デモ隊鎮圧作業
拠点となるティラナ軍事基地に降り立った俺達に最初に待っていたのは真っ白な世界。
つまり、極寒の寒さが俺達を歓迎していた訳だ。
「クソ寒い。チュリー少尉、尻尾貸せ」
「絶対に嫌。アンタ直ぐに深呼吸するもん」
「しょうがねえだろ。暖かくて良い匂いするんだから」
「変態ですね」
「喧しい。尻揉むぞ」
女性陣にセクハラかましながら輸送艇から降りて行く。次々と輸送艇がティラナ軍事基地に降りて来て、AWやMWを降ろして行く。
「そう言えば、アズサの機体構成ってどんな感じにしたんだ?」
「うぅ……寒いッス。ほえ?自分の機体スか?自分のはガチタンッス!」
「え?マジでガチタンなの」
「そうッスよ。あ、丁度降ろしてるッス!」
アズサ軍曹が指差す方向に視線を向ける。すると脚部を履帯仕様にし、更なる重装甲に仕上げているTZK-9Cアーミュバンカーの姿が有った。
「武装は両腕に四連装ショットガンと両肩に大口径ガトリングガンを搭載するッス!後は肩部側面に迎撃ミサイルを装着してるんスよ」
「マジかよ。聞いてるだけで胸がトキメク仕様にしてんじゃん。あー、何かガチタンに乗りたくなって来たな」
「先輩もこっちに来るんスか!なら大歓迎ッスよ!」
「やめときなさい。貴方、高機動タイプ向きでしょう?」
「何言ってんだよ。俺は重装甲タイプもイケるぜ。昔は鈍重なMWで戦場を駆け回った事もあるからな」
しかし、いつ迄も寒い外に居続け訳には行かない。正直に言ってこの寒さは想定外だ。防寒対策はして来たが、此処までの寒さは勘弁して欲しい。
「早く基地に向かいましょう。雪も降って来ましたし」
「だな。それに身体の軟弱な連中が多いからな。この程度で風邪を引く奴も居るだろうし」
基地の中は暖房が効いており非常に暖かい。俺達は各自に与えられた部屋に荷物を置き、一度作戦会議室へ向かう。
最初にやるべき事は戦況の確認からだ。
「皆さん、お疲れ様です。これより惑星ニュージェネスの各地域での戦況を確認致します」
ナナイ軍曹による説明にスマイルドッグの傭兵達は静かに聞く。
「現在、各地方でコンフロンティアと自称する反乱組織が活発に活動をしています。無論、自治軍による鎮圧も行われています。しかし、日が経つに連れてコンフロンティアの戦力は危険な物となりつつあります」
大画面のモニターに映し出されるのは、武装した民兵に民間用MWに武装を施した物。しかし、中には戦車も存在しており危険度が増している。
「また地方都市ではゴーストと思われる集団デモが発生。デモ隊に対処する為に自治軍からも一部部隊が市民の警護に当たっています」
ゴーストによるデモ隊。間違い無くニュージェネス自治軍を引き付ける役割があるのだろう。現に武装している者達は少数らしい。
(つまり、このデモ隊を早急に鎮圧させる事が重要だ。なら、脅して力尽くで鎮圧すれば良いな)
俺達は傭兵だ。自治軍の様に行儀良く待つ主義じゃ無い。金を貰って任務を遂行するんだからな。
「我々の役割は今も抵抗を続けているデモ隊の早期鎮圧です。手段は問いません。しかし、出来るだけ流血は避けて下さい」
「何、簡単な仕事だ。要はAWが出張れば直ぐに鎮圧出来る。アズサ、お前の出番が早速来たぜ」
「自分スか?」
「おうよ。派手に手持ちの武装を使って脅してやれ」
「あぁ……成る程。了解ッス」
そして俺達傭兵としての仕事が始まる。正規軍や自治軍には出来無い汚れ仕事をな。
今回搭乗するFA-11ヘルキャット。飛行モードなら大気圏内で高い機動性と運動性を持つ。
パイロットスーツに着替えてヘルメットを被る。そして、もしもの為の護身用SMG【VKS-50ヴィクター】を装備する。
因みに、VKS-50ヴィクターは宇宙ステーション・ベルハルクで購入したSMGだ。強装弾などの強力な弾薬が使用可能で、近距離なら装甲車の装甲を貫通出来る。また、レートも非常に高いので通常マガジンと共にドラムマガジンも購入した。
「ネロ、今回は殺しは基本的にはやらない。唯、相手が武装をしているなら容赦するな」
「了解しました。しかし、ゴースト相手にAWで対処は可能なのでしょうか?」
「可能だ。自分達が徹底的に追い詰められていると脅せば良い。そうすれば自然消滅する。後、現場近くに廃墟の街が無いか検索しておけ。使えるからな」
俺はネロに指示を出してヘルキャットに乗り込む。後部座席にネロが搭乗したのを確認してキャノピーを閉める。
可変機のコクピット内部は通常のAWより少々複雑だ。それだけ確認する箇所も多いし、アクロバティックな機動も取れる。
それでも問題無く機体チェックを行って行く。
「ネロ、機体チェックと計器の確認を頼む。俺は武装の確認をやる」
「了解です」
武装は機首の下部に搭載されている20ミリ機関砲、45ミリサブマシンガン、対空ミサイルポッド、対AWミサイルポッドを装備。後は接近戦用の短刀も装備している。
対AW戦も考慮しているので、一応地上の支援も出来る。それに戦車程度なら上空からの45ミリサブマシンガンでも対処可能だ。
「マスター。機体チェック、及び計器の確認完了しました。オールグリーンです」
「こっちでも確認した。どうだ?ボディでの確認作業は?」
「効率は悪いです。また、直接システムに繋げて無いので僅かなラグが生じます」
「ハッハッハッ、そうだよな。ネロからしたらモニター越しでの確認は不安があるか」
「不安……そうですね。私は不安に思っているのでしょう」
「何、大丈夫さ。ウチの整備兵共は無駄に職人気質だ。ちゃんと整備されてるから問題無いさ」
それでも確認作業は行う。もしかしたらの可能性は零では無いのだから。
「エラーチェック良し。全システムクリア。起動開始」
ヘルキャットの小型軍用プラズマジェネレーターを起動させる。それと同時にメインシステムも起動。最終チェックが入る。
「ジェネレーター、油圧、電圧OK。管制塔、こちらヴィラン1。出撃準備完了」
『こちら管制塔、第一滑走路に待機せよ』
「ヴィラン1、了解」
操縦レバーを若干前に出す。そしてヘルキャットを第一滑走路へ移動させる。
俺に続く様に他のヘルキャットも追従する。
「ヴィラン2。ヘルキャットの乗り心地はどうだ?」
『悪く無いわ。そっちこそ、乗り慣れて無いヘルキャットで大丈夫なの?』
「プロは機体を選ばない物さ。勿論、専用機や乗り慣れた機体の方が良いがな。それから、暫定とは言え俺と組むんだ。頼んだぜ」
『安心して。背中から撃つ真似はしないから』
「そうかい。なら良いんだがな」
今回、俺と組む事になったのはチュリー少尉だ。元々組む気は無かったのだが、向こうから誘って来た訳だ。
何か企んでる気がするが、特に害が無さそうなので了承する事にしたのだ。
『所で一つ聞いて良いかしら?』
「何だよ」
『ゲーミングフォックスってどう言う意味なのよ?』
最初は俺がチュリー少尉の特徴をそのまま活かしたコールサインを付けたのだが、速攻で却下された。然も組む事にもなったので、コールサインに関しては特別にヴィランを貸してやった。
「決まってんだろ。虹色に輝く毛並みとかゲーミングやん。本当は鳥とかだったら完璧だったんだがな。狐じゃあ話にならねえ」
『え?私馬鹿にされてるの?』
「してないしてない。ほら、そろそろ離陸するぞ」
『帰還したら一度話し合いましょう。これから長く組むかも知れないし』
聞きたく無い言葉を無視して管制塔の指示を待つ。
『こちら管制塔、離陸許可を出す』
「ヴィラン1了解。離陸開始」
ヘルキャットを加速させる。Gが強くなるのと同時に周りの景色が後ろに消えて行く。そして操縦レバーを引き上げれると機体は滑走路から離れる。
空に舞い上がれば雪の銀世界が一面に広がる。普段雪の風景なんて見ないので新鮮に感じる。
「ガキの頃は雪が積もった時は嬉しかったんだがな。大人になると雪が嫌いになったよ」
「何故雪が嫌いになるのですか?とても綺麗な光景に見えますが」
「簡単だよ。車で移動する時が面倒だったんだよ。道路には雪が積もるし凍るしでな。スリップした日には絶望感しか無かったな」
殆ど記憶の彼方にある前世を思い出す。確か電車とかにも影響が出てた気がするな。
『管制塔よりヴィラン1、輸送隊が離陸するまで上空で待機されたし』
「ヴィラン1、了解。まぁ、今となっては遠い過去の良い思い出さ」
「……そうですか。大変だったのですね」
そしてAWを腹に抱えた輸送隊が離陸したのを確認した後、スマイルドッグは目的地へと向かう。
最初の目的地は一番近い地方都市。そこで座り込みをしているゴーストのデモ隊を蹴散らす為に。
地方都市の街ではゴーストによるデモ隊が大道路に座り込み抗議の意思を示していた。
デモ活動の主な内容はゴースト更生労働法の撤廃だ。そして次いでと言わんばかりに環境改善、労働時間の短縮、手当の補償も叫ばれている。
遠巻きに一般人達がデモ隊を見物している中、自治軍の兵士や装甲車がバリケードを敷いて通行規制を行なっていた。
「おい、まだこの道は通れないのか?良い加減、連中を退かせよ」
「申し訳ありません。我々に出来るのは皆さんが怪我をしない事が優先されます」
「いつまで経っても居座り続けてるじゃないか。何やってんだよ。アンタ達は」
「申し訳ありません」
「謝れば良いって物じゃ無いだろ?兎に角、早く連中を追い払えよ」
兵士達は文句を言う市民に頭を下げる事しか出来無い。
デモ隊は武器を所持していない。例えゴーストだとしても、無抵抗の者達に銃口を向けるのは宜しくない。法的に問題が無くとも社会的に問題が出てしまう。
誰もが苛立ちを隠せて無い状況。だが、そんな彼等の代行者が現れる。
自治軍にある指示が入る。その指示に従う様にデモ隊周辺に大きく場所を開ける自治軍。
違和感を感じ取ったデモに参加しているゴースト達は辺りを不安そうに見渡す。
そして若干の静寂。
自治軍は警戒態勢のまま待機し、周りの市民達は何事かと思い状況を見守る。
その時だ。
二機のAWが超低空飛行でデモ隊の上空を通過する。凄まじい轟音が都市部に響き渡る。
そう、代行者がやって来たのだ。
デモ隊が集まっている場所に挨拶代わりに急接近しながら頭上を高速で通過する。今頃、轟音と衝撃波でゴースト達は頭を低く下げているだろう。
「無理に着いて来なくても良かったんだぜ?ヴィラン2」
『誰か一人に貧乏クジ引かせるのは趣味じゃ無いのよ』
「難儀な性格してんな」
「マスター、AW部隊は第一段階に入ります」
AWを抱えた輸送機が高度を下げる。そして後部ハッチが開いたのと同時にスマイルドッグ所属のAW、MW部隊が降下する。
そしてデモ隊を囲い込むかの様に次々と地面に着地するAW、MW部隊。その中で、一際威圧感満載のガチタンク仕様のアーミュバンカー。
『ニャハハ!着地完了ッス!さてさて、悪い子達は何処に居るッスか〜?』
四連装ショットガンを二挺と両肩に大口径ガトリングガンを装備したアーミュバンカー。
唯でさえ重装甲のギガントに追加装甲を施し、更なる防御力を手に入れたアーミュバンカー。機動力を捨て、火力と防御力極振りの機体構成は、胸の奥底にある漢の魂を刺激する。
「やっぱり、キャット1の機体は良いな。俺、その機体構成はマジで好きだよ」
『そうなんスか?なら先輩もこっち側に来るッス!』
「ヴィラン1って呼べ。仮に俺がガチタンやったら自前で敵を狩れよ」
『それは……先ぱ、ヴィラン1は今のままが一番素敵ッス』
そして俺達も地上に降り立つ。ゴースト達の逃げ場を無くす様に。
俺は外部スピーカーをオンにしてから口を開く。
《さて、デモ隊の諸君。この寒風吹き荒れる寒空に抗議活動とは御苦労さんなこってぇなあ!》
45ミリサブマシンガンを右手に持ちながらデモ隊に語り掛ける。
まぁ、語り掛けると言うより一方的に言うだけなんだがな。
《この大道路は正規市民様達が通る場所だ。その邪魔をするのは……余り宜しくは無い》
一歩前に機体を前進させる。
《そもそもだ。お前達、こんな事して意味があると本気で思っているのか?本当は分かってるんだろ?訴えた所で意味は無いってさ》
俺は真実を彼等に語り掛ける。それでも認めたくないと言わんばかりに反論してくるゴースト達。
だがな、そんな反論は俺には無意味だ。
《渡された食料だって安物のレーションばかり。普段食ってる物と違いはあるか?無いよなぁ。それが、お前達の価値を示している》
ゴーストの自由と尊厳の為と言うが、一体何処にそんな物がある?
誰かに煽られた結果、結局利用されてるに過ぎない。
《お前達に指示を出した奴の考えを教えてやろうか?自治軍の目を少しでも惹きつけれればラッキー!ゴーストが死んでも自分の支持層には何にも被害は無いし!最高の使い捨ての駒だな!程度にしか考えて無いんだよ》
そんな筈は無い!と叫ぶゴースト達。だが、そんな中でも冷静になる者達も居るのは確かだ。
《考えてみろ。ゴーストと呼ばれる様になって一体、何百年経ったと思う?その間に誰かが革命を起こす事だって出来た。なのに誰もやらなかった。何故だが分かるか?》
そうさ。考えれば分かる事。この世界にも限界があると言う事だ。
人類が宇宙に未来を見据え様とも。どれだけの技術が発達しようとも。結局、搾取する側とされる側に分けられる。
生命皆平等なんて志は、とても儚い物なのさ。
《方舟にも限界があるんだよ。正規市民を養うだけで、何処の政府も精一杯なのさ》
だから現実を教える。それが全てだからだ。
夢に希望を見出した所で意味は無い。結局、一部の力持つ者達によって私利私欲の為に最後は切り捨てられる。
《だが、何も政府はお前達を見捨てる訳じゃない。ゴースト更生労働法がお前達を守る。少なくとも、日常的にある死の恐怖からは解放される。後、温かい食事と部屋が君達を待っている》
絶望感に苛まれたゴースト達。だが、そんな彼等にも選択肢はある。
然もニュージェネス政府からのお墨付きでだ。
《お前達の知り合いにも居ただろ?ゴースト更生労働法に賛成した奴が。そいつらは今頃、笑いながら美味い飯を食べてるさ。お前達を摘みにしてな》
ゴースト更生労働法。間違い無くゴーストを利用する政策だろう。
だが、これは彼等にとっても悪い話では無い筈だ。
色々規制や束縛はあるだろう。それでも隣の奴に殺される恐怖を感じる生活からはおさらば出来る。
《早い者勝ちだ。他のデモ活動に参加しているゴーストより上に行きたいだろ?隣に居る奴よりも優遇されたいだろ?》
だから、彼等に囁くのだ。自分達が他者より上に行ける事を。
政府に媚を売り、権力を持つ者を射止めろ。
今のお前達に必要なのは反抗では無い。服従だ。
《お前達は自分達が不幸だと思ってるだろ。それは大きな間違いだ。どんな形であれ、この惑星の政府はお前達に手を差し伸べた。少なくとも、ゴースト更生労働法によって政府との繋がりが出来た。政府からの差し出された手をピンチと取るか、チャンスと取るか。後はお前達次第だ》
与えられた選択肢に縋るか。それとも蹴り飛ばすか。選ぶのは彼等だ。
時間が流れる。誰も動こうとしない。ゴースト達は真剣に悩んでいる。
自分達の未来を誰に託すのか。政府に託すのか。それともコンフロンティアに託すのか。
(尤も、自分の未来を誰かに預ける時点で終わってるんだけどな。まぁ、選択肢が限られてるんだ。自分にとっての最善を選びな)
だが、どんな場所にも無粋な輩は存在する。
武装した者達が武器を携えて建物を登って行く。そして窓から目標を視認してから武器を組み立てる。
そして組み上がったのが125ミリ無反動砲。当たり所さえ良ければAW相手でも一撃で破壊出来る代物。
狙いを可変機のAWに絞る。そして合図と同時に引き金を引く。
鈍い音と共に砲弾が飛んで行く。だが、まるで最初から分かっていたかの様に防がれる。
《誰も手を出すな!たっくよぉ、人様が慣れない説得なんぞやってストレスが溜まってるのによお‼︎》
あっという間に目の前に距離を詰められた武装集団。手持ちのアサルトライフルやRPGで反撃するが、腕で防がれて効果は無い。
《取り敢えずRPG持ちは死ね》
20ミリ機関砲が火を噴けば誰かが消し飛ぶ。そんな無惨に死んで行く仲間を間近で見てしまい、情け無い悲鳴を上げながら逃げて行く。
《おっとぉ?お前は逃さねえよ》
俺は逃げようとする一人の兵士を掴み取り、元の場所に戻る。
因みに既に座標は各部隊に送信済みだ。誰一人として逃すつもりは無い。
《見ろ!この男を!お前達を囮にして、自分達の戦果を上げようとした私利私欲に満ちた姿を!》
唖然としながら捕まっている男を見るゴースト達。
そうだよなぁ。信じてたのに、結局やってる事は何も変わってない。利用され、消耗品として扱われる。
この男達も同じ消耗品扱いだろう。だが、俺の邪魔をし、牙を剥けた罪は償って貰う。
《悔しいか?悔しいよなぁ。お前達は何も悪い事して無いのに。救うと言っておきながら結局、お前達を囮にした。だから……好きにして良いよ》
手を広げる。重力に従って落ちる武装した男。落ちた先には寒さと空腹に耐え、コンフロンティアを信じていた沢山のゴースト達。
そこから先は無残な物だった。武器を持たないゴースト達。代わりに有るのは寒さで冷えきった拳のみ。
男を囲う様に集まるゴースト達。そこから始まるのは……唯の虐殺だ。
「ヴィラン1より各部隊へ通達。事が終わったら収容作業に入れ。以上だ」
『先輩、止めなくても良いんスか?』
「止める必要は無い。今はコンフロンティアを悪と世間に刷り込ませる方が重要だ。それに、お前達だって無抵抗のゴーストに対して虐殺紛いな事はしたく無いだろ?」
『そう……スね。了解ス』
俺はこの武装集団に感謝している。何故ならこの映像は間違い無く国営放送される。ほぼ真実と言う形で。
「結局、時代に逆らう奴が馬鹿を見るのさ」
俺は再び周りを警戒しながら機体の状態を確認するのだった。