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第一話 異世界転移は唐突に

普段の日常に嫌気が差しつつも、妹の為頑張って生活していたが、唐突な死を告げられさらには世界を救う救世主にまでさせられた天智 才人の物語が今始まる。

ある晴れた日のこと。

天智才人てんちさいとこと俺は……


「才人様!お飲み物をお持ちいたしました!」

「いや、要らないし」

「そ、そんな…私を見捨てないでくださいぃぃ〜〜‼︎」

「あー!もう!見捨てねーし!うるせぇ!」

「才人さん、女神様を虐めちゃ駄目ですよ……虐めるならこの私を!」

「何でそうなる⁉︎」

「おい!才人!我は疲れた!おんぶしてくれ」

「………」

「「「才人(様)(さん)!」」」

「………どうしてこうなったんだーー‼︎」

女神と勇者と魔王に囲まれている……


俺はある日、トラックに轢かれて異世界に転生した。…え?急すぎるって?

なら、その前の日の事を話そう。

「才人様?誰に話し…ムゴゴゴ!」

「ちょっと黙ってような?」

(……コクコク)

さぁ、気を取り直して…俺が転生するまでの話をしよう。

俺は転生する前、普通の高校生だった。

いや、訂正しよう……[普通の]ではなかった…


「おにぃちゃん〜、朝だよ〜」

「ん〜…後5分だけ…」

「もう〜!遅刻しちゃうよ〜!」

「わかったわかった、起きるって」

「おにぃちゃん、本当は起きてたでしょ…?」

「ナンノコトダカワカラナイナ〜」

「もう!おにぃちゃんの意地悪!」

「あはは、ごめんごめん。妹の可愛い反応が見たくてつい」

「……もう、おにぃちゃんはズルいよ……」

「ん?何か言ったか?」

「な、何でもない!それよりも、早く用意しないと遅刻しちゃうよ!」

「あ、ほんとだ…もうこんな時間か」

俺は部屋の時計を確認し、妹を見送る為に部屋を後にした。

「私は先に行くからね?ちゃんとご飯食べるんだよ?」

「わかったよ、ほら早く行ってきな」

「うん!行ってくるね!」

「おう、車に気をつけて行けよー」

「分かってるって〜、行ってきまーす」

妹を見送った後、俺はいつものように学校に行く準備をして、妹の焼いてくれたパンを口に咥えて家を出た。

ここまでは、よくある日常の風景だと思う。え?ない?それは……知らん!

しかし、俺の普通はここで終わる。

例えばここの角を見送った曲がると…

「きゃっ‼︎ごめんなさ…あれ?当たってない?」

これで199回目だ…

何故か毎日角待ちをしている女の子がいる。もう一回言うが199回目だ。ここまでくると慣れたもんである。さっきの女の子には悪いが、足音をワザと立てて近づいてるように思わせ角で一回止まり女の子と当たらないようにしたのである。

明日で200回目だ…何か貰えるのだろうか?何も嬉しくない記念日とか誰得なのだろうか…

そう思いながら女の子を無視して歩く。

しかし、当たらなかった女の子は…

「っち!次こそは……」

と、この通り。何故、諦めるという発想がないのだろうか?

というか、1日に1回角待ちは何なのだろうか?

そして何故、聞こえるように言ってくるのかが不思議である。

まぁ、この時点でもまだ優しいものだ。

俺は女の子無視して学校に向かうと、その通学中にひそひそと話し声が聞こえる。うちの学校の生徒だ。

「なぁ、あれって天智才人じゃね?」

「ああ、あれが噂の…」

「天才の中の天才って話よ」

「顔もかっこいいし、私タイプかも〜」

またこれか…

学校に登校するだけでこの様だ。

俺は、周りの人からは天才の中の天才呼ばれている。多分俺の名前とかけているのだろう。

この語りを聞いてるそこの君!そうそこの君だ!羨ましいと思うか?

「才人さん?壁に向かって何を…ムグググ」

勇者っぽい女の格好をした奴の口を手で塞いだ。

「何でもないから黙ろうか?」

「………………ポッ」

何で顔を赤らめてるんだコイツは…

話を戻そ…

「才人ー!我は暇だから構……ンーーー!」

「お前ら3人はいちいち邪魔しないと気がすまないの?ん?」

「ンーー…ぷはっ!だって暇なんだもん…」

「……はぁ、後で構ってやるから大人しくしてろ」

「うむ!了解した、待っておるぞ!」

さて、今度こそ邪魔者が居なくなったから話を戻そうか。

えっと、何だったかな……えーと……

あっ!そうそう、天才と言われて羨ましいかどうかの話だったな。

え?羨ましいって?まぁ、人は一度は言われてみたいと思うだろう…

だがしかし!俺はそうは思わなかった。

何故かって?それはだな………

子供の頃から言われ続けてるからだ……ん?それでも羨ましい?

んー、では俺の気持ちを例えにしてみよう。

今、君は好きな食べ物を目の前に出されたとしよう。君はそれを喜んで食べるだろう。しかしだ…

その好きな食べ物を1日3食毎日出されたらどうだろうか?要らないどころか、怒りすら感じる思う。

様は、俺は天才と言われ続け過ぎて逆に怒りを覚えている。

しかも普通に歩いているだけで

「しかし流石、天才の中の天才だな。歩いている姿も天才っぽいぜ…」

コイツは何を言ってるのだろうか、歩く姿に天才も馬鹿も無いだろ。

「顔も知的そうでかっこいいよね〜」

「うんうん!そこらへんの男子より全然違うもんね〜」

…まぁ、かっこいいと言われて嬉しくない男はいないだろう。

別に嬉しくなんて無いんだからね!

はい、ごめんなさい。辞めて!そんな目でこっちを見ないで!…え?見えない?知ってた。

とまぁ、こんな感じだ。な?普通じゃないだろ?

この毎日の様に言われるのに対し、俺は毎日イライラしていた。

そして、ついに事件が起きたのだ。

この日、俺はいつも以上にイライラしながら歩いていた。理由は分からない。ただ、いつも以上にイライラしてたんだ。

イライラのせいなのか、はたまた気が抜けていたのか、気がつくとトラックが俺の体の横に当たり、しばらく吹っ飛んだ後気を失った。

「……様」

誰かの声が聞こえる。

「…人様」

俺を呼んでる?

「才人様!」

「んん…」

目を覚ますと、目の前には女神と思えるほどの美少女がいた。

「やっと目を覚ましてくれました!」

そう言って美少女は微笑み、こちらに近ずいてきた。

「えっと…」

俺が困惑していると

「聞きたいことは沢山あると思いますが、まずは話を聞いてください。」

美少女は真剣な顔になり、そう言った。

「まず、貴方の今のこの状況についてです……いいですか?良く心の準備をして聞いてください。」

「わ、分かった…」

「才人様、貴方は……」

ゴクリと俺は唾を飲み込み、緊張が走る…

「貴方は……世界を救う者として選ばれました!」

「………はい?」

「ですから、世界を救う者として選ばれたのです!」

何でこの美少女は意味の分からん事をドヤ顏で言ってるのだろうか?

「むむ?その顔はイマイチピンと来てないみたいですね。」

「まぁ、そりゃあそうだろ。」

「なるほど、では単刀直入かつ簡潔に言いましょう。」

「お、おう…頼む。」

「貴方は現世の世界で死に、女神である私の力でここに呼び世界を救う者として使命を授けました」

「ん?んん?俺は死んでるのか?」

「はい!」

「で、アンタは本物の女神様だと?」

「はい!」

「さらに、俺をここに連れてきて世界を救う者としたと?」

「はい!」

「なるほど、まぁ、話は大体分かった…」

「では!世界を救う者になってくれるのですね!」

「断る」

「それはよか……え?」

「だから断る」

「………え、ええーー⁉︎な、何故ですか〜!」

「何故かって?まず一つ目、確かに俺はトラックに轢かれたことにより死んでるかもしれないし、アンタが女神だというのも信じよう。だが、俺が世界を救う者になる理由はなんだ?」

「そ、それは……」

「そして二つ目、俺にはまだ幼い妹がいる。まだ逝く訳には行かないから普通に生き返らせて欲しい。」

「あ、あぅ…で、ですから〜」

「最後に3つ目」

「ま、まだあるのですか⁉︎」

「単純にめんどくさい。」

「それが絶対一番の理由じゃないんですか⁉︎」

「否定はしない。」

「否定してください〜!」

「それで?俺が世界を救う者になる理由はなんだ?まさか、適当に選んだわけじゃないんだろう?世界には死んでる奴なんて沢山いるしな。」

「分かりました。流石は天才の中の天才と言われるだけの事はありますね。」

「こんなの、少し考えれば誰にでも分かる。それとその呼び名でもう2度と呼ぶな。」

「ですが、貴方が生きている間に呼ばれていませんでしか?」

「いいから呼ぶなって言ってるだろ……もぐぞ。」

「ひっ、な、何をですか⁉︎」

「色々とだ…続けろ。」

「は、はい!才人様を選んだ理由はですね…」

俺はこの時、この女神の言葉から異世界に行くなんて思ってもみなかったのだ…

この旅は第一話を読んでいただき誠にありがとうございます!

少し短いとは思いますが、楽しんで読んでいただけたら幸いです!

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