第二十二章:今日から私?!
すみません!今回、おひっこし。後編は題名を変えて、今日から私?!になりました。どうかお気になさらずに。
「お父さん!お母さん!お姉さん!それにはじめちゃん!今日はオレのために歓迎会開いてくれてありがとねー!」
「「「イェーイ!」」」
いったいなに?このテンション…?
今、僕はシュバーレさんの歓迎会をしている最中です。
今日はなぜかお姉ちゃんも帰ってきていて、シュバーレさんやお父さんといっしょに、てんやわんやのおおはしゃぎ。
その名も、おひっこし記念パーティ…それは名前とはかけ離れた、たいして豪華なものではなく、大人の飲み物(お酒)。おつまみ。ちょっと豪華な晩ご飯。の、三つから成り立っているもので、お酒が飲めない(未成年だからね)僕ができることと言えば、お話をしながらご飯を食べることくらいなんだけど…
「ハハハ!どうだい?君も飲むかい?」
こう言っているのはお父さん。手にはアルコール度数40を超えるほどの危険なお酒を持っている。
…なに?僕にそのお酒を飲ませる気なの?てゆーか『君』ってなに?!『君』って?!
お父さん相当酔ってるよ!
「う〜ん…かわウィーですねぇ!お嬢さん。今夜、おれといっしょにランデブゥー?」
ふだん見る笑顔よりも、よりいっそう楽しそうな笑顔を浮かべ、僕にお酒を薦めるお父さん。…実の息子を口説こうとするなんて…父親失格だね。…まず、ランデブゥーってなに?
あ、シュバーレさんがこっち見てる…
「待ってくださいよぅ!はじめちゃんはオレの女ッスよ!はじめちゃんは〜!」
あぁ…手遅れだ…シュバーレさんもお酒を…未成年はダメなのに…
「はじめったら、さっきからモテモテじゃない!いつからそんな娘に?あら!この胸…おっき!」
「ちょ!ちょっと!や、やめてよお姉ちゃん!あっ!ちょっ…いや!やめてぇ〜!!」
いきなり僕の…胸を、ぐわしぐわしと鷲掴みにしてきたお姉ちゃん。
容姿は悪くなく、僕の贔屓目でなくとも、美人と言う部類に入る綺麗さ。…でも、性格がなぁ…
そんなお姉ちゃんは、僕の抵抗をもろともぜず、いまだぐわしぐわしと僕の胸を…あぁ…なんか変な気分…僕は男だよー!
「本当になかなかのものを持ってるわね〜。奈緒美ちゃんいいな〜ママもはじめちゃんの触ってみたいな〜」
「お母さん!目がおかしいよ!!」
「いやぁ。はじめくん。実に楽しい家族だね。私もそのうち悪ノリしてしまいそうだよ。」
「や、やめて…くださいよ!美佐さん!あぁ!ちょっと!お姉ちゃん酔ってないでしょ!?ふざけないでよー!」
「ごめんね!はじめ、ごめんね!悪気はないの!…つい、ね。」
そう言ってかわいらしく舌を出してテヘッ♪と言うお姉ちゃん。ダメだ…似合わない…
「次はママの番よー!はじめちゃん!覚悟!」
はち切れんばかりの笑顔のお母さん。
…いったいどう覚悟しろと?どうせ逃げても無理矢理揉むくせにー!
えぇい!こうなったらやけくそだ!
「望むところだ!」
「いまだ!食らえ!40度お酒アタック!」
「ちょ!お姉ちゃん!…むぅ〜…ゴクゴクッ……………うふ♪いきますですよぉう?!」
…
…
…
…
…
…
やぁ。はじめくんの精神崩壊(?)に変わって、後半は私が語ろうではないか。
おっと、何故くん付?と思った人。それはね…最近、『はじめ』と呼び捨ての人が増えてきて分かりずらいかな?と思う作者の優しさだよ。
さて、とりあえず名前は覚えてくれてるよね?谷本美佐だ。
いや、今はそれどころではないな、はじめくんの様子を!
「はふぅ〜…ぼくははるさきはじめでふ。よろひくおねがいしまふ。」
「はい。こちらこそよろしく!」
シュバーレと向かい合って話すはじめくん。
おやおや、2人とも顔を赤くしちゃって(お酒のせい)、まるでお見合いみたいだな。
ん?待てよ…シュバーレは神なんだから酒は効かないはずじゃ…
「あなたのおなまえはなんですかぁ?」
「オレの名前はシュバーレ・ウェザー・ゴッドだよー!」
うむ。シュバーレは確実に酔っていないみたいだな。
「では、すばーれさん!ぼくはですね…ぼくはですね…」
「うんうん。」
「おんなのこじゃないんれふよ?おとこなんれす!なのにぼくは…どうすればいいのですかぁ?」
おぉ!はじめくん。人生相談ときたか!
「そうだね…まず、私って言った方がいいよ。女の子になっちゃったんならさ!女の子っぽく話そうよ!」
シュバーレ…お前っていったい…
「はい!わかりました!あたしですね。きょうからあたしでふね!あたしがんばりまふ!」
「おぉ!いいよはじめちゃん!」
「あたしがんばりまふ!あたしがんばりまふ!あたしぃ〜……んん〜…むにゃむにゃ…」
あ…寝た。
「なぁ美佐?」
「ん?なんだ?」
「はじめちゃんを部屋まで運んであげて!オレはまだお父さんとお母さんとお姉さんと話して信頼を深めるからさ!」
「うむ。わかった。まかせておけ。ついでに私も寝させてもらうよ。今日は疲れたから」
「おぉ」
「よいしょっと」
そう言って私は、はじめくんを担ぎ、部屋を出た。
「んん〜…むにゃむにゃ…きょうからあたしですよぅ…みなさんよろしくですぅ…」
「ふふっ…誰に言ってるのやら…」