第十六章:お話し
「遅れてすみません!」
ロビーに着いた僕は、退屈そうにふかふかの椅子に座っている美佐さんに言った。
「うむ。素直でよろしい。だが…実はシュバーレと高広君と亮平君と前田が、まだ来てないのだよ。悪いが見てきてもらえないかな?」
てことは、まだ誰も来てないんじゃん…
まぁ、シュバーレさんと前田はともかく、高ちゃんと亮平が遅いのはちょっと気になるなぁ……よし!
「わかりました!僕、ちょっと見てきますね!」「あぁ。頼むよ。」
「はい!」
笑顔で元気よく返事をした僕は、高橋さんと麗香さんを美佐さんのところに残して、男子更衣室へ向かった。
「…シュバーレさん?」
男子更衣室に来た僕の目に入ったのは、知らないお兄さん方や、おじさん、おばさん、お姉さん方と話をしているシュバーレさん達だった。
…ていうか…なんで男子更衣室におばさんやお姉さん方がいるの…?
「お!はじめちゃ〜ん!」
「はじめちゃ〜ん。じゃないですよ!なにしてるんですか?!美佐さん達待ってますよ!?」
見たところ、普通に話をしてるだけみたいだけど…
「いやぁー!着替えてたら、この人達が入ってきてさー。いろいろと話をしてたんだよ。はじめちゃんのこととかさー!」
「へぇー。僕のお話をねぇ…ってちょっと!なんで僕の話をするんですか!?意味が分かりませんよ?!」
なんだってまた…僕の話を…
「はじめちゃんは可愛いよー!とか、はじめちゃんは愛らしいよー!とか、はじめちゃんは優しいよー!とか、…」
はい。ダメだ…理由を述べてくれない…
「シュバーレさん?僕は、なんで僕の話をしているかをですね…」
「おぉ〜!その娘がはじめちゃんかい?」
シュバーレさんの後ろにいたお兄さんが言った。
「そうだよ!可愛いだろ!」
「可愛いだろって…この娘見て可愛い言わなかったら、どの娘が可愛いんだよ!めちゃくちゃ可愛いじゃないか!!」
なに…?ここは喜ぶところなの?…なんかとっても複雑な気分…
「ねぇはじめちゃん!はじめちゃんは好きな人いるのかい?」
…なに言ってるのこのお兄さん…
「い、いませんよぅ!」
「よし!じゃあお兄さんと付き合ってくれ!」
「えっと…ごめんなさい!」
「あぁ〜お兄さんフラれちゃったよ〜」
なんかよくわからない人だなぁ
「それより、シュバーレさん!早く野球しましょうよ!」
「あ、ゴメーヌゴメーヌ!じゃあ皆さん!試合しましょうか!?」
「「おぉー!!」」
みんなテンション高いなぁ…あれ?そういえば、高ちゃんと亮平がいないような…
「シュバーレさん。高ちゃんと亮平はどこ行ったんですか?」
「あぁ。高広が早く野球がしたいって言って、亮平と一緒に先にグランドに行ったよ!」
早く野球がしたいか…高ちゃんらしいなぁ
「じゃあ僕達も行きましょうか!?」
「そうだな!」
僕達は走って美佐さんのところへ行った。
「おい!シュバーレ!いったい何をしていたんだ!?遅いではないか!」
「ゴメーヌゴメーヌ!」
「…まぁいい。それではグランドに行こうか。」
「「はい。」」
僕達はグランドに向かった。
すみません。
なんか、まだ野球始まってません。
次回こそは!とか言った自分がお恥ずかしい…
でも、次回こそは…次回こそは!野球を!