第1話の1『お、お前誰だー!』
ウオオ!
始まるゼエエ!
ウオオ!
分かっている。
状況は分かっている。
自分の身に何が起きたか、俺は理解している。
数秒前の出来事のように、鮮明に思い出せる。網膜に焼き付いた自分の最後を何度も何度も何度も!
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!
俺は、……くそう!
なんだって、こんな。
こんな、呆気なく。
色々やりたい事だって、あったのに。
まさか、自分に降り懸かってくるなんて。
数十年は先の事だと思っていたのに。
時間よ、戻れ。
『バイツァダスト』だ。
友情パワーだ。
ああ。
俺は、俺は……
「原付きバイクに轢かれて死んだんだ」
涙が、止まらなかった。
「自分のおかれた状況を飲み込んでいるようじゃな」
「!?誰だ!?」
「じゃ、じゃ、じゃ!聞かれたら答えりゅのが世のちゅね……」
「噛みやがった」
「うるさいわ」
「何なんだ、お前は」
「何なんだ、と尋ねられたか?」
「ああ」
「ならば、応えるのが世の常というもにょ」
「また噛みやがった」
「うるさいわ」
「お前の方がうるさいわ!誰なんだ、お前は!」
「変な神様〜♪変な神様〜♪」
「何だと!?」
「ダッフ「言わせねえぞ!」」
し、失礼な奴だ。
ドリフとは。
「じゃじゃじゃ!分かっておるなら仕方ない。わしは噛み様じゃ」
「神様じゃないのか!?」
「噛み様びゃ!……」
また噛みやがった。
「オホン。おぬしは死んだ。覆せない事実じゃ」
「やはり……」
「JAGUAR!わしとて鬼ではない」
「噛み様だからな」
「揚げ足を取るな」
「いいじゃないか」
「善くはないのだ」
「そうなのかーー」
……何の会話だ、これは。
「よいか!おぬしを今より転生させる」
「唐突だな」
「尺の都合じゃ」
「そうか」
転生。よく『にじ。NOS』なんかで見るアレかー。チートなアレかあ。
「おぬしは『ヨウカイザー』の世界に転生してもらう」
「ヨウカイザー!」
「おう」
「最終回が賛否両論の」
「おう」
「やりようによってはハーレムの」
「おう」
「マシンデザインが俺好みの」
「そうなの」
「ヤッホーい、我が世の夏がキター」
「妖怪キター」
「俺は全ての妖怪と友達になる男かもだぜ!」
「よかった、よかった」
して、肝心なところは。
「特典は?」
「とりあえず、妖力・魔力・気力Maximumじゃ」
「Maximum?」
「じゃ、じゃ、じゃ☆」
「やべえな、そりゃ」
「存分に楽しめ」
「ああ、色々とサンキューな」
「なんの!執筆時間の為じゃ」
「時間無いのか」
「睡眠時間を削っとる」
「じゃあ、急いで転生だ」
「行ってくるぜ!」
「行ってこーい」
こうして、俺は『ヨウカイザー』の世界に転生した。これから何が起きるか、楽しみだ。
後、真っ黄色い空間は、『ウンP』みたいでいやだった。
どうなっちまうんダスト。
やべっちくしょお。
次回を待て!