第二十三章:夢を追いかけて!
すみません。最近忙しくって、書き置きしてたやつをちまちまと投稿してます。
まぁ…これが書き置きの最後ですけどね!
次回からはどうなるのか自分でも分かりませんが、頑張ります!
『はじめ。』
僕を呼ぶ声がする…
誰だろう?聞いたことない声。
でも、なぜか心地いい。とても優しい声。
『はじめ。行きなさい。』
どこに?ぼくはどこに行けばいいの?
『行きなさい。はじめ。行きなさい…』
…
……
………
…………
……………
「はじめくん。はじめくん。」
ん?誰?ぼくを呼ぶのは…
「はじめくん。学校に行かなくていいのかい?遅刻するよ?お〜い、はじめく〜ん」
え?学校に行く?………学校…あぁ!学校!!
「がっこ!」
叫びながら、勢いよく布団を跳ね除て起きたぼくを見下ろす1人の女性。
今のぼくと同じくらい、肩まで伸びた綺麗な髪に、パッチリとした二重まぶた。
体は少し細めなのに、出るとこはでていて、顔はかわいいというよりも、美しいといった感じだ。
「やっと起きたかい?今日は学校だよね?」
「そうでした!学校でした!美佐さん、今何時ですか?」
なぜ美佐さんがいるのだろう?そんなことはさておき、今は何時なの!?
「7(なな)時15分だね。」
美佐さんが時計を見ながら言う。なんでなな時って言ったんだろ?しち時のほうが言いやすいだろうに…
「わぁ!早い!起こしてくれてありがとうございます。おかげで余裕をもって登校できますよー。」
「いやいや、一宿一飯の恩義くらいしないとね。あ、制服と着替えはそこに出して置いたよ。」
美佐さんが指差す先には、丁寧にたたまれたカッターシャツとTシャツ、ハンガーにかけてある制服があった。
「あ、ありがとうございます。…はぁ…」
溜め息がでる。ぼくの通う清流高校の制服は、男子は紺色のブレザーに、緑色のチェックのズボン。
女子は、同じく紺色のブレザーに、緑色のチェックのスカート…しかも、自分で言うのもなんだけど、なぜか今のぼくに似合うんだよな……はぁ…
昨日は気にならなかったけど、よくよく考えてみればすごく恥ずかしいよ。
ヒラヒラとスカートをはためかせて学校へ登校するぼく…ダメだ…考えただけで泣けてきた…
「ん?どうしたんだい?」
あまりの悲しさに、ふるふると震えているぼくを見て、美佐さんが不思議そうな顔をして聞いてきた。
「い、いや!なんでもないです。気にしないでくださいー」
「そうかい?それならいいんだが…妙にはじめくんの目がうるうるしていたからね、どうしたのかな?と…」
「だ、大丈夫です。ちょっと…目にゴミが入ったんです。」
ふーん…そうかい?と言って美佐さんは…なにかを始めた………ってえぇぇぇ!!
「わっ!ちょ!美佐さん!」
「ん?なんだい?はじめくん。」
「なんだいじゃないですよ!いきなり着替えないでくださいよ!…うわぁ…い、いや!ぼくは男ですよ!?少しは恥じらいというものをですね!」
「あら、なにかい?はじめくんは恥じらいがある娘が好きなのかい?……可愛らしいな…」
その瞬間、ぼくの顔は湯気が出るんじゃないかってくらい赤くなった…と思う。
そんなぼくを見て美佐さんは、ふぅ〜んはじめくんは恥じらい好きかぁ〜ふぅ〜んと少し笑いながら言っている。
「ち、違います!ぼくは男なんだから少しは気を使ってくださいって意味です!まだ…その…この体とか、女の子とか…慣れてないんですから…」
まぁ昨日なったばっかりだし、まだまだ慣れるなんて無理だろうけど…
「大丈夫だよ。私は気にしないから、さ、はじめくんも着替えないと。」
「えっ?!いや、ぼくはまだ…」
「善は急げだよはじめくん!私は気にしないから。さぁ!」
善は急げって…学校に行くまでの時間を引いても、まだ1時間以上時間余ってるんだし、まだ着替えなくてもいいんじゃあ…
「い、いや、大丈夫ですよ。まだかなり時間ありますんで…」
「いや、着替えなさい!私が教えるから!はじめくんのために気付け講座開いちゃうから!」
「い、いや!いいですって!ていうか美佐さんキャラおかしくなってますって!わっ!ちょ!美佐さん?!!」
「はい。黙りなさい!女の子なんだろう?ブラジャーくらい着けれないと、女の子やってけないよ?」
「いや、だからってちょっと!い、いやぁぁぁぁ!!!」
この後約30分近く、美佐さんのブラジャー気付け講座が開かれました………。
…
……
………
「うぅ…なんだか男として、とても大切なものを失った気がします…」
ようやく心痛む気付け講座が終わり、制服に着替えたぼくは言った。
ついさっき終わったことだからか、まるで野球中継のハイライトシーンのように蘇る鮮明な記憶。
さっきまでぼくは…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「大丈夫。はじめくんはもう立派な女の子だよ。」
「うぅ…美佐さん…それ、フォローになってませんよ…」
「いや、すまない。つい、な。」
はははと笑う美佐さん。
いや、ついって…嫌がらせですか?ぼくはどうすればいいの?あぁ…やだっ!なんかスカートすっごくスースーするぅ…
今日は学校休もうかな…きっと許されるよ。家で寝てたら男に戻ってるかもしんないし…
軽く現実逃避気味のぼくをよそに、ガッチャーン!と豪快に開く部屋の扉。
「はっじめちゅぁ〜ん!おっはよー!」
シュバーレさんが部屋に乱入。
なぜか麦わら帽子をかぶり、虫かごを肩から腰にかけて長い紐で吊し、虫捕りアミを手に持っている。
なに!?いったいなにを企んでるの!!?
「今日の放課後、ツチノコを捕獲しに行こう!」
あぁ…なに言ってんのこの人…ツチノコ(他のヘビに比べて体が短く、体の真ん中辺がふっくらと膨らんでる幻のヘビ。※作者の記憶があいまいなので、ちゃんとした説明ができません。大変申し訳ありません。)なんているわけないじゃん…
「いや!いるんだよこれが!」
「あっ!シュバーレさん!ぼくの心読みましたね?!」
「ゴメーヌ!でもさ!いるんだよ!さっきニュースでお姉さんが目撃情報を!」
なんで朝っぱらからニュースでツチノコ発見報告してるの!もっとまともなニュース見ようよ!普通の天気予報とかのほうがよっぽど素敵だよ!
「てことだからさ!放課後に山行くよ。山!来れる人は呼んどいてね!多い方が楽しいし!」
「そりゃそうですけど…」
『はじめ。行きなさい。はじめ。行きなさい。』
「ツチノコ探しに!?」
「どうしたのはじめちゃん?!!」
いきなりの謎の声に思わず叫んでしまったぼく。
行きなさいって、ツチノコ探しに?意味が分からないよー…
「あ、いや、ちょっと…」
『はじめ。行きなさい。行きなさい…』
再び聞こえてくる謎の声。
なにこれ?心に直接響いてくる優しい声。
でも、なに?行きなさいって…ツチノコ探しに行けばいいのかな?
「は・じ・め・ちゃん!」
「きゃっ!」
謎の声の言葉の意味を考えていたぼくの顔の前に、突然シュバーレさんの顔が!びっくりして変な声出ちゃったし!
「おっ!女の子してるねぇはじめちゃん!」
「う、うるさいっ…です…」
「で、どうするの?はじめちゃんはツチノコ探し、行く?行かない?」
「う〜ん…」
謎の声は行けって言ってるけどなぁ…ツチノコ探しかぁ〜…どうしよう?行ったほうがいいのかな?でも、もしかしたら行かないほうが…
「う〜ん…」
「じゃ、決定で!」
「えっ?!ちょ、ちょっとぉ…」
「んじゃあオレ、そろそろ学校行くからー!」
そう言って虫捕り少年の姿のままで部屋を出て行ったシュバーレさん。
…ま、いっか!楽しそうだし、未確認生物とかは嫌いじゃないしね!
「…あっ!ぼくも学校行かなきゃ!いってきまぁ〜す!」
「いってらっしゃーい!」
そしてぼくも、シュバーレさんの後を追うようにして家を出た。
最後まで読んで下さってありがとうございます。
次回からのツチノコ探しなんて…もう、どうしよう?って感じです。
次回も、ノリで!勢いで書きたいと思います。
また、次回も読んでいただけると光栄です。
…あ、あと、他の作品も読んでいただけると光栄です。