第二十六章:お買い物。
今回の登場人物は、はじめちゃんとシュバーレさんの2人だけです。
他のキャラが好きな人は、え〜っ!…残念。なんて思わず、普通に読んでくださると幸いです。
さて、どうしたものか…お魚か…それとも、お肉か…う〜ん…迷うなぁ…
あ、これじゃあぼく、変な人みたいですね…
今ぼくは、今朝お母さんに夕飯の買い物を頼まれたので、学校帰りに近くのスーパーに来てるわけです。
しかも、おつかいの内容は、『はじめちゃんにおまかせ♪』…ぼくにおまかせって…いったい何年主婦してんの?!おつかいの内容くらい考えてくれたって罰は当たらないよ!
で、ぼくがお母さんにそう言ったら
「じゃあ今日の夕飯は、はじめちゃんにおまかせ♪これは花嫁修行よっ!美味しいの作ってねー。」
だそうだ。
もういやっ!なに?花嫁修行って!ぼくにお嫁に行けと?…うぅ〜…なんか泣けてきた…はぁ……まぁ、ぼくは料理とか作るのは嫌いじゃないし、むしろ好きなんだけどね。
でも、花嫁修行とか言われたらさぁ…ねぇ?
まぁそんなことは置いといて、メインをお肉にするか、魚介類にするかだ。
ぼくはとくに好き嫌いはないけど、お母さんが半端じゃない!
お肉は、牛肉食べれないし、野菜ではピーマンやニンジンが嫌いだ(子供かまったく…)。
だから、今日は魚介類で攻めてみようかなと思ってたりするんだけど…
「はじめちゃんはじめちゃん。オレ、ビーフシチュー食べたいなー」
「…シュバーレさん?お母さん、牛肉嫌いって言ってなかったっけ?」
問題はシュバーレさんだ。
ぼくはシュバーレさんの好物なんて分からない。
だから困ってるわけで…あ、いまさらだけど、買い物、シュバーレさんも着いてきてます。
「えっ?オレの好物?嫌だなぁー。はじめちゃんの料理ならなんだって食べるさー」
「はい、心読まない!」
「ごめんなさい。」
「で、シュバーレさんはなにか食べたい物ありますか?」
「そりゃあ、はじめちゃ…ごめんなさい。」
なにを言おうとしているんだこの人は!?バカじゃないですか?!
なんとかぼくが、大きく腕を振り上げてシュバーレさんを威嚇したからよかったものの、もうちょっとでこの小説が危ない方向へ走り出すところでしたよ!危ない危ない。
「まじめに答えてくださいね?次さっきみたいなこと言ったら叩きますよ?」
「申し訳ありませんでした。」
「わかればいいんです。わかれば、で、なんですか?」
「う〜ん…じゃあママ!僕、エビフライが食べたいなー」
「ま、ままままま……」
「あれ?ママじゃいやかい?ならお母さんで…」
「ちっがぁぁうぅ!!そこじゃないですってばっ!」
ちょっとシュバーレさん。
ぼくの心&声の叫びに対して、え?なんで?じゃあ、なにさ?なにがいいのさ?って目で見るのはやめてくださいよ…
意味が分かりませんから…
「どったの?はじめちゃん。」
「えっ?あ、いや、なんでもないんです。なんでも。…あと、お母さんとか言わないでくださいね。意味が分かりませんから。それ系統のことを次言ったら叩きますよ?」
「あ、はい。ごめんなさい。」
「わかればいいんです。じゃあ、今夜はエビフライで決定ですね。ぼく、頑張っちゃいますよー!」
よぅし!まず、エビフライならエビを買わないとね。
さぁて、んじゃあちょっくらお魚売り場にでも…
「荷物はオレが持つよっマイハニー!…かはっ!!……はじめちゃん。速いよ…少しはためらって!躊躇して!オレを気にかけてくれよぅ!…基本的にオレ、神様だから怪我とかしないんだけどさ……眉間を第二関節の部分で殴るのはさー…さすがに効くよ?心、痛むよ?腹筋、割れるよ?バラバラだよ?」
「シュバーレさんが悪いんですっ!なんですかマイハニーって!?…じゃあ、なんですか?シュバーレさんはぼくのマイダーリンですか?」
いきなりの謎めいた発言に、思わず拳が反応したぼく。
よかった…その辺は、まだまだ男の子なんだね。
しかも、反射での攻撃にもかかわらず、丁寧に急所突いてるし…ぼくの前世って武術家かもっ!
「うんうん!マイダーリン!呼んでー!マイダーリンって呼んでー!」
「いやですっ!」
もう!シュバーレさんはいったいなにを求めてるの?!
いちおうまだ学校の制服なんだよ?いや、制服でなくてもだけど!
道行く人が、ダーリン(はぁと♪)ハニー(はぁと♪)なんて言い合ってるの見たら絶対引きますよ!
少なくともぼくは引きます!
「やだやだやだー!マイダーリンって呼んでくれなきゃやだー」
「いやですってばー!」
「くぅ〜…言ってくれないなら、神様の力、使っちゃうもんね!奇跡、起こしちゃうもんね!」
「えっ?!ちょ、ちょっと!シュバーレさん?それは人としてやってはいけないと思います!人の心を捨てないで!」
ダメだ!絶対にダメだ!シュバーレさんが神様の力使うなんて…あぁ…想像もつかないよ!それだけはなんとしても避けないと!
「さようなら。汚れ無きオレ…そして、こんにちは。汚れてしまったオレ…」
うわっ!なんか言ってるよっ!…シュバーレさんって、その日その日でキャラ変わったりするからなぁ。
これはもう、ぼくが言うしかないのか…あれを言うしか……
「神よ!では、まず1つ目の願いじゃ!はじめちゃんと…」
「ちょ、ちょっと待ってください!言います…言いますからっ!神様の力はやめてください!奇跡なんて起こさないでくださいっ!」
「やったぜぃ!ありがとうマイハニー!ついに決心がついたんだね!賢明な判断だと思うよー」
「は、ははは…ぼくもよく決心したと思いますよ。……はぁ…」
さようなら…汚れ無きぼく。そして、こんにちは…汚れちゃったぼく…う、うぅ…
「じゃあさっそく…言ってご覧。マイダーリン(はぁと♪)。リピートアフターミー。マイダーリン(はぁと♪)」
「ま、マイ…ダーリン…」
ぐはぁ!…い、痛い…心が痛いよ…なんでぼくがこんなことを?神様ぁ…なにかぼく、悪いことしましたか…?
…あっ…神様ってシュバーレさんのお父さんのはずじゃあ……うぅ…涙が…
「ノン、ノン、ノンッ!はじめちゃん。言うのはマイダーリン(はぁと♪)だよ?(はぁと♪)の部分が大事なんだよ分かる?」
「すみません…分かりません…」
「だからね!気持ちをね…」
この後、(はぁと♪)の部分の発音を練習させられたのは言うまでもない。
あぁ…ぼく、晩ご飯の材料買いに来たのになぁ…
それにしても、難しいな…(はぁと♪)…
どうも、リリィです。
今回は、はじめちゃんとシュバーレさんのお買い物。
という、言わなくても分かるお話しです。
だって題名、お買い物。だもんね!…わかるよね?
次回は、続・お買い物。ということで、頑張って書きたいと思います。
今回も読んで下さってありがとうございました。
次回も読んでいただけると幸いです。