第1話の4『クラスは妖怪だらけ(当たり前)』
超会議行ってキタカッタ。
「ふーむ。体は人間のようだが、発している力が『妖力』に『魔力』に『気力』の3つとは珍しい。2つのハイブリットだけでも希少価値が高いのだが、3つとは」
クラス分けだ。
この学校は2つの校舎に分かれている。
東洋妖怪と西洋妖怪の校舎だ。希望により、東洋妖怪が、西洋妖怪の校舎で学ぶ事も、西洋妖怪が東洋妖怪の校舎で学ぶ事も出来るが、基本的には同じ種族や知り合いの多い方になる。東洋妖怪は東洋妖怪で、西洋妖怪は西洋妖怪でという事。
「お前、一体どういう生まれなんだ?人間ならば気力を持つのは当然だ。だが、この学校へ通うような人間は霊力を持つ巫女とかシスター。男なら坊さんや神父見習いの奴が来るところだぞ」
ヨウカイザーの世界では、種族ごとに扱える力が違ってくる。
・妖怪→妖力
・人間→気力
・魔女→魔力
・巫女→霊力
等々だ。
俺は人間であるため、気力を持つのはいいとして、妖力に魔力まで持つのはおかしいというわけだろう。
「実は、俺んち複雑でして……。父ちゃんが妖怪と人間のハーフなんす。んで、父ちゃんが結婚したのが魔女である母ちゃんなんすよ」
「フーム。魔女の普段の姿は人間に近いからな。お前の体内構造が人間なのも、そういう理由なら納得するな」
「ちゃす!」
「成る程。分かった、理解した。何かクラスや校舎の希望はあるか?」
「ンー。なるべく、天狗とか狐とかいるクラスに行きたいすね。父ちゃん、そっち方面の妖怪なんすよ。あ、校舎は東洋妖怪の方がいいっす」
「ん。いいだろう、工面する。行っていいぞ」
「あざっす!あざっした!」
上手くごまかせたと思う(まあ、本当の事を言うわけにはいかないからな)。
「オイ!」
!
「なんすか?」
「お前珍しいよ。暇な時でいいから、保健室か実験室に行ってこい」
「ちゃーす」
(保健室と実験室って、嬉しい予感と嫌な予感と両方するな)
クラス分けの正式な文面は明日届けられる。今日は、来た順でテキトーに分けられたクラスで過ごす。というか、過ごしていた。
山の妖怪、海の妖怪、街の妖怪、学校妖怪。
ちらほら西洋妖怪も見られる。
いかにも妖怪っ!てのもいれば、人間にしか見えないような奴もいた。
順番に入れただけあって、最初から群れを作って来たような連中はグループを作ってだべっていた。
「B!あそこで踏ん反り返っている奴見たかよ」
「ああ。ありえねえ格好してんよな」
「だろ?どこの田舎から出てきたんだっつの」
「今時、毛皮とか。マジキモいんすけど」
「ネット。あいつに声かけてこいよ。あいつ居たら楽しそうじゃん」
「ハ?ザケンナ。アンナン、カネモラッタッテ、イラネエヨ」
「怨はどう思う?」
「@%〜||$℃☆☆」
「あ〜、そだな。そっすな」
「無視しようぜー。視界に入れたくねーよ」
「花子。機嫌わりーナ」
「悪くねっし。むしろ良好だし」
「「げらげらげら」」
だぼついた服装のストリート系のグループは、教室の中にいるバンカラ系の男に興味があるようだ。
こいつはこいつで偉そうに葉っぱくわえて、足を投げ出しているしな。
「入間。入間。なんかあそこにいる軟派な奴ら、俺達の事馬鹿にしてないか」
「かもなあ。こっちをちらちら見ては笑ってるもんなあ」
「怒」
おい。やばくないか、これ。
「「「げらげらげらげら!!」」」
「おめえさんら」
イッター!
「あんのよぅ。おめえさんら、ひょっとして、俺達を虚仮にしてる?」
「エ?ばれた?」
ビキリと教室を冷たい空気が覆った。
ヤベエ、これはヤベエぞ。
一触即発だ。
ヨウカイザー。
クソ説明。
ヨウカイザーの世界には、4つの学校がある。
そのうちの一つ。
魔女や魔法使いを専門に扱う学校では、現在、銃火器系魔法少女と旧来の魔法少女系統が、それぞれ派閥を作って争ってるらしい。