敵に殺された風に装って殺害した事も。

 綺麗事では済まなかった人生であるが、お陰で今の生活を得る事が出来た。それに、この傭兵生活も悪い物では無いしな。


「少なくとも、戦場で理不尽な命令を下される事は無い。我慢してれば簡単に死ぬ事は無い筈。何せゴーストが消耗品から人材になるんだから」


 ゴースト更生労働法。噂ではゴーストを救う物では無い。だが、そんなのは当たり前だ。もしゴーストを救う物なら、三大国家がとっくの昔にやっている。

 それくらい、ゴーストの人口は多いと言えるのだからな。


「まぁ、所詮は一個人の考え方に過ぎない。この考えが正しいとは微塵も思ってはいないがな」

「マスターはゴースト達を救いたいのですか?」

「まさか。だが、選択肢を増やしても良いとは思っている」

「そうですか。やはり、マスターは優しいのですね」

「ふん、そんなんじゃねえよ。唯、無闇に味方として戦場に出て欲しく無いだけだ。敵としてなら大歓迎だがな」


 ネロとの雑談を終えるとオペ子から通信が来た。


『スマイルドッグ隊へ通達します。間も無く作戦開始時間になります』

「ヴィラン1了解。さて、仕事の時間だ」


 頭の中を切り替えて任務に集中する。ヘルキャットは滑走路を使わずに離陸出来るが、燃費が悪くなる。それに滑走路があるなら使った方が良い。


 何より離陸がカッコいいからな!


『ヴィラン隊、第二滑走路へどうぞ』

「ヴィラン1、了解」

『ヴィラン2、了解』


 機体を滑走路に向けて移動させる。続いてヴィラン2のヘルキャットも後ろに続く。

 第二滑走路に侵入して直ぐにナナイ軍曹から通信が入る。


『ヴィラン1、離陸を許可します』

「ヴィラン1、了解。離陸する」

『無事の帰還を』


 軽くウィンクしてからブースターを全開にする。同時に機体は一気に加速して滑走路から離陸する。


『ヴィラン2、離陸を許可します』

『ヴィラン2、了解よ。離陸する』

『ご武運を』


 続いてヴィラン2のヘルキャットも離陸する。そして爆撃機隊が全機離陸するまで待機命令が来る。


「ヴィラン1より各機へ通達。勝手な行動をしたら躊躇なく撃墜する。肝に銘じておけ。以上だ」

『随分な言い方ですね。流石はクリムゾン・ウルフ様は言う事が違う』

「お前の様な跳ねっ返りを一人殺す事で全体の生存率が上がる。なんなら今から地面に強制着陸させてやろうか?」


 反抗的な奴は必ず居る。それが基地内での待機中なら黙認する。別に俺は指導する役をするつもりは無い。代わりに殺すか殺さないかに分けてるだけだ。


『……チッ、調子に乗りやがって』

「今直ぐ選べ。作戦行動中に無用なリスクは極力排除する。今の俺の立場はそう言う立場だ」

『クロウ3、了解。たっく、マジになりやがって』


 しかしクロウ3の愚痴に対して賛同する声は無かった。本能的に理解したのか知らないが、素直になってくれて嬉しい限りだ。


「諸君、聞いての通りだ。基本的な指示に従っていれば問題は無い。それに、この戦いは勝利が確定している様なもの。下らない事で戦死する事は許さん。生きて基地に凱旋するぞ」

『ヴィラン2、了解。全く、素直じゃないんだから』

『クロウ1、了解。見せて貰いますよ。スマイルドッグで一番の腕前を』

『ロト1、了解。皆、仕事は仕事だ。頭を切り替えろよ』


 無事に味方との意思疎通を完了させたのと同時に、爆撃機隊の離陸も完了した。


『レネゲード1より各機へ通達。これより合流地点に向かう。その後、味方部隊と合流し目標へ向かう』


 全機が離陸して合流地点に向かう。爆撃機隊を中心に囲い込む様に飛んで行く。

 因みに戦力は爆撃機ハスキーが十機。スマイルドッグ所属のヘルキャットはヴィラン隊二機、クロウ隊六機、ロト隊六機。それ以外は自治軍のF-86マッキヘッド十二機だ。

 意外と自治軍の戦力が少ないが、他の基地からも出撃しているので問題は無いだろう。

 分厚い雲を抜けて更に上昇する。そして雲を抜けると。朝日が丁度昇って来ていた。下一面が雲で覆われているが、朝日が俺達と雲を照らして行く。


「中々良い景色だな」

『そうね。出来る事なら良い人と一緒が良かったわ』

「その手のネタ振りは止めろよなー。俺の中の罪悪感がモゾモゾするだろ」

『あら、ごめんなさいね。意外と気にしてくれてる事に少し驚いたわ」

「おいおい、俺だって申し訳無いと思う気持ちくらいは持ち合わせているさ」

『別に、もう気にして無いわ。気にした所でアーロンは帰っては来ないから』


 既に気持ちを切り替えているチュリー少尉。正直に言えば割り切れる事が出来て少し羨ましいと思った。

 俺は今もレイナを想い続けている。いや、どちらかと言えば後悔しているのかも知れない。

 大切な人を守り切れなかった己の無力を恨み続けているのかも知れない。

 そう考えると割り切って前を向いているチュリー少尉を眩しく見えてしまう。


「やっぱり、お前は良い女だよ」

『お世辞は有難く頂くわ』

「だから悪い事は言わない。早目に傭兵だけは辞めておけ。チュリー少尉なら他の職でもやって行けるさ」

『知ってるわ。でも、私は今の生き方が好きなの。もし、辞めるとしたら私を無理矢理引きずり下ろすくらいは必要よ。勿論、相手も一緒にね』


 一緒にの言葉には力強さを感じた。多分チュリー少尉に捕まった男は確実に尻に敷かれるだろう。


(良い女って奴も案外考えものなのかもな)


 合流地点までの空路は安全と言えるだろう。だが、世の中ってのは上手く事が進まない事が常と言うもの。

 何故なら地上ではコンフロンティアの兵士達が着々と準備を進めていたからだ。




 話す事も無くなり沈黙が流れていた。レーダーと目視での警戒を行なっているが、周りには分厚い雲が多数あり視界を妨げる。

 しかし、敵の攻撃はこちらの都合を考えてはくれない。

 レーダー上に反応があるのと同時に熱源接近警報がコクピットに鳴り響く。


「警告、下方よりミサイルの接近を確認」

「やっぱり来ると思ってたぜ。この流れだと他の連中も襲撃を受けてるだろうな!」


 俺はヘルキャットを下に向けてダイブさせる。そして人型に変形して45ミリサブマシンガンを構える。

 モニターにミサイルが捕捉される。そして弾道を読んでからトリガーを引く。

 45ミリの弾丸が多数ミサイルに着弾して爆発する。そのままの流れで他のミサイルも撃ち落とす。


『地上にミサイル発射台を確認。マッキヘッド隊は直ちにミサイル発射台を破壊せよ』

『シャオ1、了解。各機、地上に降下して敵を殲滅するぞ』

『シャオ2、了解。傭兵ばかりに任せっぱなしなのは性に合いませんからね』


 マッキヘッド隊が地上に向けて一気に急降下する。しかしミサイルは次々と爆撃機隊へ向けて飛んで行く。


『あれ?何かあのミサイル変よ』


 マッキヘッド隊と交差した大型ミサイル群。その瞬間、大型ミサイルから小型ミサイルが飛び出す。


「分裂ミサイルだと?随分と本格的な軍用ミサイルを使ってんな」

「マスター、アレはミサイルではありません」

「何?」

「識別を確認。FG-101Yフォッケナインです」


 やられた。そう思った瞬間、ロックオン警報と同時に敵フォッケナインからミサイルが発射される。


【グリフィン1より各機、敵の迎撃機は無視しろ。一撃離脱で爆撃機を狙え】

【グリフィン3、了解!やってやりますよ!】

【これ以上、自治軍にデカい顔させられっかよ!】

【残念だったな自治軍共め。ミサイルは囮で本命は俺達さ!】


 慌てた様子で引き返すマッキヘッド隊。しかし、その隙を狙って対空ミサイルが地上から発射され数機が撃墜されてしまう。


「ハッ、中々上手くやるじゃないか。満足な知恵も無い連中の癖によ!」


 チャフをバラ撒きながら回避機動を取りミサイルを回避する。そしてギフトを使い先読みしながら再びトリガーを引く。

 一気に三機を落としたが、そのまま擦れ違う形になる。再び飛行型に変形して追跡を開始。流石に簡単には追い付く事は出来無い。だが残念な事に、こちらには一人頼りになるパイロットが居る。


『捉えた』


 ミサイルを発射しながらヴィラン2のヘルキャットが飛行形態のまま敵フォッケナインと交戦を開始。他の隊の連中もヴィラン2に続く様に敵フォッケナインと交戦する。


「良い感じだな。これなら余裕で追い付ける」


 敵フォッケナインがヴィラン2、クロウ隊、ロト隊と交戦している隙に距離を縮める。そしてミサイルの射程に入ったのと同時にトリガーを引く。


「下方より再びミサイル群が接近中」

「チッ、結構な戦力を持ってんな。コン何とかって連中はよ!」

「コンフロンティアです。マスター」


 このままでは埒が明かないのは明白だ。なので俺はヴィラン2に通信を繋げる。


「ヴィラン1よりヴィラン2、地上の連中を片付けたい」

『上はどうするの?』

「戦闘機相手なら死ぬ事は無いさ。こっちは脆い分類のAWだが、簡単には墜ちねえよ」

『了解したわ』

「ヴィラン1よりクロウ隊、ロト隊。そのまま上空で爆撃機の護衛を続けろ」

『ヴィラン1は如何するんです?』

「決まってるだろ。ダイブするんだよ」


 そして操縦レバーを動かして一気に地上に向けて降下を開始。俺に続く様にヴィラン2も降下する。


「ヴィラン2!ちゃんと着いて来いよ!」

『正直に言って貴方馬鹿よ!馬鹿!』

「その馬鹿に着いて来た礼に尻尾モフッてやんよ!」

『要らないわよ!』


 一気に急降下する俺達。それに慌てた様に迎撃準備に入るコンフロンティア。


【敵AW二機が急速接近!】

【対空車両、MWは敵AWを撃破しろ!相手はヘルキャットだ!勝てるぞ!】

【対空ミサイル発射!30ミリも射程に入り次第撃ちまくれ!】

【第二波の発射を急げ!此処で爆撃機を一機でも墜とすんだ!】


 30ミリガトリングガンを搭載した対空車両とMC-30Bモールドが空に向けて照準を向ける。その間にモールドからは対空ミサイルが発射される。

 コクピット内に警報アラームが鳴り響く。しかし、中途半端な迎撃なんて恐れる必要は無い。

 対空ミサイルを最低限の回避機動で避ける。そのまま対AWミサイルで反撃する。慌てた様子で30ミリガトリングガンで対AWミサイルを迎撃する敵モールド。


「この程度の弾幕は牽制にもならねえんだよ!残念だったな!」


 オープン通信でコンフロンティア軍に聞こえる様に言い放つ。そして、こちらに気付いた敵モールドが30ミリガトリングガンの銃口を向ける。


 だが、こちらの方が圧倒的に速い。


 降下速度を生かしながら、上空から45ミリサブマシンガンで撃ちまくる。45ミリの弾丸をまともに防ぐ事が出来ない対空車両。そして悪足掻きしか出来無い敵MWモールド。

 次々と穴だらけになり爆散して行く。必死の抵抗も虚しく、地面に降り立つ。


「さてはて、覚悟は良いかな?尤も、政府に反抗した時点で死んだも同然だがな」


 そのままヘルキャットの機動性を生かしながら一機ずつ破壊して行く。空からもヴィラン2が援護してくれている。


【畜生!俺達が、一体何したって言うんだよ‼︎】

「あん?何だ。そんな事を知りたいのか?」


 最早、満足に戦う事が出来無い敵モールドのパイロットが叫ぶ。

 何故、自分達がこんな目に遭わなければならないのか。

 何故、自分が死ななければならないのか。

 そんな思いを一心に叫ぶゴースト。

 だから答えてやる事にした。最後の冥土の土産にな。


「何も。お前達は何もしてねぇよ。唯、間が悪かっただけさ」

【そ、そんな事で……俺は】


 そして短刀を装備して一気に敵モールドに近付き敵モールドのコクピット部分に躊躇無く突き刺す。


「後は……アレだな!甘い言葉に騙されたんだよ。最初から誰も救う気の無い奴の言葉にさ」


 そのまま短刀を抜き取り収納する。そして一度高く飛びながら飛行形態に可変する。


 動かなくなり、静かに立ち竦むMC-30Bモールド。

 そのパイロットからの返事は無いままに。




 空の戦闘はこちら側の圧勝に終わった。敵戦力の殆どは旧式か安価な兵器ばかりで勝負にもならないのが実情だ。

 だが、こちらも被害が無かった訳では無い。爆撃機一機が第二エンジンに被弾し停止。そのまま第三エンジンも停止してしまった為、追従が不可能と判断され基地に帰投する事になった。

 更に味方のマッキヘッド部隊で三機撃墜。またクロウ3も被弾した為、爆撃機と共に基地に帰投する事になった。


『やっぱり新兵には荷が重かったかしら?』

最初(ハナ)っから戦力として当てにして無いから問題ねえよ」

『そうやって直ぐに身内に敵を作ろうとするんだから。少しくらい愛想良くしたら?』

「アレだけ俺の事舐め腐ってたんだぞ?今更、仲良しこよしをしましょうよ〜とでも言うか?」

「マスターなら単機でも充分な戦力です。寧ろ、無用なリスクを抱え込む必要は無いかと」

「ほら見ろ。ネロも俺と同じ意見じゃねえか」

『ネロ、貴女が嗜めないと大切なマスターが暴走しちゃうわよ?そうしたら大怪我負っちゃうかも』

「……マスター、彼等と妥協する事を提案します」

「意見変えるの早いな。おい」


 チュリー少尉の口車に乗るネロちゃん。

 しかし、コンフロンティアの戦力は意外としっかりしていた。特に大型ミサイルから戦闘機が多数出て来たのは虚を突かれた。

 あの大型ミサイルは決して安い代物では無い。間違い無く内部からの横流し品だ。後は兵器関連企業と繋がりがあるのか。

 それから、恐らくだがパイロットは即席訓練されたゴーストだろう。戦って分かったが動きは素人同然だった。フォッケナインも殆どが一撃離脱戦法だったし、地上の戦力も統率が取れてた訳では無かったし。


「まぁ、何にせよだ。素人相手に被弾して帰投しているクロウ3は、後で俺とマンツーマンでのシミュレーター訓練で決まりだな。暫くは三食のオカズが多くなりそうだ」

『あらら、クロウ3はご愁傷様ね。皆も遅かれ早かれヴィラン1から洗礼を受けるから。覚悟して起きなさい』

『うえぇぇ……やっぱりオカズ取られるのかよ』

『あの話、本当だったのか。一週間部隊全員のメインを奪ったのは』

『メインはキツ過ぎる。然も間食禁止もセットなんだろ?鬼畜かよ』


 俺の武勇伝に恐れ慄く新兵達。マザーシップ撃破した話より怖がられてない?


「そう言えば、ヴィラン2とは戦った事は無いな。時間が合えば一戦やるか?」

『良いわよ。それに見たわ。貴方の連戦連勝の記録。そろそろ世代交代した方が良い頃合いよ』

「ハッ!冗談ぬかせ。世代交代したかったら力尽くで取りに来いよ」

『負けた時の言い訳は考えておいてね』

「尻尾の手入れはしっかりやっとけよ」

『こ、この、変態!』


 ヴィラン2からの罵声を無視しながら周りを見渡す。

 何となくだが悪い空気が薄くなった気がする。これもチュリー少尉が気を利かせてくれたのかも知れないが。


(ふん。お節介な女だぜ)


 悪い女では無い。何方かと言えばチュリー少尉は良い女だろう。

 そんな良い女が傭兵をやってるのが不思議ではあるが。


「事情があるのは俺もか」


 転生者であり、ゴーストから正規市民に成り上がり、それでも傭兵やってる時点で怪しさ満載だしな。

 それから合流地点までは警戒しながら移動していた。しかし、敵からの襲撃は無く無事に他の部隊と合流を果たす事が出来たのだった。


 だが、本当の敵が既に宇宙に居る事を俺達はまだ知らされていない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 2日でここまで読んじゃいました。 寝不足になったので、毎日更新という形で責任とってください。 ( ゜д゜)ハッ!タケルが来る予感が…… レイナを含めてハッピーエンドで終わってほしいなー(…
[良い点] 本当の敵! やっぱり母艦がボカンするんじゃ… ジャン大佐も危ない気がする [一言] もう!最後の一文に放り込むの好きなんだからっ!
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