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初陣

01ハラダ曹長

02ミャオ曹長

03ロイ軍曹

04アラン軍曹

05エドガー伍長

06タケル伍長

07ケイト伍長

08サーシャ上等兵

09ザニー上等兵

10リロイ上等兵

11レイナ上等兵

12シュウ二等兵(NEW!)

『作戦概要を説明する。12:30にタミナ市街地内で再び戦端が開かれた。発端は大企業ミカヅキが我がトミオー国防軍第一防衛ラインに攻撃を仕掛けて来た事だ。現在、国防軍第44、45防衛部隊が迎撃を行なっている』


 警報が鳴り響いて全員が急いで戦闘準備を開始。俺は防具とパワーアシストを装着してMG-80軽機関銃を持って行く。


『しかし状況は僅かだが劣勢となっている。よって我がトミオー国防軍は増援部隊の派遣を決定。これより当基地から防衛部隊以外は全て出撃となる。各員の健闘を祈る。以上だ』


 そして装備を整えた外人部隊第605歩兵小隊は装甲兵員輸送車に乗り込み移動を開始していた。


「未来の世界なのに輸送車とか大して変わって無いのな」


 装甲兵員輸送車のエンジン音と外から聞こえる銃撃と爆発音。俺達は着々と戦場に近付きつつ有った。


『全員、聞こえるな』


 インカムから聞こえるのは隊長のハラダ曹長の声。全員がハラダ曹長を見て話の続きを待つ。


『俺達はこれより、この地域の防衛部隊として配置される。此処はかつて商業施設が密集していた場所だ。だが、今では歩兵が入り込めば発見するのに困難な場所となっている』


 端末に戦術データリンクが送られる。そしてホログラムにより立体映像となり詳細な地形が映し出される。


『しかし、敵にとっても同じ事が言える。敵もこの商業施設は抑えたいと考える筈だ。また、この商業施設は国防軍の戦車部隊がいる戦闘地域と隣接している。よって、必ずこの場所は守らなくてはならない』

「ハラダ曹長、防衛するのは良いんですが……味方戦力にアテが有るんですか?」

『安心しろ。今回は国防軍のパワードスーツ部隊も一緒だ。下手な戦車よりは頼りになるぞ。安心したか?60512(シュウ二等兵)

「凄く安心しましたよ。今夜は良く眠れそうです」

『その意気だ。他に質問はあるか?無ければ武器、防具、自前の装備の最終チェックを行え』

『『『『『『『『『『「了解」』』』』』』』』』』


 そして装甲兵員輸送車が止まり後部ハッチが開く。それと同時に俺達は次々と降車して行く。


(初の実戦がこんな場所とは。やはりゴーストの立場で楽観的な考えは駄目だな)


 全員が周辺を警戒しながら建物の陰に隠れる。


『全員、これより当該地域の防衛を開始する。敵を見つけたら殺せ。以上だ』


 そして外人部隊第605歩兵小隊は商業施設の内部に突入して行くのだった。






 俺達が防衛する地域は商業施設が集まっている場所だ。所謂テナント店が数多く立ち並び、賑やかで楽しい場所だった。

 しかし現在では誰一人居らず、野良の原生生物が残飯を漁って駆け巡っているだけだ。

 捜索している商業施設は、大手の有名エンターテインメントモールだ。そのお陰か様々な店がテナントとして出店していた。しかし最初の戦端が開かれた時には少なくない民間人が犠牲となった。

 今も床や壁に黒ずんだ血痕らしきものが辺りに飛び散っているからだ。

 本来なら正規市民が戦場に巻き込まれたら三大国家が黙ってはいないだろう。しかし、こと大企業には三大国家との強い繋がりがあると言われている。どんな手品を使ったのかは知らないが、少なくとも三大国家と直接対峙する事態を避けたのは間違い無い。

 俺達が現在通っているのは、メインストリートと言った所だ。ガラス張りの所は殆どが割れて、歩く度に音が通路に響く。しかし、まだ電気は通っているのか一部の照明は付いたままだ。


『この辺りも磁場パルスの影響が大きいネ。お陰で小型のドローンが来る心配は無くなってるヨ』

『そうだよねー。お陰で対人戦だけに集中出来るから良いけど』

「この時代になって無人ドローンが使えないとか、ちょっとショックかも」

『何がショックだ。お陰で小型ドローンからの攻撃が無くなってるんだ。文句を言うな』

「分かってるよ06(タケル伍長)。しかし、この廃墟具合を見ると残ってる人は居なさそうだな」

『撤退は完了したと国防軍は言ってた』

11(レイナ上等兵)、まさか本気で信じてはいないだろ?」


 俺の言葉に誰も反論はしない。つまり、そう言う事だ。逃げ遅れた連中、居座り続けた連中は今も何処かに潜んでる可能性はある訳だ。


『無駄口は止めろ。敵の捜索に注意を払え』

「12、了解」

『11、了解です』


 そして再び前を向いて捜索を行う。しかしまだ昼だと言うのに結構暗い。

 俺は多目的フェイスガードを被り暗視機能を使う。多少は見易くなったが周りに瓦礫や看板、商品の残骸が辺りに転がっているので足元には注意が必要だ。

 外は今でも銃声や爆発音が常に轟いている。改めて思うと随分と遠い所まで来たものだなと感心してしまう。


『此方05(エドガー伍長)、気配を感じる』


 その時、05の発言で全員が止まる。


『それは確実か?』

『間違い無い。この建物に入って来ている』

『スンスン、まだ臭いでは分からないわね』

『俺もだ。警戒は続ける』

「気配とか臭いとか地味に原始的な事してんのな」

『何か言ったかしら?12』

「いえ、何も。今直ぐ迎撃に移ります」


 02(ミャオ曹長)からの突っ込みに素知らぬ顔して配置に着く。

 先制攻撃が出来る此方が有利なのは変わらない。しかし、障害物を利用して敵は確実に反撃して来るだろう。


『此処デ、敵ヲ潰ス』

「いや、ソレだと潰すと言うよりミンチになると思うよ?」


 04(アラン軍曹)は自身が持つ12.5ミリ重機関銃をガッシリと抱えながら射撃態勢を取る。本来なら何処かに固定するか、パワードスーツを装着しないと無理だろう。

 しかし、そこは巨人族の血を存分に活かした豪快な構え方をする。

 他の仲間達も遮蔽物を利用して武器を前方に向けて構える。この通路は非常灯の灯りと外からの若干の光以外は殆ど無い。俺は暗視機能を使いながら警戒を続ける。

 そして、暫くすると複数の足音が聞こえて来た。


(大丈夫だ。シミュレーター通りにやれば問題無い。大体、シミュレーターの時は上手くやれたじゃないか。あ、でも何回も死んだっけ?)


 傭兵ギルドで数時間のシミュレーター訓練。果して、それが実戦で役に立つのか?銃の撃ち方や構え方は大丈夫だろう。しかし実際に人を撃てるのだろうか?

 不安な気持ちを抑えている間にも足音は徐々に近付いて来る。

 俺はMG-80軽機関銃を強く握り締めて敵が来るのを待つ。

 その時だった。横から誰かが寄って来た。俺は吃驚しながら振り向くと、無表情で有りながら儚げな雰囲気を持つレイナ上等兵が居た。


「大丈夫、落ち着いて何も考えずに撃てば良い。後は私がフォローするから」


 レイナ上等兵は顔を近付けて耳元で静かに喋り出す。

 整った表情に戦場でありながら儚げな雰囲気を醸し出しすレイナ上等兵。それは人を惑わすオアシスの様な美しさだったのだ。

 俺はレイナ上等兵の表情に見惚れながら別の意味で心臓が高鳴る始末。


(お、落ち着け俺。Be Coolにだ。こんな時にトキメク程、俺には余裕は無い筈……筈だよね?)


 フェイスガードが無かったら間違い無く赤くなった顔がバレていただろう。俺は深呼吸をしてから返事をする。


「そうか、分かった。落ち着いて引き金を引くよ」

「それで良い。さぁ、力を抜いて構えて。そして隊長の合図で引き金を引けば良いから」


 レイナ上等兵(11)が俺の側でアサルトライフルを構える。それだけで少し安心したのは仕方無い事だった。

 そして、もう一度深呼吸をしてからMG-80軽機関銃を構え直した時だった。


『各員、射撃開始』


 01(ハラダ曹長)からの攻撃命令で全員がトリガーを引いた。

 突然の先制攻撃により前方に居た敵兵の何人かが血飛沫を上げながら倒れて行く。無論、敵兵は木偶の坊では無いので直ぐに遮蔽物や壁の裏に隠れて応戦して来る。

 しかし、此処で役にたったのが04の持つ12.5ミリ重機関銃だ。12.5ミリの鈍重な音と妙に乾いた音が印象的な空薬莢を吐き出しながら、次々と壁や障害物を破壊して行く。


『ウオアアア!オラガ全部潰スウウウ!』


 12.5ミリ重機関銃の銃火が派手に暗い通路を照らす。俺は慌てて後退しようとする敵兵に向けて引き金を引いて行く。

 MG-80軽機関銃の弾薬は8.5ミリ弾だ。この強力な弾が高い発射レートを維持しながら吐き出されて行く。軽く引き金を引けば数十発の弾が瞬く間に敵兵に向けて飛んで行く。

 相手も悪足掻きと言わんばかりに反撃をして来るが、既に散発的な反撃しか出来ていない。


『此方06(タケル伍長)、これより突喊する』

『じゃあ02も行きます』

『仕方無い。此方03(ロイ軍曹)、二人の援護をします』

『01了解。各員、味方当てるなよ。行け!』


 そして02、06を先頭に03が一歩下がった場所で援護射撃をする。無論、俺達も少しずつ前進して行く。


【て、敵だあぁぁ!】

【や、やめ】

【ひぃ⁉︎もうダメだあああ】


 06は近未来的なデザインの軍刀を華麗に操りながら敵兵を次々と斬り裂いて行く。02、03は獣人としてのパワーを活かして敵兵を殴り飛ばして行く。

 そんな接近戦を一歩引いた場所で見ながら、俺は一言呟く。


「彼奴ら……銃、要ら無くね?」


 俺の呟きは敵兵の叫び声と悲鳴によって掻き消されたのだった。






 最初の敵歩兵部隊を全滅させた俺達は更に敵を捜索する為に前進して行く。他の階でも銃撃戦が行われており、通信から接敵の声が多数聞こえる。

 しかし、敵歩兵を見るとトミオー国防軍のパワードスーツ部隊には先ず勝てないだろうと判断出来る。敵歩兵部隊の殆どは一般的な軽装備。つまり、パワーアシストが無い状態だったのだ。歩兵としては充分な装備だったが、如何しても限界が見えてしまう編成だったのだ。

 無論、俺達も敵歩兵には充分注意しながら戦闘を継続する。俺も既に二つ弾倉を撃ち切ったのでリロードしている所だからな。


『60501了解しました。良し、一帯の制圧を完了した。増援が来るまで現時点で待機だ』

『やっと?はぁん、疲れたぁ。ねぇ隊長、少し周りを警戒しに行っても良い?』

10(リロイ上等兵)、この場所には何も無いぞ』

『そんな事無いよ〜。だって、元々はショッピングモールでしょう?ねぇ、ミャオ曹長も行きたいですよね?』

『んー、確かに行きたいけど。まだ外に敵が潜んでそうだし』

『何言ってるんですか!その為のミャオ曹長の嗅覚頼りなんですぅ!』

「ぶりっ子キャラ流行ってんの?何か、古臭いイメージしか無いんだけど。もしかしてリロイ上等兵は見た目の割に」

『……12は今夜覚悟してね?』

「マジで勘弁して下さい。本当に御免なさい。もう喋りません」


 戦場とは全く関係無い身の危険を感じた俺は直ぐ様謝った。俺にはまだ失いたく無い物が有るんだよ!

 結局、女性陣四人と男の娘一人は廃れたショッピングモールを探索する事になった。


「彼奴ら、此処が戦場なのを忘れてる訳では無いだろう?」

「オレ、腹減ッタ」

「仕方無いさ。この辺りに娯楽なんて無いんだから」

「所でシュウ二等兵は?」

「……彼処」


 ザニー上等兵の腕が四本ある腕の内、一本を指差す。その先に全員が視線を移すと、しゃがみ込みながら敵兵士の死体を漁っている姿が見えた。


「うへぇ、血塗れ手榴弾かよ。使えるから貰うけど」

「何やってるんだ。お前は」

「あ、タケル伍長じゃん。一緒に漁る?」

「漁らん。全く、何をやってるかと思えば」


 呆れた様子で此方を見るタケル伍長。いやいや、使える武器は拾っといた良いと思うんだよ。ほら、俺ナイフとか持ってないし。

 それから状態がマシな死体から使える物を回収して行く。


「なぁ、武器って国防軍が買い取ってくれたりするかな?」

「する訳無いだろ。精々死体から回収出来るのは金と弾薬くらいだ」

「そっかぁ。じゃあ、手榴弾と8.5ミリだけ貰っとくか」


 取り敢えず拾える物を適当に拾ってリュックの中に入れておく。

 それから暫くすると女性陣も戻って来きた。俺はレイナ上等兵に近付いて一言だけ礼を言う事にした。


「レイナ上等兵、さっきは有難う」

「何の事?」

「いや、さっき側に居てくれただろ。その礼だよ」

「別に。貴方はまだ新兵なのだから。上官が面倒を見て上げるのは当然」


 そう言ってレイナ上等兵はタケル伍長の方に行く。あの二人は恋人なのだろう。何となくレイナ上等兵の表情が柔らかくなってる気がするし。


「まぁ、気にしたって仕方無いか」

「何々?レイナちゃんが気になるの?」

「すっこんでろ男の娘」


 余計な事を言い出しそうな上官殿(リロイ上等兵)に一言だけ言って逃げる。無論追い掛けて来るがパワーアシスト装備の俺に追い付いて来れるものか!


「逃さないんだから!」

「足速くね!年齢差があるだろうが!」

「女舐めんな!」

「テメッ!男だろ!」

「今夜私と同衾決定!」


 追い掛けられながら増援部隊が来るのを待つ。早く来いと強く祈りながらな。

 そして増援部隊が到着したのと同時に敵の増援部隊が来たのも、御約束な展開だろう。


CP(コマンドポスト)よりチャーチル1へ。現在、大通りから其方に向けて敵戦車、及び歩兵部隊が接近中。尚、MW六機の存在を確認した』

『此方チャーチル1。現在の我々の装備では対応は困難。直ちにAW部隊の増援を請う!』

『此方CP、AWの増援は出来ない。代わりに戦車部隊を派遣。また攻撃ヘリ二機を先行させる。それまで増援が来るまで現時点を死守せよ』

『チャーチル1了解。畜生が!総員、聞いての通りだ!現在、このショッピングモールに向けて敵部隊が接近中だ。然もMW六機が御供としてだ。しかし、我々はこの場所を死守し続けねばならない!』


 端末に送られて来る情報を確認しながら状況を把握する。

 敵は戦車八輌、MW六機、更に装甲輸送車十輌以上で接近中との事だ。

 此方にはトミオー国防軍率いるパワードスーツ部隊が居る。パワードスーツなら戦車に取り付いてしまえば後は蹂躙出来るだろう。

 しかし、MWに関しては何とも言えない。機種によってはMWは攻撃ヘリにとって脅威となるだろう。


(かと言ってこの場所で止まるのも如何なものかと思うんだよな。折角の市街地なんだ。色々使える所は有るだろうし)


 幸い此方には対戦車特技兵ことリロイ上等兵が居る。対戦車ミサイルならMW相手にもダメージは与えられるかも知れない。


「12より01へ。現在地より前方の建物に移動する事を提案します」

『却下だ。現在地を死守する命令だ』

「その命令を守る為です。恐らく現在地を守る事は出来ます。しかし、それは正面から戦車とMWの火力を受け止めて多大な被害を出した上です」

『何が言いたい』

「たかが十二人の傭兵部隊が別の場所に陣取っても問題は無いと思います。寧ろ上手く行けば敵の一部を此方に引き寄せられるかも知れません」

『……』

「此処でその他大勢の中と一緒に死んで行くか、国防軍に感謝される戦いをするか。勿論自分は後者を選びたいです」

『成る程な。作戦は有るのか?』

「単純な物ですがね」


 俺は簡単に作戦を伝える。

 先ず、俺達は建物の屋上に陣取り敵部隊が来るのを待つ。次に敵戦力を見て優先して撃破する対象を選ぶ。

 今回の場合は対空兵装を持つ相手を優先する事だ。この防衛戦で一番の戦力は攻撃ヘリ二機による航空支援だ。攻撃ヘリが持つ全ての火力を敵部隊に叩き付けれれば、優勢になるのは確実だ。

 その為には一度防衛部隊と敵部隊が交戦する必要がある。敵の注意が完全にそれたら屋上から対戦車ミサイルを撃ち込むのだ。無論、バレた時や撤退時には集中攻撃を受ける可能性も伝えておく。

 作戦の説明をすると皆んなから少し感心された表情をされた。


『成る程な。よく分かった。との事チャーチル1、ウチの新参者の作戦ですが如何でしょうか?』

『新兵が考えたにしてはマシな作戦だな。だが対戦車ミサイルをどうやって調達する?』

『それは……』


 チラリと此方を見て来るハラダ曹長。俺は仕方無くこう言った。


「戦果は其方にお譲りします。ですので対戦車ミサイルをお譲り下さい」

『良い答えだ。声からして子供か?世渡りが上手いじゃないか』

「有難う御座います」

『今直ぐ取りに来い。後十五分程度で接敵するからな』


 そして通信が切れる。俺は一応ハラダ曹長に謝っておく。


「すみません。勝手な事を言ってしまって」

『いや、アレで良い。もし手柄は渡さないと言ったら今後に響くからな。俺達は何時でも捨て駒にされる弱い傭兵だからな』


 ハラダ曹長は少し悔しそうに言いながら指示を出す。

 俺達は急いで対戦車ミサイルを回収して行く。無論シミュレーターでは扱った事はあるが、このタイプは使った事が無い。


「10、走りながらこの対戦車ミサイルの扱い方を教えてくれ」

『うん!良いよ。でも、さっきの作戦凄かったね。咄嗟に考えて出来たんだから尚更だよ』

「いや、市街地戦だし。色々な場所に行けるからな。まぁ、ゲリラ戦法ってやつさ」

『ゲリラ戦法?何それ?』

「んー、臨機応変に撹乱する事だったか?まぁ、今回は敵を撹乱させて混乱させるのが一番だからね」


 俺達は対戦車ミサイルを集めて敵部隊がやって来る大通り沿いの建物に隠れる。ついでにチャーチル1が気を利かせてくれたのかパワードスーツ部隊の一部部隊を此方に寄越してくれた。


『良かったな12。お前、国防軍に気に入られたのかもな』

「たった一人の現場指揮官に気に入られてもね。どうせならMWを配備して欲しいよ。そうすれば皆を守りながら戦えるだろうし」


 俺はタケル伍長と話しながら、対戦車ミサイルの扱い方の説明をリロイ上等兵から聞くのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です 過去編一気読みしましたがタケルがどこで闇堕ちしたのか気になる.... まだこの頃は仲が悪いって程度で可愛らしい少年兵ですがやっぱりレイナを奪われたとかいうことなのかな? 楽…
[良い点] はじめまして、いつも楽しく読ませていただき、ありがとうございます。 主人公の軽口が楽しめます。 [一言] 過去編は面白いと思いますが、出来れば短い方が好きです。 現在編に戻りましたら、また…
[気になる点] >まだ電気は通っているのか一部の非常灯は付いたままだ。 非常灯ってたいてい電池やバッテリー稼働で電気止まってもついたままでは?停電で消えちゃったら非常灯の意味ないので 一部の照明は~…
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