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第二十五章:ツチノコはいね〜が〜

ザワザワと風で木が揺れ、少し生暖かくて気持ち悪い風で、ぼくの髪がサラサラとなびく。

学校を出たぼくたちは今、学校から歩いて約30分くらいで着く、海の近くの山に来ている。

ぼく達の住んでいる清流町は、田舎か都会かといえば、田舎のほうが濃い町で、少し歩けば山へ海へと行けちゃうところだ。

そんな清流町の豊かな自然を肌に感じつつ、ぼくたちはツチノコ探索をしているんだけど…

「シュバーレ…ツチノコ、いないんじゃないか?さっきからカエルしか見つけてねぇじゃねぇかよ」

そう、亮平の言うとおり。

ツチノコなんてまったくいる気配が無い。

本当にさっきからヒキガエルとかトノサマガエルとかしか見つけてないし…ここにはいないんじゃないかな?

「馬鹿野郎!まだ探し始めたばっかりだろ。男なら簡単に諦めんなよ」

「いや、シュバーレさん?探し始めたばかりって…もう、1時間くらいこの森歩き回ってるよ?そろそろ帰ろうよ。ツチノコは、また今度でいいじゃないですか。」

それにもう、5時過ぎちゃってるし、暗くなったら怖いしさ。

「じゃあ、あと30分!あと30分だけ時間ください!絶対見つけてみせるから!」

「…わかりました。30分ですね。見つからなかったら、今日は諦めてくださいよ。みんなもそれでいいよね?」

「「「いいよー」」」

「オッケ!はじめちゃん。その代わり、もし30分以内にツチノコ見つけれたら、日曜日にオレとデート行こう!」

「なんでですか?!どうやったら今の会話からデートにたどり着くんですか!?」

ていうか、デートってなに?!なんでぼくなの?

ぼくの中で、デートと言うものは、仲のいい男女が友情やら愛情やらを深めるためにするものだと思います。

確かに、シュバーレさんはかっこいい男の子で、今のぼくは女の子です。

だからって、体は女の子でも、心は男なんだよ?なんかぼく、危ない人みたいじゃないですか!

「大丈夫。はじめちゃんはかわいいからそんなことは問題ないよ」

「あ〜っもう!人の心読まないでください!」

「ごめーんね!それじゃ、ツチノコ探して来るからその辺で待っててー」

「あっ!ちょっと!シュバーレさん!」

ものすごい速さで走って行くシュバーレさん。

…行ってしまった…こうなったらツチノコが見つからないこと祈るしかない。

早く帰りたいし、ぼくはデートなんてしたくない。

もし、したところでなにしたらいいか分かんないし、デートっていったら…その…手とか繋がなきゃならないんじゃないかな…?シュバーレさんのことだし、ありえなくもない。

…大丈夫。ツチノコなんているはずがない。

どうせ朝のニュースの目撃情報は見間違いだ。きっと、カエルかネズミを食べてたあまり大きくないヘビを、ツチノコと見間違えたんだ。うん。ぼくはそう信じたい。

「うおぉ!ツチノコいたぁー!」

「なにぃぃぃぃぃぃ!?」

ツチノコらしき生物を持って、全速力で帰って来るシュバーレさん。

わわわわわわわわ!本当にヘビだよ!

…えっ?なに?あれがツチノコなの?!なんか長いような…まるで普通のヘビみたい

「さぁ!ツチノコつかまえだぜはじめちゃん!ひゃっほぅ!日曜日デートだー!」

「ちょ、ちょっと待ってください。…それ、普通のヘビじゃないですかっ!ツチノコじゃないですよ!」

「こいつはツチノコだい!ツチノコなんだい!」

必死でツチノコと言い張るシュバーレさん。

そう言われると、ツチノコに見えなくもないような…いや、でもやっぱり長いような…いったいなんなのこのヘビ!

「おいおい、お前らは何も知らないんだな。この俺が見てやるよ。子供動物図鑑爬虫類編を丸暗記しているこの俺が!」

いや、子供動物図鑑爬虫類編って…前田そんなもの暗記して何するつもりだったんだろ?やっぱりぼくにはこいつのしたいことが分からない。

「どうだ前田!こいつはツチノコだろ!?」

「…いや、子供のアオダイショウだな。たぶんこの腹の膨らみは、カエルでも飲んだんだろ。残念だったなシュバーレ!はじめは簡単には渡さんぞ!」

「くっ…ツチノコじゃないのか…」

「で、どうするんですか?このアオダイショウ。かわいそうですよ。あ、シッポ持ってブラブラしちゃあダメですっ!ちぎれちゃいますよ!シッポが!」

「安心しろはじめ。ヘビはちぎれない。シッポがちぎれるのはトカゲだ。」

「あっ…」

「なんてかわいいはじめちゃん。トカゲとヘビを間違えちゃってー」

「人間、間違えない人なんていないんです!ほっといてください!」

あぁ…ウザい。言っちゃ悪いけど、すごくウザい。

なんだってこの人は…

「まぁ、雑談はこの辺にして帰ろうよ。私、お腹空いちゃったし、ちょっと暗くなってきたみたいだから」

「そうだね。じゃあ帰ろうか。」

「あ〜…ツチノコが、ツチノコがぁぁぁぁぁぁ…」

「いいから帰るの!帰りましょう!あと、そのヘビは逃がしてあげてくださいね」

「「「は〜い」」」

あぁ…疲れた…今日は帰ったらすぐ寝よっと。

「はじめちゃん!帰ったらオセロしようよ。」

あ…涙が…



今回も、今日から私?!を読んで下さってありがとうございます。

いきなりですが、最近笑いどころがなくなってきてる気がします。

…どうでしょう?そう思いません?

と、いうわけで、次回は笑いを頑張ろうと思います。

では、また次回に会いましょう!


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