第十一章:天界へ
「はじめちゃんおかえりー!」
前田をひっぱって部屋に戻った僕をシュバーレさんが出迎えた。
「た、ただいま」
「よしっ! これでみんなそろいましたわ! それでは天気さん。天界に行きませんこと?」
うんうん。早く天界に……ってえぇぇえぇえ!!
「ちょっと天気君! 何で麗香さんが天界のことを知ってるの?! みんな知らないはずでしょ!?」
「うん。知らなかった! だから、はじめちゃんが前田を捕まえに行ってるときに説明しといたんだよ。オレが神の息子ってことや今から天界に行くこととかをね!」
説明した? 僕がいないうちに?
「ずるいですよ! 僕だって天界のことやシュバーレさんの事とか知りたいんですから! 僕にも説明してくださいよ!」
僕は天気君もとい、シュバーレさんをできるだけ怖い顔で睨みつけた。
「ゴメーヌゴメーヌマドレーヌ!」
また意味がわからないことを…
「ふざけないでください! こっちは真面目なんです! ちゃんと聞いてください!」
「まぁそう怒らないでよはじめちゃん。怒っても可愛いだけなんだからさ! それに…知らないほうが楽しみでしょ? わくわくするでしょ? ドキドキするでしょ? それから…」
「わかりました…知らないほうが楽しみですよね…はい。わくわくしてますし、ドキドキもしてます。だから早く天界に行きましょう!」
でも、まぁ確にドキドキわくわくしてるんですけどね…
「よ〜し! じゃあ天界へのゲート開くから、みんな少し下がっててー!」
僕達が部屋の隅に移動したことを確認したシュバーレさんは、胸の辺りで手を合わせ、何かを呟きながら円を描くようにして手を動かした。
「開け! そして我を導け! 天空を越えし門よ! スカイゲート!」
ブゥン…
シュバーレさんが叫ぶと、部屋の中心が、グニャ! っとゆがみ、そして虹色のゲートが現れた。
「さぁ! 行こう! 天界への門は開かれた!」
テンションが上がったのか、シュバーレさんがゲートに飛込んだ…すごい…本当にいなくなった…
「俺は、はじめのあとに行く!」
前田…また意味がわからないことを…
「じゃあ私が行くよー!」
高橋さんがゲートに飛込んだ。
「私も行きますわ!」
麗香さんがゲートに飛込んだ。
「俺達も行くか」
「あぁ」
高ちゃんと亮平がゲートに飛込んだ。
「待ってよー僕も行くよー!」
「よし! 俺も行くぜ!」
僕がゲートに飛込んだあと前田も飛込んだ。