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~Interlude 5~
薄暗い場所で、大きな画面に浮かび上がる赤い紋章。
その紋章は、何かの顔のようにも見える。
その赤い紋章を見上げて、語りかける者がいた。
「……やはり、その者ですか?」
〈状況証拠からは、そうとしか思えぬ。
その者だけであるとも、限らぬが〉
返答は、赤い紋章を見上げて語りかけた者にしか聞こえなかった。
そして、この場には人影は一つしか見当たらなかった。
「では、その者と、その他の疑わしい者に対して、手を打つ必要が有りますね」
〈何か良い案でも?〉
「任せて下さい。きっと、あなたの欲求を満たせると思いますよ」
〈期待しているぞ〉
その返答の直後、赤い紋章はゆらめきながら消えた。
そのゆらめく様子は、何者かの笑い顔の様に見えた。
薄暗いその場所で、その人影は瞑想に耽り始めた。




