父と子
立体駐車場から飛び降りるオビリオン。少しでも滑空距離を稼ぐ為に後方に向けて主砲を撃ち続ける。
120ミリの砲弾が次々と立体駐車場に当たるのを無視しながら向かいの建物に向けて突っ込む。
そしてオビリオンは建物のガラスを突き破りながら中に入る。しかし、オビリオンの重さに耐えれる筈も無く一層ずつ落ちて行く。
だが、俺はまだ諦めてはいない。
再び主砲を発砲してオビリオンを前進させる。最早、前方の事は分からない状況だ。それでも生き残る為に諦めずに足掻くのだ。
そしてオビリオンの履帯が床を掴んだのと同時に再びトリガーを引く。すると建物の床を破壊しながら着実に前進して行く。
「うおおおおお‼︎行っけええぇぇええ‼︎」
そして建物を突き破り再び空を飛ぶオビリオン。ついでに車内は悲鳴のオンパレードだ。
そのままの勢いのままオビリオンは更に建物に突っ込んで行く。
そう、下が駄目なら上から行けば良い。建物から建物へ空中移動すれば良いだけの話だ。
「女王陛下バンザーイ‼︎でもお菓子の食い過ぎには気を付けろよぉ‼︎」
オープン通信を繋げたまま声を出して逃げる。そんな俺達を唖然としながら見送る敵追撃部隊。
【……今の見たか?戦車が飛んだぞ】
【ありゃあ近寄ったら駄目な奴だ。とんでもねぇクレイジーな奴だよ】
【頭のイカれた奴は下手な奴より厄介だからな。くわばらくわばら】
【それより立体駐車場がヤバいな。歩兵は直ちに逃げろ。崩れるぞ】
敵追撃部隊は諦め半分と関わりたく無いが半分で追撃が鈍くなる。
そんな事は知らずに逃げる俺達は、再び建物を突き抜ける。そして落ちた先に敵AW部隊が居た。
そう、真下にだ。
オビリオンが落ちる先には敵のAWのマドックが三機居た。しかし、まさか上から戦車が降って来るとは思ってはいない。
【は?え、ちょっ!待ッ⁉︎】
マドックの左腕を上にかざすが、戦車の重量に耐えれる筈も無く押し倒される。そして左腕と頭部が潰れて脚部も破損しながら地面に仰向けで倒れる敵マドック。
そんな不幸な敵マドックを無視しながら走り出すオビリオン。
【マックス!生きてるか!】
【ち、畜生。何で戦車が上から降って来るんだよ!俺のマドックが!】
【追撃だ!絶対に逃すッうわ⁉︎被弾した!】
偶々撃った砲弾が別の敵マドックの脚部に当たる。そのまま敵マドックは先程押し潰された味方機の上に倒れ込む。
【あの野郎、やってくれたな】
【それより早く退け!俺のマドックが余計に壊れる!】
【もう手遅れだと思うぞ?新しく買い直せよ】
【ふざっけんな!まだ借金が残ってんだよ!】
【諦めて歩兵落ちしな。ほら、お前らそこを退け!】
もう一機のマドックが味方を押し退けるが、その隙にオビリオンは曲がり角を曲がってしまう。
【チッ、まるで先読みしてるみたいな動きの戦車だ。俺は追い掛ける。お前達は後から着いて来い】
そう言ってオビリオンを追い掛ける敵マドック。だが曲がり角から姿を出した瞬間、頭部に120ミリの砲弾が直撃。そのまま後ろに倒れてしまう。
「や、やってやったぜ。ハァ、ハァ、畜生……一気に来やがった」
敵マドックが出て来るタイミングをギフトを使って先読みしたが、そろそろ頭の限界が近付いていた。
「頑張って。後少しで味方と合流出来る。あそこを左に曲がったら、後は直進」
「そうか。へっ、今の内に武勇伝を話す内容は考えとけよ。俺は後から考えるけど」
「無理して喋るな。それに、周りに敵は居ない様だが」
タケルは砲塔のキューポラを開けて外の状況を確認する。
今でも銃声や爆発音は聞こえるが、敵の姿は無い。後は直進し続ければ味方と合流出来る。
《そうは問屋が下さねぇってなぁ!》
街中に響く声と同時に20ミリの弾丸が上から襲い掛かる。俺は慌ててオビリオンを左右に動かすが、遂にエンジンに被弾。そして白煙を吹き出しながらエンジンが止まってしまう。
「クソッ!……最後の最後でやられた」
《残念だったなぁ。後少しで味方と合流出来たによぉ》
オビリオンの背後に降り立つ敵MWのタランチュラ。俺は砲塔を回して狙いを付けようとする。
しかし、そんな事は相手は百も承知だ。
砲塔が回頭仕切る前に一気に間合いを詰める。そしてオビリオンの上に乗り上がってしまう。
《全く、手こずらせやがってよぉ。こんな面倒くせぇ奴を相手にしたのは初めてだぜ》
砲塔上で暴れる敵タランチュラ。俺は仲間達を見ながら最後の作戦を伝える。
「今から俺があの敵を煽るから、その隙に車体のハッチから脱出しろ」
「そんな事」
「言い合いは無しだ。時間が無い。相手が雑魚相手にイキがる奴なら脱出するチャンスは必ず有る」
俺はMG-80軽機関銃をレイナに手渡す。
「形見じゃ無いぞ。後で……返せよ」
「シュウ……でも」
「タケル、この手紙を預かっといてくれ。アラン軍曹のだからな」
「……分かった」
「ダルトン少尉。どう言う理由であれ、帰ったら父親に一発かまして来い。もう少しマシな作戦を作れってな」
「ど、努力するよ」
そして俺は最後のスモークの展開準備をしながら敵タランチュラのパイロットに向けてオープン通信で話し掛ける。
「そんな面倒臭い相手なら見逃してくれても良いんだぜ?そうすれば厄介事が遠くに行くからな」
《ハッ!この後に及んで命乞いかぁ?だったら、もう少し俺が喜びそうな事を言ってみな!》
「仮に言った所で、アンタには何の慰めにはならんよ。だって、タクシーや戦車相手に手こずってるんだからな」
《言ってくれるじゃねぇか。今の主導権は俺に有るんだぜぇ?》
砲塔の上で何かが当たる音がした。恐らく20ミリマシンガンか火炎放射器だろう。
無論、恐怖はある。だが、今はこれ以上仲間を死なせたく無い気持ちが勝っている。だから敵パイロットを煽る事に躊躇は無かった。
「そうかな?結局、アンタは俺には勝てて無い。今の状況もそうだ。俺の消耗した時を狙ったハイエナ野郎だ。つまり、手柄を漁夫る様なヘタレな訳だ」
《…………》
「今までの戦場でも、そうやって来たんだろ?だから、俺の様な奴と初めて出会ったのさ。アンタ、運が良いよ。俺の様な強い奴がAWに乗る前に出会ってさ」
相手は沈黙している。どうやら、そろそろの様だ。
俺は仲間達に目配せをする。
《お前さんは、どうやら本物の馬鹿らしい。それも救い様のねぇ程のなぁ!》
「ハッ!このクソみたいな時代に生まれた事自体が馬鹿らしいんだよ!そこん所を間違えんな!」
そしてスモークを発射しようとした時だ。突然、オビリオンに衝撃が走ったのと同時に敵タランチュラのパイロットの悲鳴が聞こえた。
《何でAWが来てんだよおおぉぉお‼︎此処まで来てええぇぇえ‼︎》
敵タランチュラはオビリオンから飛び降りて撤退しながら20ミリマシンガンを乱射する。僅かに20ミリの弾が当たるが運良く致命傷には成らなかった。
「な、何が起きた?」
『ノスト1より60512、応答しろ』
通信機から味方の声が聞こえた。レーダーを見れば十二機のAWが直ぐ近くまで接近していた。
俺は慌ててキューポラを開けて外を見ると、直ぐ近くの上空を十二機のサラガンが編隊を組んでいた。
俺は編隊を組むAW部隊を間近で見た事で一気にテンションが上がってしまう。え?頭の痛み?そんな物は後回しだ!
「こ、こちら60512!救援感謝です!」
『そちらの状況はどうなっている?』
「ハッ!現在エンジンが被弾した為、行動不能となっています!」
『了解した。ならば車輌部隊をそちらに向かわせる。それまで別の場所で隠れていろ』
「60512了解しました!直ちに身を隠して味方の車輌部隊との合流を待ちまっす!」
『ノスト1より各機。これより現区域を確保する。敵を60512の戦車に近寄らせるな』
『ノスト4よりノスト1、敵AW二機接近中です』
『直ぐに蹴散らすぞ。各機、オールウェポンフリー!掛かれ‼︎』
そして十二機の味方サラガンは戦闘を開始する。俺はそんな彼等に見入ってしまう。
「はぁ……凄く素敵な光景だぜ。この時代に乾杯」
この後、俺はレイナ伍長に無理矢理引っ張られながら近くの建物に隠れる。それと同時に頭痛が一気にやって来て悶絶したのだった。
無事に味方の車輌部隊と合流した俺達は、直ぐに基地に帰還する事が出来た。
兵員輸送車に乗り込んでる間、ダルトン少尉が俺達に感謝し続けていた。正確に言えば俺に対して非常に好意的になっているのだが。
「本当に感謝している。特にシュウ上等兵の操縦は間違い無く本物だったよ」
「そうかい?そう言われると素直に嬉しいですよ」
「それに君は戦車でAWも撃破している。これはもう勲章ものだよ」
「いやー、そこまでは」
「それに単機で僕を助けに来た正義感。そのお陰で僕は助かったんだ」
「そ、そうっすか。でも、タケル軍曹やレイナ伍長も無茶な事に付き合ってくれたんだ」
「そうだった。君達にも感謝している。君達の行動が無ければ僕は死んでいただろうからね」
こんな具合でずっと続いてるのだ。だが、ダルトン少尉の気持ちも分からんでも無い。
あの絶望的な状況下で戦車一輌でしか救助が来なかった。頼りない援軍に死を覚悟をしていたかも知れない。
だが、結果としてオビリオン一輌を放棄する事で俺達は助かった訳だ。
さらば、我が愛すべきオビリオン。いつか、回収する事が出来る事を願っているよ。
「そうだ、何か希望は有るか?僕が出来る可能な限りなら何でも構わない。言ってみてくれ」
「希望ですか。いや、自分達は特に」
「私も……です」
「じゃあ、安全な後方配置をお願いします。出来れば外人偵察部隊第605機動小隊の全員なんですが」
タケル軍曹とレイナ伍長は遠慮するので、代わりに希望を伝えておく。
叶えてくれる可能性は低いが、言うだけなら無料だからな。遠慮するだけ損だよ。
「そうか。なら父上に相談してみよう。上手く行けば希望通りの配属になるかも知れない」
無事に基地に帰還した俺達は、ようやく安堵する事が出来た。兵員輸送車から外に出れば銃声とかは随分と小さくなっていた。
「はぁ、疲れた。今はシャワー浴びて、ゆっくり横になりたいぜ」
「確かにな。特にお前の無茶に付き合ったからな」
「そうそう、俺の無茶にって……タケルもそれなりに乗り気だったじゃん」
「さてな。お前の話が美味そうに思えただけだ」
「タケルはシュウの事を心配してただけ」
「レイナ、余計な事を言うな」
「違うの?」
レイナ伍長の言葉に口籠るタケル軍曹。でも、そうかそうか。俺の事が心配だったのか。
「ははーん、相変わらず素直じゃありませんな。タケル軍曹殿」
「煩い!そう言うつもりでは無い!」
「はいはい。でもな、前から言ってるけど野郎のツンデレとかマジで一般受けしないから」
「そこに座れ!その捻くれた性格を修正してやる!」
俺とタケル軍曹が漫才をしていると、護衛を数名引き連れた一人の将校が向かって来た。
俺達は直ぐに姿勢を正し敬礼をする。
但し、ダルトン・スタッカード少尉を除いて。
「父さん……」
ダルトン少尉の口から出た言葉。その言葉通りなら、あの将校こそが第八師団を指揮するアーノルド・スタッカード大佐になる。
アーノルド大佐はダルトン少尉の前に来ると深い溜め息と共に侮蔑に近い視線を向ける。
「傭兵風情に救われるとは。これ程情け無い事は無い」
「ですが、敵はこちらの情報を」
「私が話している最中に口を挟むな!お前に与えた任務は簡単な筈だった。本来なら多少の情報漏洩など問題にはならなかった」
冷徹な言葉でダルトン少尉の言葉を切り捨てるアーノルド大佐。ダルトン少尉は父親の言葉を聞き、歯を食いしばり俯く事しか出来無い。
「お前はいずれ上に行く立場の人間だ。なのに、こんな傭兵共に救われおって」
「か、彼等が居なければ僕は死んでました。アーノルド大佐の作戦のお陰で」
「仮にも、お前は正規の軍人だ。まともに訓練を受けて無い傭兵とは違う。あの状況下でも訓練の成果を生かせば抜け出せたのだ」
そしてアーノルド大佐は俺達に対し視線を向ける。
「諸君達は撤退命令に従わず命令違反を犯した。更に我が軍の戦車一輌を放棄した。だが、貴様等は我が軍の兵士を救出した。それに免じて罰則は見逃してやる。話は以上だ」
こちらに対し対等に扱う気は無いのだろう。アーノルド大佐は伝えるだけ伝えて、再びダルトン少尉を責め始める。
父親の言葉を黙って聞き入れるダルトン少尉。悔しくて堪らないのか、拳を握り締めながら涙が頬を伝う。
その姿を見たアーノルド大佐の癪に触ったのか更に強い口調でダルトン少尉を責め立てる。
「男が簡単に涙を流すな!全く、こんな情け無い息子を持つ私の身にもなって欲しい物だ。これでは世間の恥晒しにしかならん」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが弾けた。
「そんなに自分体裁が大事なのかよ。だったら一人で着せ替え人形で遊んでば良いじゃねえか」
誰に対してとは言わない。その代わり少し大きめな声で独り言を喋っただけだ。
「馬鹿!お前は一体何を」
「ハッ、事実を口にしただけさ」
慌てた様子で静止しようとするタケル軍曹とレイナ伍長。しかし、ここで止まる訳には行かない。
「……貴様、今何と言った?」
「おや?何故大佐殿が反応するんですかぁ?別に大佐殿の事を言ってはおりません。尤も、命からがら生き延びた息子に掛ける言葉がそれではねぇ。これではトミオー国防軍の教育の無さが露呈してますな!」
そしてアーノルド大佐がこちらに来て俺を見下す様に睨む。同時に俺も睨み返す。
「もう一度言ってみろ。ゴースト」
「自分の息子を恥晒しとか言う奴の気が知れないと言ってるんですよ。アーノルド・スタッカード大佐殿」
「これは家族の問題だ。貴様の様な何も無いゴーストが口を挟むべきでは無い!」
鈍い音が響く。アーノルド大佐の振り上げた拳が俺の左頬に当たったのだ。だが、俺は倒れる訳には行かない。
「ペッ……じゃあ、一つ言わせて貰うけどな。テメェは何様のつもりだ!そこで悔し涙を流してる少尉はテメェのガキだろうが!そのガキに対して恥晒しだとか、情け無いだとか……親である手前が言う言葉じゃねえんだよ‼︎」
「黙れ‼︎」
再び殴られる。だが、対して痛いとは思わない。
「随分と……腰の入ってないパンチだな。椅子に座り過ぎてパンチのやり方を忘れましたか?」
「上官に対する口の利き方。そして、その反抗的な態度に教育の無い言動。やはりゴーストはゴーストか」
ここに来ても今尚俺をゴーストだと言い見下すアーノルド大佐。
俺を見下すのは構わない。だがな、アーノルド大佐……アンタは軍人であり父親だろ?
「ゴーストだろうがな、誰かを想う気持ちは有るんですよ。それが、自分の子供なら尚更でしょうに」
「全てを失い、こんな戦場に来たゴーストが言う台詞か。皮肉な物だ」
確かに、今世の親は知らない。ゴーストで子供一人育てるのは非常に過酷だ。勿論、マシな所で働けていれば問題は無いだろう。
それでも、俺は前世の薄れ始めている記憶を思い出す。俺をずっと愛し続けてくれた両親。例え、過ちを犯したとしても厳しい言葉と同時に抱き締めてくれた温もり。
それはゴーストであろうが正規市民であろうが変わらない。だって、俺達は生きているんだから。
「子供はな‼︎」
だから伝えるんだ。
俺の前世の親が与えてくれた優しさを。
厳しさを。
温もりを。
そして……無償の愛を。
「子供はな……親のアクセサリーでも都合の良い捨て駒でも無いんだよ‼︎‼︎愛してやるのが親って奴だろうが‼︎‼︎何で、無事に生きて帰って来た子供を抱き締めてやれねえんだよ‼︎‼︎アンタは‼︎‼︎」
「ッ…………」
再び拳を振り上げるアーノルド大佐。しかし、今度は振り下ろされる事は無かった。
「……上官侮辱罪で拘束しろ」
アーノルド大佐は護衛の兵士に命令して立ち去る。護衛の兵士が俺に近寄るとタケル軍曹とレイナ伍長が立ち塞がる。
しかし、これに関しては俺は仲間を巻き込むつもりは無い。
「良いさ。大人しく拘束されるよ」
「全く、何で最後の最後で将校相手に喧嘩を売る。お陰で全てが台無しになった」
「悪かったよ。この埋め合わせは別の形でやるからさ」
「出来もしない約束はするな。唯、今度飯は奢れ」
「そんなんで良いのか?」
「フン、それくらいしか出来んだろ」
タケルはそっぽを向いてしまう。全く、いつまで経ってもツンデレなんだから。
「シュウ、今のは最悪処刑されてた」
「ゴーストの人権も落ちる所まで落ちてるんだなって身を持って実感してる所さ。あー、イッテェ」
護衛の兵士に手錠を掛けられる。そして、そのまま連行されて行く。
「私、待ってるから」
「レイナ……」
「貴方が出て来るの。待ってるから」
「何か……言い方が昼ドラに出て来る寝取られキャラみたい。あ、ちょっと!優しく連れてけよ!こう見えて激戦を乗り越えて来たんだぞ!」
そして強制的に牢屋に連れて行かれる。勿論、シャワーも無ければベッドは硬い。
「はぁ、やっちまったな」
あの時の俺は完全に部外者だった。にも関わらず俺は第八師団を指揮するアーノルド大佐に口答えをしてしまった。
決して正しい選択とは言えない。寧ろ悪手と言えるだろう。
それでも口を出したのは何故か?
(親が子を物扱いする世界とかさ……悲し過ぎるだろ?)
無論、前世の時だって似た様な話は聞いた事はある。
育児放棄や虐待の話は何度もニュースでも取り上げられていた。そして互いが不幸になって行く姿もだ。
だが、全てがそうでは無い。家族団欒で過ごす人達だって大勢いる。それが普通だと俺は思いたいだけ。
「少尉からしたら、余計なお世話だったかなぁ。あーあ、やってらんねぇ!」
俺は痛む頬を庇いながら硬いベッドで横になる。耳を澄ませば外が若干騒がしい。恐らく何処かの部隊が帰還して来たのだろう。
(後方勤務……なりたかったなぁ。タダ飯食いになりたかったぜ)
尤も、傭兵でありゴーストの俺には程遠い立場なのは充分に理解しているのだがな。
え?二日連続投稿だって?
昨日のは俺からのクリスマスプレゼントってやつさぁ!(*⁰▿⁰*)
え?作者のクリスマスプレゼント?
そんな決まってるじゃないか……
皆が読みに来てくれる事さ(キリッ←寒⁉︎