第四章:体育の授業
できました!第四章!
…笑えるかな?とりあえず楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。
今僕は2限目の国語を終えて、3限目の体育の準備をしている。
「はぁ…」
ため息が出る…
僕の体は女の子なんだけど、心は男の子…いったいどっちの体育に出れば?
僕的には男子のほうがいいかな…でも、この体じゃあ男子にはかなわないし…
「はぁ…」
「あら? はじめさんどうしましたの? 早く行かないと遅れますわよ?」
麗香さんが心配そうに声をかけてきた。
麗香さんとは1限目のロングホームルームのときに僕の話をしているうちに仲良くなってしまったんだけど…
「あ、うん。ごめんね。…ねぇ麗香さん。いったい僕はどっちの体育に出ればいいのかな?」
僕は麗香さんに聞いてみた。
「そうですわねぇ…元は男だったとしましても、今は女なわけですし…この際女子の体育に出てみてはいかがです?」
あぁー…そっちきたかぁ
「…でも僕は男だったわけだし…みんな着替とか嫌じゃないのかな? …かといって男子と着替もちょっとまずいし…」
「私は別になんとも思いませんわよ? はじめさんは今は女なわけですし、悪い人でもないですから。…それに、これからは女として生きていくんでしょう? 女子のほうで問題はないと思いますわ」
「……そ、そうだよね…でも…」
でも嫌だなぁ…女子と着替とか恥ずかしいよ! あぁー…どうしよう…?
「…まだ悩んでますの? もう男なら覚悟を決めて、女子のほうに出るしかありませんわ! 女になってしまったのですもの! 運命ですわ! さぁ早く準備をいたして!」
「は、はいぃ!」
麗香さんに一喝された僕は急いで準備をした。
「準備はよろしくて?」
「あ、うん。準備できたよ。…それより、女子ってどこで着替えてるの? 僕場所しらないよ?」
僕は男だったので、着替は教室だった、だから女子の着替える場所はしらないんだけど…
「それなら問題ありませんわ! さっき私が、先生に聞いておきましたもの!」
麗香さん準備いいなぁ…
「そ、そうなんだ」
「はい。体育館に女子更衣室があるらしいですわ! …はじめさん。体育館へ私を誘導してくださいません? 私、転校してきたばかりなので、体育館の場所はわかりませんの」
「あ、そうだったね! それじゃあ行こうか」
僕は麗香さんを引き連れて、体育館へ向かった。
体育館は教室のある本館と、音楽室や美術室などの選択教室でつかう教室がある別館との間にある。
「まぁ…なかなかいい体育館ですわね」
麗香さんが体育館を見て驚いている。
この学校(あ!学校名は清流高校です。)の体育館は去年新しく建てられたものらしい。
だから、清流高校には体育館は2つある。
2つあるといろいろ便利だよね! 部活とかに!
…まぁ僕は部活には入ってないんだけどね…
「あっ! 宇佐美さんにはじめちゃんじゃない! 早く着替えないとヤバいんじゃない? 私はもう着替えたけどねー!」
僕達に話しかけてきた一人の女子生徒。たしか名前は…
「えーと、ごめんなさい。まだ私、顔と名前が一致しませんの…お名前を聞いてもよろしくて?」
「あ、ごめーん! まだ自己紹介してなかったね! 私の名前は高橋紗香よ! よろしくねー!」
そう、高橋紗香…僕、全然話したことないから分からなかったよ…
「はい。高橋さん。よろしくお願いしますわ」
「あぁ!! それより早く着替えないと! 高橋さん! 更衣室ってどこですか!? 麗香さんに教えてあげてください。……ていうか、僕はどこで着替えてたらいいんだろう…?」
「え? 更衣室ならそこよ。あと、はじめちゃんならいいんじゃないかな? 一緒に着替えても! 私は別にいいと思うよ! みんないいって言うと思うしー! それより早く着替えてきたら?」
なんか適当だなぁ…ていうかなんか、軽く
「着替えれば?」
っていうけどさ…僕は男だし…なんか…ね? …抵抗が…
「どうしたの? はじめちゃん早く着替えないと、授業遅れるよ?」
「う、うん…そうだね…着替えてくるね…」
僕は少しためらいながら更衣室のドアを開けた。ガチャ…
「わぁー…広いんだなぁ更衣室って! …でもって、ここが男子禁制の部屋なんだよね…」
あぁー…自分で言ってて悲しくなってきたよ…ここは喜ぶところなのかな? 僕、いちおう男の子なわけだし…
「…はじめさん!」
「なに?」
「もう時間がありませんわ! 急いで着替えないと遅刻になりますわよ!」
僕は更衣室にあった時計を見た…今は11時3分…授業は5分からだから…あぁ!! あと2分しかない! ヤバい! ヤバいよ!! 早く着替えないと!
「あぁー!! なんてことだ…体操服が大きい…長い! 長いよ! 体操服が!!」
僕が今着ている体操服…なぜか、僕にサイズがあわない…。
なぜ? 男のときはちょうどいいサイズだったのに…女の子だからかな? それもあるだろうけど、他にも別のなにかが………………………………………………………………………………あぁ〜!!!
「れ、麗香さん? いきなり聞くのもなんだけどさ…身長何センチ?」
「身長ですか? 私、身長は165センチありますわよ。でも、いきなりなんですの?」
「いや…別に…」
あぁ…そういうことね…麗香さんが165センチね…僕も165センチあったはずなんだけどなぁ…今は麗香さんが僕より高いよ!
…てことは、僕の身長は165センチ以下ってこと?
あぁー…やっとあそこまで伸びたのにぃー……これはシュバーレさん…もとい天気君のせいだね。
……あぁー最悪ー!!
「あっ! でもハーフパンツはちょうどいいサイズなんだね…」
天気君がしたいことがわからない…ハーフパンツはサイズをあわせてあるのに、なぜ体操服はサイズをあわせてくれなかったの? 謎だよ……
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
「うわ! 授業始まっちゃうよ!! くっ…しかたない! もう、これでいいや!! 行こう! 麗香さん!」
「わかりましたわ!」
僕達は急いで更衣室から体育館へ向かった。
って、いっても更衣室は体育館にあるからすぐなんだけどね!
「あっ! はじめちゃん! 麗香ちゃん! ギリギリセーフだねー!」
体育館に入ると、天気君が声をかけてきた。
「あ、天気君! ちょっと聞きたいことがあるんですけど! いいですか?」
「ん? なに? はじめちゃん……もしかして愛の告白…?」
「うんっ。全く違う」
「もー! 照れちゃってー! 可愛いんだから! はじめちゃんは☆」
照れてない…僕、全然照れてないんだけど…
「あのですね、まずなんで僕の体操服がこんなにおっきいんですか? ハーフパンツはちょうどいいサイズなのに!」
「そのほうが可愛いじゃん♪ これって萌えってやつ? 今オレは、はじめちゃんに萌え萌えだねー! 萌え♪ 萌え♪」
「意味わかりませんよ! サイズあわせてくださいよ! すっごいぶかぶかなんですよ! ……これ! 見てくださいよ! 絶対今の僕なら、この体操服に二人入れますよ! 風通し半端じゃないですよ? 袖から入ってくる風が!!」
「そんなことないよー! はじめちゃん! ほらっ! 男子のみなさんから大人気じゃないか!?」
いや…話通じたのかな…?
それに男子に大人気って…えっ? ヤバいんじゃない? ちょっとそれって危ないんじゃない? なんか
「あれって春崎なんだよな? …すげぇ可愛い…」
とか
「うわ! 見えそう! 体操服でかいから見えそうじゃね!?」
とか…
「可愛いなぁ…春崎って可愛いなぁ…お兄ちゃんっていわれたいなぁ…」
…とか……
「これは写真に納めるしかないな! 保健室を抜け出して、カメラ買ってきといてよかった!」
とか……
「…えっ!? 前田!? なんでいるの?!」
「ははは! はじめー! 俺はお前の正拳付きをくらって目覚めたのだよ! 自分の打たれ強さに!」
うん。やっぱり日本語通じないのかな?
「前田? 僕はなぜ前田がここにいるのか聞いてるんだよ? …打たれ強さとか聞いてないよね?」
「なぜここにいるのかだと? ふっ…はじめを撮るために決まってるだろ!!」
すごい力強く僕の目を見て言ってきた前田。
…うーん…危ないね…110に電話しようかな…?
まぁ、なによりも…
「そんなことせずに授業に集中しろ!!」
「…しかたがない。はじめがそう言うならやめる」
うん。絶対裏があるな! でもさすがに前田でも授業中はないかな…
ピーーー!
「はい集合ー! 授業するぞー!!」
あ、広谷先生だ…(実は広谷先生は体育教師です。)…あれ? 先生一人? ふつう男子と女子で二人いるはずなのに…
「今日は女子担当の吉岡先生が出張なので、男子女子ともに俺が見ることになりました。というわけで、今日はバスケをしたいと思う! 2点先取で負けたほうが交替なー! チームは男女混合! 六人で適当に作ってくれ!」
えっ? 男女混合? 女子不利じゃん!
…僕は誰としようかな?
「はじめちゃん! 私とチーム組もー!」
「あ、高橋さん。いいよー! 麗香さんも一緒にしようよ!」
「わかりましたわ!」
今三人か…あと三人…
「はじめちゃ〜ん! 一緒にしようよー! 高広と前田を連れてきたからさー!」
「えっ? あ、うん。いいよね? 高橋さん? 麗香さん?」
「いいよー」
「よろしいですわ」
よし! これで六人だ!
「おい。はじめ…」
「なに? 高ちゃん?」
「その呼び方はやめろ!!」
彼の名前は中山高広(高ちゃん)。
僕の幼馴染みで、小さいときはよく遊んだなぁ…今は高ちゃんが野球部に入っちゃったから、遊ぶ機会がないけど…
「なんで? 今までもこう呼んできたじゃん!」
「…その声で呼ばれるのは初めてだ! もっとこう…なんか呼び方はないか?」
「えぇ〜! …わかったよ…じゃあ高広君でいいかなぁ?」
「……やっぱ変えんでいいわ…」
なんか、高ちゃんの顔が赤かったような…気のせいかな? ジー…パシャ! パシャ!
…後ろから妙な音がするのも気のせいかな…
クルッ…
「…………」
「…………」
僕が後ろを向くと、低姿勢でカメラを構えている前田と目があった…
「なにしてるの?」
僕が前田に聞いた
「バ、バードウォッチングをば…」
バレバレの嘘を言いながら僕から目をそらす前田…
「鳥…いないよね? 体育館だから…」
「い、いるさ! 羽がない天使たちが!!」
「………天使って鳥じゃないよね?」
「くっ…あぁ! そうさ! 俺ははじめを撮っていたさ! なにが悪い! 俺は自由だ! 俺がなにをしようと俺の勝手……あべし!!」
僕は前田の横腹にローキックをした。
…大丈夫だよね? 前田だし
「打たれ強さに目覚めてしまった」
とか言ってたし…
「……今のは効いたぞはじめ…」
「うひゃあ!?」
び、ビックリしたぁ……下を見ると僕の足を掴み起き上がろうとする前田…まるでゾンビだよ……もっかい蹴っとこうかな?
「えいっ!」
「トリノ!!」
奇妙な叫びをあげて倒れた前田………トリノ?
「はじめちゃん! オレたちの番だよー!」
「う、うん! いこう! みんな!」
「りょうか〜い!」
「はいですわ!」
「あぁ」
「俺のスーパープレイを見て惚れろよはじめ!」
なんか一人だけ謎の返事をしたけど無視。
「おぉ〜! 春崎じゃん! 悪いけど俺達には勝てんぜ!」
「えっ!? 敵チームって亮平のチームなの!?」
僕に宣戦布告してきた彼の名前は、谷口亮平。
高校に入ってから初めてできた友達で、中学のときはバスケ部キャプテンらしく、今も現役バスケ部…はっきり言ってめちゃくちゃ上手い! ……僕達勝てるのかな…?
「おぉ! はじめちゃんの友達? オレ、天気神っていうんだ! よろしくー!」
「あぁーっ! 今日きた転校生か! よろしく! 仲良くしようや!」
「「ははははは!」」
なんかこの二人仲良くなるの早くない? なんか握手してるし…
「あの…ジャンプは誰がしますの? 私はジャンプ力ありませんから、遠慮させていただきますわ」
「あ、オレするよ! ジャンプには自信あっから!」
「天気さん。まかせましたわよ!」
「オッケ! オッケ!」
天気君なら、ジャンプっていうより飛びそうだよ…
ていうか敵チーム男子ばっかりだよ!
…勝てるかな? でも勝ちたいな…。
よぉーし! 頑張るぞ!!
はい。中途半端な終りかたですが続きがあります。
次は試合です!
また読んでくださると嬉しいです。