原佳菜子
あっ、また美奈ちゃん隼人と話してる。
ムカつくーー!なんて可愛い声出しちゃって。
私が隼人を好きなの知ってるくせに…。私も隼人と話したいよ!入ってみよっかな…。
「ホントムカつくー!何ソレ!」
入っちゃった。つい…。
あれっ?隼人行っちゃった。なんでー!せっかく話に入りかけたのに…。
私は隼人が好きだ。二つ年上の中ニで、なかなかかっこいいし、面白いし、ホントに運命の人っ!ってくらい私のタイプ。
だけど最近、隼人は美奈ちゃんと仲が良い。
美奈ちゃんと私は結構仲が良いし、私が隼人を好きってことも美奈ちゃんは知っている。
(ひどいよ!美奈ちゃん!)
♦♦♦♦♦
練習が終わった更衣室で、着替えながらよくする恋バナをふってみる。
「美奈ちゃんさぁ、本当に好きな人いないの?」
「いないよっ。だっていい人いないしー」
「えーっ!ここの男子みんなかっこいいじゃん!特に隼人!!❤」
「まぁねーぇ…。」
なら隼人と私より仲良くしないでよ!と思いながら、つまんなーいとか言っておく。
♦♦♦♦♦
ある日の練習終了後、まだプールの中でつかたねーなんて話しながら、密かに隼人のことを見ていた。
しばらく見ていると、隼人が美奈に近づいて行き、何か言って美奈の頭を軽く叩いた。
その時佳菜子は、自分のこどうが速くなったのが分かった。
(美奈ちゃんは隼人のこと好きじゃないのに…。私は隼人のこと好きなんだよ?!気付いてよ隼人…)