動揺
私の目の前にいる女の子
…多分高校3年生ぐらいだろう
ニセモノのこの子は困惑していた
それもそのはず
だってこういう時のスペシャルゲストっていうのは自分の好きな有名人や自分の友達とかが出ることが多いからだ
何の接点もない人が現れたら困惑するのは当たり前
でもね?接点はあるのよ?
あなたが知らないだけでね_
接点といってもそんな大した接点でもないわ
ニセモノとホンモノってだけですものね?
『えーこの方わかります?』
司会のアナウンサーがニセモノに聞く
『えっと……すいません。分からないです…』
ニセモノは苦笑しながら答えた
『そうなんですかー?』
『はい』
アナウンサーの人はわざとらしく驚く
『では自己紹介してもらってもいいですか?』
『_もちろんです』
私はここで初めて言葉を発した
その瞬間目の前のニセモノは凍りついたかのように固まった
『…私の名前はCOCONAです』
さっきまで凍ったかのように固まっていたニセモノは動揺していた
まさかホンモノのCOCONAと対面することはないと思っていたのだろう
『わ、私と同じげ、芸名ですね』
動揺しているのが丸わかり
こんなので芸能界にいられるのは不可能に近いわ
『おっ!気づきましたか!』
アナウンサーの人がひらめいた演技をする
『あ!そうだ!スペシャルゲストとして来てくださったCOCONAさんも歌を歌っているそうなんですよ!
良かったら御二方歌を歌ってみてくれませんか?』
『え?!い、いや、それはちょっと…』
ここでニセモノが断るのは無理もないはず
だって歌ったりなんてしたら自分がニセモノだってバレるものね?
『私は全然大丈夫ですよ!私の本業は歌を歌うことなんで逆に歌を歌わせてもらった方が有難いです』
私は笑いながらそう言った
『おぉ!スペシャルゲストのCOCONAさんはノリがいいですねぇ〜』
アナウンサーの人は嫌味ったらしくそう言った
『っ私もやっぱり大丈夫ですよ』
この言葉が癪に障ったのかニセモノは歌う決心をした
残念だったわねニセモノちゃん?
ここまで来たらあなたはもう私の手のひらの上で転がされているといっても過言ではないわ
先にあなたが歌ってその後に私が歌う
私はこれまでボイスレッスンを頑張って来たの
負けないわよ
いいえ、負けるはずがないのよ
『では、COCONAちゃん!歌姫の力を見せてやって下さいなっ!』